12 / 117
12.精進料理
しおりを挟む
「神様。いえ、アリアドネ様、ありがとう。」
その場で膝をつき手を合わせ天に向かって、涙ながらに祈った。
こうして、ヤスオはアリアドネの信者になった。
「もう、やめてよ。はずかしい。そろそろ帰りましょう。」
シンシアは、ヤスオに立つように求め、二人は来た道を戻った。
しばらくシンシアを眺めていた。リンゴを丸かじりで食べている姿が羨ましかったからだ。
なんせ前世では役定を迎えた歳だったので、リンゴを丸かじりするとリンゴと歯茎が血だらけになる。
最悪、歯が欠けるような自殺行為だった。
実際、小豆のアイスクリームを、かみ切れず溶けるまで待った経験がある。
でも今の俺ならできるかも、と思いリンゴを取り出す。そして食べようと思うが、怖くてできない。
食べようとしては、止まり。食べようとしては、止まる。それを数回繰り返し、ついにかじった。
──シャリッ。
「おいしい。」
リンゴを見ても血液の付着はなかった。
十数年ぶりにリンゴの丸かじりに成功したのだ。感激で涙が溢れ出てきた。
「手料理で泣いて、リンゴで泣いて、ヤスオさんはよく泣くのね。」
泣きながらリンゴを食べるヤスオにそう言いながら、ヤスオが持っていた袋に手を入れた。
そして、二つ目のリンゴを頬張り始めた。
「え?」
袋の中を覗くと、残り1個のリンゴが芯だけになっていた。
(もう一個買っとけばよかったぁ。)
さらに、泣くことになった。
そうして、二人はすべての買い物を済まし、アリアドネ宅へ向かった。 アリアドネ宅に到着した二人は、ヤスオが持っていたアリアドネの荷物から鍵を取りだし、家の鍵を開けた。
家に入ったら、シンシアはランタンに火を灯し、2階の空き部屋(客間)へ案内する。
そこで、ヤスオの荷物を出し、夕飯の支度へ向かった。
部屋にはベッドがあり、その上には袋に入った布団が置かれていた。
ベッドの横に、4段で腰ほどの高さしかない空のタンスが置いてあった。
衣服や下着は、そのタンスに入れ、部屋の掃除をした。そして、袋から布団を出してベッドに敷く。
この布団でシンシアさんは寝ていたのだろうか。ふと、そんなことを思う。
知らず知らずのうちに、布団に鼻を近づけてしまう。だが、犯行寸前で我に返った。
「こんなところをシンシアさんに見られたら、また変態扱いされてしまう。」
そう、つぶやいた瞬間。
「何しているの?」
食事の用意を済ませたシンシアがヤスオを呼びにきていた。
目線をそらし、蒼白した顔を必死に隠した。
「いや、ほこり臭くないかなと思って。」
全身から汗があふれ出る。
「そう。ご飯の用意ができたから食べよ。ちなみにわたし、その布団で寝たことないから。」
そう言うと、部屋を出ていった。お見通しだったようで恐縮した。
シンシアの用意した料理は具沢山の味噌汁とご飯、塩漬けされた野菜の漬物だった。
しかもナイフやフォークではなく箸が用意されていた。
「これ日本料理だよね。」
ここで、ご飯とみそ汁が食べられるのは、うれしかったが不思議だ。
シンシアも、不思議な顔をした。
「“にほん”ってなんですか?これは、精進料理っていうのですよ。」
日本料理じゃねぇか。と言いたいが無駄なのでやめる。それより、料理の味が気になった。
「いただきます。」と手を合わせると、
「召し上がれ。」と返ってきた。
シンシアが銀色の髪に青い瞳でなかったら、とても異世界とは思えない。
いつも自分用だけで、人のために料理するのは久しぶりと言っていたので、おいしいと言おうと決めていた。
だが、お世辞の必要なく本当においしかった。
食後、片付けを済ませ、お茶を飲みながらしばらく寛いだら、シンシアは家路についた。
──ふぁぁぁあ。
陽が昇り始め、周囲が明るくなり始めた頃。
ヤスオは、眠い目をこすりながら地図を片手にスペランザ教会を目指していた。
教会が見えてくると、門前に人影が二つ見えた。
ヤスオは人影を見るや、慌てて門まで急いだ。
「すみません。お待たせしましたか。」
門の前に立っていたのは2人。年配の方と若い方、二人共女性で修道服を着ていた。
「ヤスオさんですね。初日なので、早めに出ただけですから。遅れていませんよ。」
先に年配の方が話し、次に若い方が
「出たら、すぐに来たのでビックリしています。」と微笑んでくれた。
「ヤスオです。よろしくお願いいたします」
前日、シンシアから庶民には、名字がないと聞いた。当然ヤスオも庶民なので、下の名前で名乗ることにした。
「わたくしは、ここの院長セメレといいます。」
もちろん年配の方である。
「わたしは、マイヤといいます。」
そして、若い方である。
挨拶を終え、ヤスオは院長室に案内された。
院長室は、奥に院長専用の机と椅子があり、横には食器棚がある。
その横の物置台にいつでもお茶が入れられるよう、お湯が入った容器が置かれていた。
さらに、中央には、少し大きめの四角いテーブルが置かれ、四隅には背もたれが直角に曲がった椅子がテーブルに収まっていた。
その中の一つを引き出し、座った。
「これから子供達に会ってもらいますが、ヤスオさんには呪いにかかっていることにしてほしいのです。」
お茶を差し出された後のセメレの第一声だった。
──ブッ。
変わった形の椅子に寛いでいたヤスオへの急なお願いに、お茶を吹き出した。
「ど、どういう事です?」
口元を服の袖で拭いながら、聞き返す。
「ここでは、異世界というのが一般的ではありません。ましてや子供達には何のことか分からないでしょう。そこで、呪いのせいで一部の記憶を失ったことにしてほしいのです。」
「あぁ、いい歳の大人が何も知らないと子供達にバカにされる。そこで呪いのせいにすれば、子供達に同情されて付き合いやすくなる。そういう事ですか?」
「はい。病気にすれば、うつる心配をしますし、頭を打ったとかで怪我の後遺症にしても、傷がないから説得力がありません。なので、呪いが丁度いいのです。」
子供たち相手に説得力が必要かと疑問に思ったが、それ以上に呪いが身近なものなのかが気になる。
「ここでは呪いは一般的なのですか。」
「いいえ。少なくとも私は、そういう方にお会いしたことがありません。ですが、珍しいからこそ、子供達の好奇心を揺さぶると思うのです。」
「承知しました。」
納得した訳ではないのだが、セメレを信用することにした。
「子供達は今、朝食を摂っている頃だと思います。わたくしが先にいって事情を説明してきます。それまでここでお待ち下さい。朝食はお済ですか?」
「はい。食べてきました。」
前日、シンシアがみそ汁を多めに作ってくれていたので、それを食べてきていた。
「明日からは、こちらでお摂りください。お昼も夕飯もここで、摂ればよろしいでしょう。そうすれば支度の手間が省けましょう。」
願ってもない申し出に、心から感謝した。だが、なにか要求されるのでは、と心配にもなった。
「よろしいのですか?」
「はい。“ついで”ですから。」
セメレは、ニッコリと笑って、部屋を出ていった。
その場で膝をつき手を合わせ天に向かって、涙ながらに祈った。
こうして、ヤスオはアリアドネの信者になった。
「もう、やめてよ。はずかしい。そろそろ帰りましょう。」
シンシアは、ヤスオに立つように求め、二人は来た道を戻った。
しばらくシンシアを眺めていた。リンゴを丸かじりで食べている姿が羨ましかったからだ。
なんせ前世では役定を迎えた歳だったので、リンゴを丸かじりするとリンゴと歯茎が血だらけになる。
最悪、歯が欠けるような自殺行為だった。
実際、小豆のアイスクリームを、かみ切れず溶けるまで待った経験がある。
でも今の俺ならできるかも、と思いリンゴを取り出す。そして食べようと思うが、怖くてできない。
食べようとしては、止まり。食べようとしては、止まる。それを数回繰り返し、ついにかじった。
──シャリッ。
「おいしい。」
リンゴを見ても血液の付着はなかった。
十数年ぶりにリンゴの丸かじりに成功したのだ。感激で涙が溢れ出てきた。
「手料理で泣いて、リンゴで泣いて、ヤスオさんはよく泣くのね。」
泣きながらリンゴを食べるヤスオにそう言いながら、ヤスオが持っていた袋に手を入れた。
そして、二つ目のリンゴを頬張り始めた。
「え?」
袋の中を覗くと、残り1個のリンゴが芯だけになっていた。
(もう一個買っとけばよかったぁ。)
さらに、泣くことになった。
そうして、二人はすべての買い物を済まし、アリアドネ宅へ向かった。 アリアドネ宅に到着した二人は、ヤスオが持っていたアリアドネの荷物から鍵を取りだし、家の鍵を開けた。
家に入ったら、シンシアはランタンに火を灯し、2階の空き部屋(客間)へ案内する。
そこで、ヤスオの荷物を出し、夕飯の支度へ向かった。
部屋にはベッドがあり、その上には袋に入った布団が置かれていた。
ベッドの横に、4段で腰ほどの高さしかない空のタンスが置いてあった。
衣服や下着は、そのタンスに入れ、部屋の掃除をした。そして、袋から布団を出してベッドに敷く。
この布団でシンシアさんは寝ていたのだろうか。ふと、そんなことを思う。
知らず知らずのうちに、布団に鼻を近づけてしまう。だが、犯行寸前で我に返った。
「こんなところをシンシアさんに見られたら、また変態扱いされてしまう。」
そう、つぶやいた瞬間。
「何しているの?」
食事の用意を済ませたシンシアがヤスオを呼びにきていた。
目線をそらし、蒼白した顔を必死に隠した。
「いや、ほこり臭くないかなと思って。」
全身から汗があふれ出る。
「そう。ご飯の用意ができたから食べよ。ちなみにわたし、その布団で寝たことないから。」
そう言うと、部屋を出ていった。お見通しだったようで恐縮した。
シンシアの用意した料理は具沢山の味噌汁とご飯、塩漬けされた野菜の漬物だった。
しかもナイフやフォークではなく箸が用意されていた。
「これ日本料理だよね。」
ここで、ご飯とみそ汁が食べられるのは、うれしかったが不思議だ。
シンシアも、不思議な顔をした。
「“にほん”ってなんですか?これは、精進料理っていうのですよ。」
日本料理じゃねぇか。と言いたいが無駄なのでやめる。それより、料理の味が気になった。
「いただきます。」と手を合わせると、
「召し上がれ。」と返ってきた。
シンシアが銀色の髪に青い瞳でなかったら、とても異世界とは思えない。
いつも自分用だけで、人のために料理するのは久しぶりと言っていたので、おいしいと言おうと決めていた。
だが、お世辞の必要なく本当においしかった。
食後、片付けを済ませ、お茶を飲みながらしばらく寛いだら、シンシアは家路についた。
──ふぁぁぁあ。
陽が昇り始め、周囲が明るくなり始めた頃。
ヤスオは、眠い目をこすりながら地図を片手にスペランザ教会を目指していた。
教会が見えてくると、門前に人影が二つ見えた。
ヤスオは人影を見るや、慌てて門まで急いだ。
「すみません。お待たせしましたか。」
門の前に立っていたのは2人。年配の方と若い方、二人共女性で修道服を着ていた。
「ヤスオさんですね。初日なので、早めに出ただけですから。遅れていませんよ。」
先に年配の方が話し、次に若い方が
「出たら、すぐに来たのでビックリしています。」と微笑んでくれた。
「ヤスオです。よろしくお願いいたします」
前日、シンシアから庶民には、名字がないと聞いた。当然ヤスオも庶民なので、下の名前で名乗ることにした。
「わたくしは、ここの院長セメレといいます。」
もちろん年配の方である。
「わたしは、マイヤといいます。」
そして、若い方である。
挨拶を終え、ヤスオは院長室に案内された。
院長室は、奥に院長専用の机と椅子があり、横には食器棚がある。
その横の物置台にいつでもお茶が入れられるよう、お湯が入った容器が置かれていた。
さらに、中央には、少し大きめの四角いテーブルが置かれ、四隅には背もたれが直角に曲がった椅子がテーブルに収まっていた。
その中の一つを引き出し、座った。
「これから子供達に会ってもらいますが、ヤスオさんには呪いにかかっていることにしてほしいのです。」
お茶を差し出された後のセメレの第一声だった。
──ブッ。
変わった形の椅子に寛いでいたヤスオへの急なお願いに、お茶を吹き出した。
「ど、どういう事です?」
口元を服の袖で拭いながら、聞き返す。
「ここでは、異世界というのが一般的ではありません。ましてや子供達には何のことか分からないでしょう。そこで、呪いのせいで一部の記憶を失ったことにしてほしいのです。」
「あぁ、いい歳の大人が何も知らないと子供達にバカにされる。そこで呪いのせいにすれば、子供達に同情されて付き合いやすくなる。そういう事ですか?」
「はい。病気にすれば、うつる心配をしますし、頭を打ったとかで怪我の後遺症にしても、傷がないから説得力がありません。なので、呪いが丁度いいのです。」
子供たち相手に説得力が必要かと疑問に思ったが、それ以上に呪いが身近なものなのかが気になる。
「ここでは呪いは一般的なのですか。」
「いいえ。少なくとも私は、そういう方にお会いしたことがありません。ですが、珍しいからこそ、子供達の好奇心を揺さぶると思うのです。」
「承知しました。」
納得した訳ではないのだが、セメレを信用することにした。
「子供達は今、朝食を摂っている頃だと思います。わたくしが先にいって事情を説明してきます。それまでここでお待ち下さい。朝食はお済ですか?」
「はい。食べてきました。」
前日、シンシアがみそ汁を多めに作ってくれていたので、それを食べてきていた。
「明日からは、こちらでお摂りください。お昼も夕飯もここで、摂ればよろしいでしょう。そうすれば支度の手間が省けましょう。」
願ってもない申し出に、心から感謝した。だが、なにか要求されるのでは、と心配にもなった。
「よろしいのですか?」
「はい。“ついで”ですから。」
セメレは、ニッコリと笑って、部屋を出ていった。
30
あなたにおすすめの小説
最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~
渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。
彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。
剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。
アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。
転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった!
剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。
※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~
ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆
ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる