33 / 38
第三章 変化、成長?
第31話 ナマズ、決着?
しおりを挟む
「おい、ナマズ野郎。お前の敵はココだ!!」
俺は囮のため、家と家の間から姿を出す。
するとゾーオは鉄塔の上で体を反転させ、こちらを見つめた。
その後すぐ、蒼白く発光する。
「来る──!?」
咄嗟に建物を盾にした。
ゾーオが放っただろう一撃は、俺が姿を見せた近くの家、その庭にそびえる木に落ちる。
そこそこ太さのあった木の幹は見事に縦に裂け、断面からはメラメラと炎が上がった。
衝撃で枝の一部はかなり遠くまで飛び、見事に木っ端微塵になっている。
「……間一髪ってところか、近くに居たらただじゃ済まなかったな。それにしてもあのゾーオ」
あそこから降りてくる気配がない。
鉄塔の上で、這うように体の向きこそ変えるが、大きく動く素振りも見せないけど──。
「でも、それなら好都合だ」
周囲を見渡し、飛びながらゾーオを迎え討つ場所を探す。
時折体を晒し、ビルや住居の間を縦横無尽に飛び回った。
「あそこなら!」
目標地点を見定め、俺は目的地に向け地面スレスレを飛行する。
背後ではなお、轟音と共に次々と雷が落ち、恐怖で全身の毛が逆だっているのが分かった。
「こっちだって何も考えてない訳じゃ無い、あそこまで近づけば!」
突如、俺の行方を遮るように落雷が落ちた。
そして落下先の電灯を直撃し、土台のコンクリートは爆ぜ、電灯が倒れて進路を塞ぐ。
「い、いてぇ、死ぬところだった……」
吹き飛んだ細かいコンクリートが体をかすめたものの、間一髪でそれを避け目標としていた地点につく。
そしてその場で停滞し、右手を上げ上方のゾーオに狙いを定めた。
「相澤、今だぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺達しかいない魔法世界に、声が反響する。
それから少し立つと、バイパスを通し次々と魔力が流れ込んできた。
良かった、俺の声はなんとか相澤に届いたようだ。
しかし、魔法を放つまでの短い時間。ゾーオがこの隙をまんまと見逃してくれる訳もなく──。
「やばっ!?」
一筋の雷光が、無慈悲にも俺へと向け放たれた。
「なんてな、天の時は地の利に如かず……。雷ってのは少しでも高く、細いものに落ちやすいんだ、覚えとけ」
ゾーオから放たれた雷は、俺には当たることはなかった。
こちらの思惑通り、ゾーオと俺の間に聳え立つビル、そこに設置されている避雷針に誘導されたのだ。
当たらなかったと知り、ゾーオは再び体に稲光を纏うのだが──。
「残念だが、俺のほうが早い。それに下から上空に向かって放てば、周囲に被害はでない。遠慮はなしだ!!」
構えた右手から、過去一の途方もない魔力の奔流が放たれる。
近くのビルを巻き込み、大気を焼き、空を光で埋め尽くす程の圧倒的な一撃だ。
それは鉄塔もろともゾーオを一瞬で消滅させ、黒煙を上げる。
「ちょぉぉぉぉぃ!?」
が、その衝撃で俺は見事に吹き飛ばされていた──。
そして地面にぶつかる寸前、翼をはためかせ、なんとか激突を免れる事がに成功する……。
「や、やばかったー! こちらからの攻撃で死にかけたぞ!! 相澤のやつ、また手加減失敗したな?」
それでもまぁ、怖い思いをしていた中で頑張れたんだ。お咎めは無しにしてやらないとな。
俺は戦況報告と安否報告のため、バイパスを辿り相澤が居る場所へと戻る。
「ただいま、ゾーオ倒して来たぞ」
先程の集合団地の部屋に、窓から侵入した。
すると、俯き、自分の両手を青ざめた表情で見つめる相澤が居た。
「……相澤?」
恐怖からまだ立ち直れていないのか、彼女の様子がおかしい。
怯えたような表情をした彼女の、震える唇がゆっくりと開かれた。
「……ノ、ノアちゃん、あのね。さっきの魔法、あれでも目一杯手加減できたの」
彼女の言う意味が、突然の事でイマイチ理解できなかった。
しかし小刻みに震え、窓から空を見上げる相澤につられて、俺も空を見上げると、
「どうしよ? 私、魔力強くなっちゃったみたい……」
「おぃおぃおぃおぃ……。マジか?」
上空にあるはずの結界が、大穴を開けたように無くなっていたのだ。
そして失った結界の真上だけ、不自然に雲が一切ない。
「つまりなんだ。さっきの魔法で、結界ぶち抜いちまったって事か?」
俺の呟きに、誰からも返事は帰ってこなく、その後しばらく沈黙が続く。
そんな中、見上げる初夏の夜空に浮かぶ欠けた月が、何処か笑っているようで不気味に見えた……。
俺は囮のため、家と家の間から姿を出す。
するとゾーオは鉄塔の上で体を反転させ、こちらを見つめた。
その後すぐ、蒼白く発光する。
「来る──!?」
咄嗟に建物を盾にした。
ゾーオが放っただろう一撃は、俺が姿を見せた近くの家、その庭にそびえる木に落ちる。
そこそこ太さのあった木の幹は見事に縦に裂け、断面からはメラメラと炎が上がった。
衝撃で枝の一部はかなり遠くまで飛び、見事に木っ端微塵になっている。
「……間一髪ってところか、近くに居たらただじゃ済まなかったな。それにしてもあのゾーオ」
あそこから降りてくる気配がない。
鉄塔の上で、這うように体の向きこそ変えるが、大きく動く素振りも見せないけど──。
「でも、それなら好都合だ」
周囲を見渡し、飛びながらゾーオを迎え討つ場所を探す。
時折体を晒し、ビルや住居の間を縦横無尽に飛び回った。
「あそこなら!」
目標地点を見定め、俺は目的地に向け地面スレスレを飛行する。
背後ではなお、轟音と共に次々と雷が落ち、恐怖で全身の毛が逆だっているのが分かった。
「こっちだって何も考えてない訳じゃ無い、あそこまで近づけば!」
突如、俺の行方を遮るように落雷が落ちた。
そして落下先の電灯を直撃し、土台のコンクリートは爆ぜ、電灯が倒れて進路を塞ぐ。
「い、いてぇ、死ぬところだった……」
吹き飛んだ細かいコンクリートが体をかすめたものの、間一髪でそれを避け目標としていた地点につく。
そしてその場で停滞し、右手を上げ上方のゾーオに狙いを定めた。
「相澤、今だぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺達しかいない魔法世界に、声が反響する。
それから少し立つと、バイパスを通し次々と魔力が流れ込んできた。
良かった、俺の声はなんとか相澤に届いたようだ。
しかし、魔法を放つまでの短い時間。ゾーオがこの隙をまんまと見逃してくれる訳もなく──。
「やばっ!?」
一筋の雷光が、無慈悲にも俺へと向け放たれた。
「なんてな、天の時は地の利に如かず……。雷ってのは少しでも高く、細いものに落ちやすいんだ、覚えとけ」
ゾーオから放たれた雷は、俺には当たることはなかった。
こちらの思惑通り、ゾーオと俺の間に聳え立つビル、そこに設置されている避雷針に誘導されたのだ。
当たらなかったと知り、ゾーオは再び体に稲光を纏うのだが──。
「残念だが、俺のほうが早い。それに下から上空に向かって放てば、周囲に被害はでない。遠慮はなしだ!!」
構えた右手から、過去一の途方もない魔力の奔流が放たれる。
近くのビルを巻き込み、大気を焼き、空を光で埋め尽くす程の圧倒的な一撃だ。
それは鉄塔もろともゾーオを一瞬で消滅させ、黒煙を上げる。
「ちょぉぉぉぉぃ!?」
が、その衝撃で俺は見事に吹き飛ばされていた──。
そして地面にぶつかる寸前、翼をはためかせ、なんとか激突を免れる事がに成功する……。
「や、やばかったー! こちらからの攻撃で死にかけたぞ!! 相澤のやつ、また手加減失敗したな?」
それでもまぁ、怖い思いをしていた中で頑張れたんだ。お咎めは無しにしてやらないとな。
俺は戦況報告と安否報告のため、バイパスを辿り相澤が居る場所へと戻る。
「ただいま、ゾーオ倒して来たぞ」
先程の集合団地の部屋に、窓から侵入した。
すると、俯き、自分の両手を青ざめた表情で見つめる相澤が居た。
「……相澤?」
恐怖からまだ立ち直れていないのか、彼女の様子がおかしい。
怯えたような表情をした彼女の、震える唇がゆっくりと開かれた。
「……ノ、ノアちゃん、あのね。さっきの魔法、あれでも目一杯手加減できたの」
彼女の言う意味が、突然の事でイマイチ理解できなかった。
しかし小刻みに震え、窓から空を見上げる相澤につられて、俺も空を見上げると、
「どうしよ? 私、魔力強くなっちゃったみたい……」
「おぃおぃおぃおぃ……。マジか?」
上空にあるはずの結界が、大穴を開けたように無くなっていたのだ。
そして失った結界の真上だけ、不自然に雲が一切ない。
「つまりなんだ。さっきの魔法で、結界ぶち抜いちまったって事か?」
俺の呟きに、誰からも返事は帰ってこなく、その後しばらく沈黙が続く。
そんな中、見上げる初夏の夜空に浮かぶ欠けた月が、何処か笑っているようで不気味に見えた……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】【ママ友百合】ラテアートにハートをのせて
千鶴田ルト
恋愛
専業主婦の優菜は、夫・拓馬と娘の結と共に平穏な暮らしを送っていた。
そんな彼女の前に現れた、カフェ店員の千春。
夫婦仲は良好。別れる理由なんてどこにもない。
それでも――千春との時間は、日常の中でそっと息を潜め、やがて大きな存在へと変わっていく。
ちょっと変わったママ友不倫百合ほのぼのガールズラブ物語です。
ハッピーエンドになるのでご安心ください。
久しぶりに帰省したら私のことが大好きな従妹と姫はじめしちゃった件
楠富 つかさ
恋愛
久しぶりに帰省したら私のことが大好きな従妹と姫はじめしちゃうし、なんなら恋人にもなるし、果てには彼女のために職場まで変える。まぁ、愛の力って偉大だよね。
※この物語はフィクションであり実在の地名は登場しますが、人物・団体とは関係ありません。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる