魔剣が作れるおっさんは、今日も魔力が帯びた剣を生み出したがらない。

リゥル

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第38話 若者の未来

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「マサムネさん……流石にこの先には居ないんじゃ無いでしょうか? 鍵も掛かっていますし」

 二層へ続く扉の前で、俺達は今後の方針を話し合っていた。
 もしかしたら、何処かの通路で行き違いになった可能性もある……そんな事を考えている時だ──。

「──いや……残念な事に、この先が正解の様だ。そしてフラミーの同行者、その正体にも確信が持てた」

 俺が指差す先には巨大な門があり、その一角が濡れていた。
 それをみたレオナは──。
 
「マーキングやないか! ってっ事は、フラミリアの奴本当にこの先には居るってことかいな?」

 ──っと驚きの声をあげた。

「あぁ……あれはさながら『自分達がこの先に居る』っと言うメッセージなのだろう」
 
 意図的なのか、偶然なのかは分からない。
 しかし参ったな……未開の二層となると、あまり深くまではフラミーを探すことはできんか……まだ遠くには行ってなさそうだ、急がねば。

「──マサムネさんマサムネさん……。扉と地面が濡れているだけですよね? それどうして、フラミリアさんがこの先に居るって話しになるんですか?」

 あ~そうか、彼女は知らないんだな? 言われてみれば話した記憶もない。
 彼をなんて説明したらいいものか……。

「あぁ~……フラミリアはな、今では珍しい犬っと呼ばれる動物を相棒に連れているんだ。マーキングとは動物が縄張りを主張し合うもので、防衛圏主張の様なものだ」
「つまり、そのマーキングが成されているから、フラミリアさんはここに来たと言うことですか?」
「あぁ、そうだ。しかもまだ、扉まで濡れている。然程時間が立っていない証拠だろう」

 ただ、何のために……。何故彼女はここに来たんだ? 
 これは、奴に騙されているかもしれんな。

「同行者に確信が持てたって、もしかしてヨハネの関係者っちゅうことかいな?」
「いや、関係はしているが君の想像とは違うだろう……犯人は、十中八九キルの奴だ」
「──ヨハネがキルの奴に鍵を渡したっちゅうことかいな!」
「いや、落ち着け。少し前、君にロキと言う坊主を知らないか……っと聞いたのを覚えてはいないか?」

 俺の問いかけに、レオナは「それが、なんか関係あるんか?」っと、質問を質問で返す。

「鍵は訳あって、その坊主が一組持っていてな。そしてキルと、行動を共にしていると言う話だ」
「ってことは、アイツ等は中に居るってことはほぼ間違いないんか?」
「あぁ……目的は分からないが、面倒事の予感しかしないな」

 キルは間違いなく俺を恨んでいる……。いや、レオナがここにいる以上、それどころか敵視しているだろうな。

「くぅ……アイツもこの先にいると思うと、全然気が乗らへんな」
「それには同意だ。本来なら面倒事は避けるべきなのだが……」
「──でも、フラミリアさんに会いに行くなら先に進むの一択ですよね?」

 話を聞いていたサクラは、目を輝かせ俺達を見つめた。
 彼女のやる気に、俺もレオナも目を丸くする。

 サクラのやつ……分かっているではないか。
 出来る事もやっておかないで、リスクに怯え引き下がる。
 冒険者が冒険をしないなんて、骨頂こっちょうだからな。

「──あぁ、勿論だ。キルとフラミーが一緒にいるのも不自然だからな、なるべく早く彼女を連れ戻そう」

 自分を慕う少女が前向きな姿勢を見せている。
 それを見たレオナは頭をかき「はぁぁぁ~」っと、深くため息をついた。

「まぁええわ。行くと決まったら話しは別や、こっからは気ぃ張るで! マサムネを守るのはウチ等や。な、サクラ?」

 突然名前を呼ばれたサクラは、驚きの表情を見せる。
 顔は次第に緩み、笑顔になるのを押さえれないっと言った感じだ。

「──はい! レオナ先輩!」

 どうやらレオナも、少しばかりサクラを認めたみたいだな。
 もし、彼女達が今後もパーティーを組んだら……。

 若者が作り出す未来に期待してしまうとは。
 まったく、俺もフケたものだな。
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