永遠のネバーランド

東門 大

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プロローグ

 それは、長雨の続くじめじめとした六月のことだった。


 風呂から上がった僕は、父さんが帰宅するまで、いつものようにゲームをしていた。

 僕の父さんはサラリーマンで、夜の十一時くらいに帰ってくる。だからほとんど親子らしい会話はない。

 朝もそうだ。僕が起きた頃には父さんはご飯を食べ終わって、すぐに出勤してしまうから、一日に交わす言葉は「いってらっしゃい」と「お帰り」くらいだ。

 母さんが居なくなってから、そんな生活が一年くらい続いている。

 その日も、午後十一時になる頃、玄関の鍵を開ける音が遠くから聞こえた。

 いつもなら「おかえり」と言って、父さんの顔を見てからベッドに行く。

 ただそれだけなのに、今夜は違った。

「大吾。新しいお母さんだ。今日から一緒に住むから。……しっかり言うこと聞くんだぞ」

 ゲームをやっている僕の背中から父さんの声が聞こえた。振り向くと、一人の女性が立っていた。

「よろしく」
とその女性は言った。

 何が起きているのかを、僕はすぐには理解できないでいた。

 その女性は、一年前に突然居なくなった母さんとは、何もかも違うタイプの人だった。

 歳はおそらく20代で身長が高く、175ある父親から推測すると170くらいはあった。

 身長が162しかない僕にとって、見たこともない大きな女性だった。

 さらに胸もお尻も大きく、その胸に僕の目は釘づけになってしまった。

「何をぼうっとしてるんだ。きちんと挨拶しなさい」

 僕は言われるまま、頭をペコっと下げた。

 
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