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第1話 幸せな毎日
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義母が来てから、僕の生活は一変した。
男2人でなんとかこなしていた家事の一切を義母がやってくれるようになった。これまで父さんと分担していた洗濯や掃除からようやく解放された。
そして、何より嬉しかったのは、食事がグレードアップしたことだった。
これまで冷凍食品やレトルト、あるいはコンビニ弁当ばかりだった夕飯のメニューががらりと変わり、お料理サイトに掲載されているような料理が並ぶようになったのだ。
ただ、10歳くらいしか違わない女性をママと呼ぶことは恥ずかしくてできなかったけど……。
しかし、全てがうまくいっているように感じていたある日ーー、優しかった義母の態度が一変した。
それは夕飯の時だった。
「大ちゃーん夕飯できたよ」
いつものように義母の声が聞こえたので、テーブルにつき、食事を取り始めた。
その時ーー
義母が突然僕の左頬をつねってきた。
「大ちゃん!いただきますは?」
そう言われて、僕は「そう言えば……」と反省した。
お母さんが死んでから、自分で温めた食事ばかりだったので、「いただきます」も「ごちそうさま」も言っていなかったのだ。
義母はそんな僕を見ていてイラっとしていたのだろう。
僕は「ごめんなさい」と謝ってから、「いただきます」をして、再び箸を持った。
つねられた頬は痛かったが、お母さんに叱られたような気がして、嬉しかった。その時はまだ………。
男2人でなんとかこなしていた家事の一切を義母がやってくれるようになった。これまで父さんと分担していた洗濯や掃除からようやく解放された。
そして、何より嬉しかったのは、食事がグレードアップしたことだった。
これまで冷凍食品やレトルト、あるいはコンビニ弁当ばかりだった夕飯のメニューががらりと変わり、お料理サイトに掲載されているような料理が並ぶようになったのだ。
ただ、10歳くらいしか違わない女性をママと呼ぶことは恥ずかしくてできなかったけど……。
しかし、全てがうまくいっているように感じていたある日ーー、優しかった義母の態度が一変した。
それは夕飯の時だった。
「大ちゃーん夕飯できたよ」
いつものように義母の声が聞こえたので、テーブルにつき、食事を取り始めた。
その時ーー
義母が突然僕の左頬をつねってきた。
「大ちゃん!いただきますは?」
そう言われて、僕は「そう言えば……」と反省した。
お母さんが死んでから、自分で温めた食事ばかりだったので、「いただきます」も「ごちそうさま」も言っていなかったのだ。
義母はそんな僕を見ていてイラっとしていたのだろう。
僕は「ごめんなさい」と謝ってから、「いただきます」をして、再び箸を持った。
つねられた頬は痛かったが、お母さんに叱られたような気がして、嬉しかった。その時はまだ………。
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