奥様はご主人様

東門 大

文字の大きさ
3 / 20
第一章 健太の視点

第三話 支配の快感と裏切りへの罰

しおりを挟む
 美沙様に支配される日々の中で、皮肉にも僕の体はかつてないほどの快感を覚えていた。しかし、その出口は貞操帯によって固く閉ざされている。
 
 貞操帯が外されるのは、トイレに行くときだけだ。


 その日も美沙様に鍵を外してもらい、四つん這いでトイレへと向かった。

 便座に腰掛け、解放感に浸る。

 だが、鍵が外されている今この瞬間、僕の中の「健太」という人間の醜い欲望が首をもたげた。

 ……今ならオナニーできるぞ。美沙様にバレなきゃいいんだ。

 僕は震える手で、久しぶりに露わになった自分のペニスを掴んだ。

 しばらくぶりの僕のペニスは熱を持ち、すぐに反応した。

 必死に手を動かし、脂汗を流しながら荒い息をつく。

 禁止されているという現実が、快感を一層高めた。


 バタン! と、ドアが勢いよく蹴開けられた。

「やっぱりー! 勝手にオナニーしちゃダメでしょう! こそこそとお! うす汚いマゾ豚が」

 美沙様の氷のような声が、狭いトイレに響いた。

 僕は凍りついた。便座の上で、無様な格好のまま彼女を見上げる。

 マスクの隙間から見える彼女の瞳には、底知れぬ軽蔑と、僕を処刑しようとする残酷な光が宿っていた。

「もう……お仕置きだからね。お尻を出しなさい」

 美沙様はリビングから黒革の鞭を持って戻ってきた。僕は手で便座を持ち、便器に顔を埋めるように「ブヒ、ブヒィ」と必死に許しを請う鳴き声を上げた。けれど、体は正直だった。

 恐怖に震えながらも、絶頂寸前まで高まった性器は脈打ち、彼女の怒りにさえ興奮を覚えた。

 ペニスからはだらしなく白いものがたれ流れていた。

 パシッ!

「どこまでもだらしないやつ」

 乾いた音とともに、剃り上げたばかりのお尻に激痛が走った。  

「グヒャア! ブ、ブヒィイイイイッ!」  

 叫びが喉を突き破る。間髪入れず、二発、三発と鞭が振り下ろされる。分厚い脂肪さえ貫くような痛み。けれど、その痛みこそが、僕が彼女に所有されている証拠のように思えて、震えた。

「わかった? あなたの体も、その卑しい欲望も、すべては私の所有物なの」

 鞭打たれ、赤く腫れ上がった体で、僕は震えながら自ら貞操帯を装着した。

 カチャリという鍵の音は、僕という家畜への「封印」だった。

 その日から、僕はベランダで、冬の凍てつく中で排泄することを命じられた。

 洗面器にまたがり、窓越しに見守る彼女の冷ややかな視線を浴びながら。  

 羞恥心で死にそうになりながらも、白く吐き出す息と、寒さに震える肉塊と化した自分。そんな惨めな姿を美沙様に捧げているという事実に、僕は抗いようのない悦びを感じずにはいられなかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

処理中です...