奥様はご主人様

東門 大

文字の大きさ
2 / 20
第一章 健太の視点

第二話 豚の調達と装備

しおりを挟む
 翌日、僕は会社から帰ると、玄関で全裸になり、正座をして美沙を待った。

 美佐に「奴隷豚は家の中では何もマトってはいなけない全裸よ」「あと、必ず私より先に帰宅して、玄関で正座して待ちなさい。奴隷らしくね」と言われていたからだ。  

 これからどんな生活が待っているのかマゾとしての性癖が。僕の心臓を高まらせた。

 太っている僕は全裸で正座をする自分の体を見るだけで羞恥心を駆り立てられ、勃起していた。

 大きなお尻の肉が足の上に柔らかく乗り、座ると垂れ下がる脂肪がみじめな姿で折り重なっている。そんなみっともない体を隠すこともなく、帰宅した美沙に曝け出すのだ。

 だがその日、美沙はなかなか帰ってこなかった。足がしびれ苦痛になってきた。

 あまりに遅いので、あるいは美沙の気が変わって、家に戻らないこともあり得るか……そんな恐怖がよぎる。

 けれど、それ以上に「支配されている」という震えるような快感が、僕の理性を塗りつぶしていた。

 ガチャリ、と鍵が開く音がした。 

「ご主人様、おかえりなさいませ」と言うべきだったが、あまりの緊張と、全裸で妻を迎えるという倒錯した状況に言葉が詰まり、僕は硬直してしまった。

 直後、僕の頭に硬い衝撃が走った。美沙様がパンプスを履いたまま、僕の頭を踏みつけたのだ。 

「ご主人様が帰ってきたらどうすべきか、その足りない頭では理解できないの?」 

 ヒールの先が頭皮に食い込む。激痛とともに、彼女の軽蔑が体の中に流れ込んでくるのを感じた。僕はたまらず、恍惚とした声を漏らした。 

「……ご主人様、おかえりなさいませ」

 美沙に促され、リビングへ這い進んだ。ソファに座った彼女を見上げると、彼女は買い物袋からいくつかの「道具」を取り出した。  

 まずは、黒い革のマスク。それを僕の顔に押し当てると、視界と表情が奪われた。 

「今日から、あなたは私の『奴隷豚』よ。私に話しかけるときは、豚の鳴き声で許可を求めなさい」  

 マスクに押し込められた頬が熱い。僕はもはや美沙の夫ではなく、ただの鳴き声を上げる肉の塊なのだと自覚させられた。

 次に連れて行かれたのは浴室だった。  美沙は足で僕を仰向けに倒すと、僕の大きく突き出た腹に馬乗りになった。彼女の重みが僕の脂肪に沈み込み、心臓が早鐘を打つ。  

 電動バリカンが起動し、僕の陰毛が次々と刈り取られていく。ツルツルになっていく股間を晒され、僕は屈辱と興奮で、自分でも制御できないほどに反応してしまった。

 けれど、皮の薄い陰嚢にに刃を当てられると、それは痛みと恐怖に変わった。「ヴーヴー」とこもった悲鳴を上げ、痛みを訴えるが、美佐の手は止まらなかった。

 「うるさいわよ、ブタ」  

 美沙様はさらに僕の顔の上に跨り、胸毛や腋毛ワキゲまで綺麗に剃り落とした。彼女の香りと、僕自身の脂汗の匂いが混ざり合い、意識が朦朧モウロウとする。

 仕上げに用意されたのは、冷たい金属製の貞操帯だった。  

 さすがにそれには抵抗した。どんな結果になるのか見えていたからだ。性的な自由を奪われるのは、惨めミジメすぎる。言葉を許されない僕は、両手で股間を覆った。

 しかし乗馬鞭で何度も叩かれ、逆らえないと感じた僕は、仕方なく受け入れた。

 僕の、脂肪に埋もれた小さなペニスが、冷酷にリングの中へと押し込まれた。

 カチャリ、と鍵が閉まる音が、僕の性的自由が永遠に奪われた合図だった。

 「これでおまえの性欲も私次第。大好きなオナニーをする自由も奪われたのよ。」「もし、その小さいペニスから白いモノを搾り取って欲しいのなら、マゾ豚として、私に逆らわないことね」

 僕はその姿のまま、鏡の前に立たされた。

 鏡に映った自分の姿は、あまりにも無様だった。120kgの毛のない肉塊。顔は黒革に覆われ、股間には金属の枷。首には首輪が繋がれている。  

 けれど、その姿を見た瞬間、僕は魂の底から救われたような気がした。もう、夫として男として振る舞う必要も、醜い体を隠して卑屈になる必要もない。  

 僕は、美沙様の所有物。ただの、一匹の豚になれたのだ。

「こんな姿を鏡に写して、私に見られてもプルプルと汚い肉を震わせて、嬉しさで震えてるんでしょう」

「恥ずかしいマゾ豚! これから私の奴隷豚として生きなさい。おまえが妄想していた世界を見せてやるから、感謝しなさい」

 僕が美佐様にひれ伏すと、足で頭を押し付けてきた。

「まずは奴隷としての立場と礼儀をこの小さな頭に叩き込むのよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...