3 / 8
3話
しおりを挟む
卒業パーティー当日。
ロバートは銀の燕尾服でビシッと決めていた。
「ねえ、本当にわたくしと結婚してくれるんでしょうね?」
彼の腕にしなだれかかり、豊満な胸を押しつてくるのは、オリビアと同学年のハニー男爵令嬢。卒業パーティーには卒業生とパートナーしか出席できないので、ロバートは借金を抱えて爵位剥奪寸前の男爵家の令嬢を口説き落としていた。
「ああ、任せておけ」
ロバートは胸を張って答えるが、パーティーの後は知ったことではない。ただ、オリビアをギャフンと言わせる人材がいれはいいだけだ。
巨乳は好みだから、適当に遊んでやってもいい。鬱陶しくなったら金を積んで別れればいい。エンバー家は我が国有数の資産家だ、跡取りの俺に怖いものはない。
ロバートはハニー嬢を従え、意気揚々とパーティー会場に入った。
会場内には華やかな正装の男女がダンスしたり仲間と語り合っている。
卒業生たちは、新たな門出に胸を弾ませ、友との別離を惜しんでいる。
……せいぜいバカ面下げて笑ってろ。これからとっておきのショーが始まるんだからな!
ロバートはほくそ笑みながら、会場内を見回す。
目当ての人物は、すぐ見つかった。
凛と伸びた背筋に、柔らかな細身の曲線にマーメイドドレスがよく似合う、一瞬で目を奪われる美女。
オリビア・チャールストン。
彼女の周りにはいつも人が溢れ、羨望の眼差しを向けている。
……それがロバートの心をささくれ立たせる。
卒業式の数日前、廊下で彼女とすれ違った時、ロバートはオリビアに「お前とパーティーに出てやらないからな!」と怒鳴っておいた。驚いて固まっていたオリビアの顔は傑作だった。
きっと今夜は独りで寂しく出席しているのだろう。壁の花にならずに同窓生に囲まれている姿には腹が立つが、前回よりももっと驚愕の表情をさせてやる。
「オリビア!」
数歩離れた先から声を掛けると、フルートグラスを片手に談笑していたオリビアが目を上げた。
「あら、ロバート様。どうし……?」
彼女が言い終わる前に、ロバートは彼女を指差し宣言した。
「オリビア・チャールストン! 今、この場で、お前に婚約破棄を言い渡す!」
ロバートは銀の燕尾服でビシッと決めていた。
「ねえ、本当にわたくしと結婚してくれるんでしょうね?」
彼の腕にしなだれかかり、豊満な胸を押しつてくるのは、オリビアと同学年のハニー男爵令嬢。卒業パーティーには卒業生とパートナーしか出席できないので、ロバートは借金を抱えて爵位剥奪寸前の男爵家の令嬢を口説き落としていた。
「ああ、任せておけ」
ロバートは胸を張って答えるが、パーティーの後は知ったことではない。ただ、オリビアをギャフンと言わせる人材がいれはいいだけだ。
巨乳は好みだから、適当に遊んでやってもいい。鬱陶しくなったら金を積んで別れればいい。エンバー家は我が国有数の資産家だ、跡取りの俺に怖いものはない。
ロバートはハニー嬢を従え、意気揚々とパーティー会場に入った。
会場内には華やかな正装の男女がダンスしたり仲間と語り合っている。
卒業生たちは、新たな門出に胸を弾ませ、友との別離を惜しんでいる。
……せいぜいバカ面下げて笑ってろ。これからとっておきのショーが始まるんだからな!
ロバートはほくそ笑みながら、会場内を見回す。
目当ての人物は、すぐ見つかった。
凛と伸びた背筋に、柔らかな細身の曲線にマーメイドドレスがよく似合う、一瞬で目を奪われる美女。
オリビア・チャールストン。
彼女の周りにはいつも人が溢れ、羨望の眼差しを向けている。
……それがロバートの心をささくれ立たせる。
卒業式の数日前、廊下で彼女とすれ違った時、ロバートはオリビアに「お前とパーティーに出てやらないからな!」と怒鳴っておいた。驚いて固まっていたオリビアの顔は傑作だった。
きっと今夜は独りで寂しく出席しているのだろう。壁の花にならずに同窓生に囲まれている姿には腹が立つが、前回よりももっと驚愕の表情をさせてやる。
「オリビア!」
数歩離れた先から声を掛けると、フルートグラスを片手に談笑していたオリビアが目を上げた。
「あら、ロバート様。どうし……?」
彼女が言い終わる前に、ロバートは彼女を指差し宣言した。
「オリビア・チャールストン! 今、この場で、お前に婚約破棄を言い渡す!」
510
あなたにおすすめの小説
従姉と結婚するとおっしゃるけれど、彼女にも婚約者はいるんですよ? まあ、いいですけど。
チカフジ ユキ
恋愛
ヴィオレッタはとある理由で、侯爵令息のフランツと婚約した。
しかし、そのフランツは従姉である子爵令嬢アメリアの事ばかり優遇し優先する。
アメリアもまたフランツがまるで自分の婚約者のように振る舞っていた。
目的のために婚約だったので、特別ヴィオレッタは気にしていなかったが、アメリアにも婚約者がいるので、そちらに睨まれないために窘めると、それから関係が悪化。
フランツは、アメリアとの関係について口をだすヴィオレッタを疎ましく思い、アメリアは気に食わない婚約者の事を口に出すヴィオレッタを嫌い、ことあるごとにフランツとの関係にマウントをとって来る。
そんな二人に辟易としながら過ごした一年後、そこで二人は盛大にやらかしてくれた。
許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。
それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。
※全3話。
【完結】王女の婚約者をヒロインが狙ったので、ざまぁが始まりました
miniko
恋愛
ヒロイン気取りの令嬢が、王女の婚約者である他国の王太子を籠絡した。
婚約破棄の宣言に、王女は嬉々として応戦する。
お花畑馬鹿ップルに正論ぶちかます系王女のお話。
※タイトルに「ヒロイン」とありますが、ヒロインポジの令嬢が登場するだけで、転生物ではありません。
※恋愛カテゴリーですが、ざまぁ中心なので、恋愛要素は最後に少しだけです。
【完結】婚約破棄の代償は
かずきりり
恋愛
学園の卒業パーティにて王太子に婚約破棄を告げられる侯爵令嬢のマーガレット。
王太子殿下が大事にしている男爵令嬢をいじめたという冤罪にて追放されようとするが、それだけは断固としてお断りいたします。
だって私、別の目的があって、それを餌に王太子の婚約者になっただけですから。
ーーーーーー
初投稿です。
よろしくお願いします!
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています
「そんなの聞いてない!」と元婚約者はゴネています。
音爽(ネソウ)
恋愛
「レイルア、許してくれ!俺は愛のある結婚をしたいんだ!父の……陛下にも許可は頂いている」
「はぁ」
婚約者のアシジオは流行りの恋愛歌劇に憧れて、この良縁を蹴った。
本当の身分を知らないで……。
そのご令嬢、婚約破棄されました。
玉響なつめ
恋愛
学校内で呼び出されたアルシャンティ・バーナード侯爵令嬢は婚約者の姿を見て「きたな」と思った。
婚約者であるレオナルド・ディルファはただ頭を下げ、「すまない」といった。
その傍らには見るも愛らしい男爵令嬢の姿がある。
よくある婚約破棄の、一幕。
※小説家になろう にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる