″らしく″いきましょう!異世界age♪召喚されたぽっちゃりな私〜

月詠寝

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異世界召喚は車内アナウンスより唐突に

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ーーざわざわーーー

ん??ここどこ?

少し距離を置いた所から
たくさんの人が私を見ている

服装もハロウィン?コスプレ??
髪も奇抜な色してるし
みんな気合い入れすぎでしょ?
イベントか何か??

「ここ何処か分かるかな?」

後ろから唐突に声をかけられ振り返ると
制服姿で長髪の超絶美女
杉田菊花(きっか)さんが立っていた
整った鼻筋に切長の瞳
すらりとした手足
たくさんの芸能事務所のスカウトを断ったと
噂のある我が校一の有名人だ

「あの、、大丈夫?」

予想外の人物に戸惑っていたら心配された

「あ!うん!大丈夫だけど
 ここが何処かは分からないです、、、」
「そっか、、、僕も分からない」

僕、、、?
一旦そこはスルーして
今は記憶の整理をしよう

私は竹内雛麗(ひなり)
ぽっちゃり地味目で目立たず生きる事を至上主義に生きている
菊花さんとは同学年だけど住む世界が違う底辺カーストの存在
(自分で言ってて泣けてきた)

学校帰りで電車に乗っていて
他にも生徒や人が乗っていた
隣の車両に菊花さんが友達と乗っているのを見かけた
楽しそうだった

ー次はー
駅に着くアナウンスが流れた瞬間
白い光が辺りを包み込んだ

「あの、私たち同じ電車に
 乗ってたと思うんですけど」
「うん!僕も電車に乗ってた!
 え?まさか、、、事故った??」

悲惨な想像を張り巡らせていると

 遠い地より参られた勇者よ
 古の神々との約束を果たされよ

頭に澄んだ声が鳴り響く

いつの間にかざわめきが止んでいる
コスプレ集団の方を振り向くと
コスプレ集団は左右に分かれ道が出来ていた
道の先に如何にも王座!て感じの椅子
椅子には仮面を付けた男性が座っており
王座の横に長い銀髪でローブを着た人が立っていた

コスプレ集団の王様かな?
仮面付けてあんな偉そうな人初めて見た
黒髪に装飾品の付いた服装
仮面付けてもイケメンオーラ半端ない
じぃーと観察していたら
仮面越しに金色の瞳と目が合った

  アクア・ヴィテを勇者へ

銀髪のローブ姿の人が近寄って来た
途中で右側のコスプレ集団から
ゴブレットが2個乗ったお盆を受け取り
さらに近寄ってくる

近くで見るとローブ姿の人は
同じ人間か疑うレベルの美しさだ
銀髪の長髪にアメジストの瞳
作り物のような美しさ
二次元の人を忠実に再現したらこんな感じなんだろう

 にこ
アメジストの瞳が優しく弓形に崩れ
人懐っこい印象になり
私にゴブレットの乗ったお盆を差し出した

気付けば
もの凄い近くまで接近されていた

ゴブレットの中身は
何やら輝いてる水が入っている
シャンパン、、、?
ほんのり甘い匂いがする
甘い果物の香りだ

「これ、受け取れて事ですかね?」

恐る恐る横の菊花さんに相談
美しい人からの贈り物だとしても
知らない人からの飲食物の贈り物は
ご遠慮願いたい

 ごく
私と目を合わせ
生唾を呑み込んだ菊花さん
何を決意したのか
一歩前に出てゴブレットを握りしめた

「え!?ちょっ!!危ないよ!!?
 毒かも知れないし!!
 やめた方が良いです!!!」
「これ飲まなかったら
 何にも進まない気がするんだ。
 危険だから僕が先に飲む。」

超絶美女の中身はイケメンでした

「え!?じゃ!一緒に飲みましょう!」

恐怖よりも罪悪感から
咄嗟に私はゴブレットを手に取った

「ダメだ!僕が先に飲む!
 2人で危険になる必要は無い!!」

私のゴブレットに片手で蓋をして
菊花さんは自身のゴブレットの
中身を一気に飲み干した

訂正
超絶美女の中身は超絶イケメンでした

菊花さんの体がキラキラ輝き始め
髪の一本一本が輝き揺らめく
まさに女神降臨
輝きは徐々に薄くなり
胸の部分で一瞬激しく光ると
そのまま収まっていった

「大丈夫ですか??苦しくない??」
「いや、、、むしろ体が軽くて
 なんだろう、今までと違うものを
 感じれる」

菊花さんは両手を見つめて目を見開いている
何が見えているんだろう

  さぁ あなたも

頭にまた澄んだ声が響いた
正面を向くと
アメジストの瞳と目が合った
口元が艶やかに動く

  アクア・ヴィテは神の飲み物
  森羅万象マナを操れるように
  なりますよ

マナ、、、?
異世界召喚あるあるのチートかな?

でも何だろう、、、
心が重たくなっていく
本能が警告を鳴らしてる
私てこんなに臆病なんだな
菊花さんは一気に飲めたのに、、、

「危険は無いようだ。
 だが無理はしなくて良い。」

菊花さんは本当に優しい
心配そうに小首を傾げて私を見つめてる

うん!
これ以上心配かけたく無いし決めた!

両手でゴブレットを握りしめ
一気に飲み干した

あ、美味しい
甘さと酸味が程よく溶け合って
軽い口当たりだ

頭と背中に熱いものが集まってくる
頭が眩しくて目を閉じた
背中の熱いものを抑えられなくなって
一気に放出したのを感じた

目を開けると大気中がさっきより澄んでいるし
ところどころ輝いてみえる

これがマナ??

「これでやっと会話が出来ますね。
 私はアヴァールス帝国宰相
 インサニアと申します。
 貴方方のお名前は?」

今になって気付いた
ローブの人は一声も
音声を発していなかった
彼の言葉は音声では無く
直接頭に響いていたんだ
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