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6、監督員の高橋氏
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たった2時間の勤務を終えただけにも関わらず、しかも座り仕事だったにも関わらず、信じられないぐらいの疲労感だった。
精神的な要因が大きいのだろうが…
なにわともあれ時間は10時5分。
やっとの休憩時間だ。
僕は高橋氏が待機しているであろうハイエースに向かった。
後部座席のドアを開けると、運転席にはやはり高橋氏がいた。
「先程はありがとうございました。」
高橋氏は笑顔で応えてくれた。
「いや、こちらこそありがとうございました。しっかり2時間やり遂げてくれて。」
「中にはいるんですよ。途中で逃げ出す人が…特に初めて調査する初心者の人。」
いや、高橋氏がいなければ僕もそうしてた…
とは言わないでおこう…。
高橋氏が続ける。
「前田さんは学生さんですか?」
「いえ、大学卒業したばかりの就職浪人です。」
「なるほど~…就活中なんですか??」
「一応そうなんですが… あまり取り組めてません… お金が無くて何にも出来ない状況だったので、とりあえず動くための資金作りのためにこの調査に応募したんです。」
高橋氏が頷く。
「なるほど~…」
…
…
なんとなく会話が途切れ、違和感なく沈黙状態となった。
僕はスマホいじりを初め、高橋氏はラジオの音量を少しだけ上げた。
10時30分。
休憩時間はもう折り返しだ。
高橋氏はカメラを持って車を下りた。
どうやら交差点へと向かったようだ。
僕は引き続きスマホいじり。
ふと交差点に目をやると、高橋氏が東西南北の調査員全員を後方から撮影していた。
ただ写真を撮っているだけなのに、高橋氏のセンスある動きが、僕の興味を引く。
高橋氏は間違いなく「仕事が出来るタイプ」の人だった。
写真を撮り終え、ハイエースに高橋氏が戻ってきた。
「お疲れ様です。」
と僕が言うと、高橋氏も、
「おつかれっす!」
と返してくれた。
「高橋さんてロードリサーチさんに入って長いんですか?」
?
高橋氏はきょとんとしていた。
「私はロードリサーチの人間じゃないですよ(笑)」
「個人で監督員として雇ってもらってるんです。前田さんと同じ日雇いですよ(笑)」
意外だった。
こんなにも責任感を持って、時給にとらわれない動きをしているのに、日雇いだったとは…
僕はただ集合時間に来て、決められた時間に決められたことをするだけ。
一方で、高橋氏は調査が始まる前から車で僕らを運んでいたし、それ以前に駅まで車で来ることは雇用上どうなってるんだろう。
「監督員、難しそうですね。」
そう聞くと高橋氏が応えた。
「確かにトラブルなんかが起こったら大変ですね。でも、ある程度慣れますよ~。」
もし自分がやるとなって、高橋氏と同じように動けるイメージは沸かなかった。
「前田さん、もし、しばらくお金を稼ぐ必要があるならその間だけ私のチームに入りませんか?」
「チーム?」
高橋氏が応える。
「チームっていってもそんな難しいもんじゃなくて、今日みたいな調査の仕事がある時に声をかけさせてもらうだけですよ(笑)」
高橋氏が続ける。
「声かけた時には極力調査に参加してくれたらいいです。無理な時は無理でいいし。私も召集できる仲間が多いほど助かるんで…」
就職が決まるまでの前提で、しかも高橋氏のチームなら悪くない気がした。
ただやはり、先程の経験を思い出すと、自分が交通量調査を続けていけるかどうか自信が持てなくなる。
自分は「周りの目に耐える」が出来るのだろうか。
「少しだけ、考えさせてください。」
精神的な要因が大きいのだろうが…
なにわともあれ時間は10時5分。
やっとの休憩時間だ。
僕は高橋氏が待機しているであろうハイエースに向かった。
後部座席のドアを開けると、運転席にはやはり高橋氏がいた。
「先程はありがとうございました。」
高橋氏は笑顔で応えてくれた。
「いや、こちらこそありがとうございました。しっかり2時間やり遂げてくれて。」
「中にはいるんですよ。途中で逃げ出す人が…特に初めて調査する初心者の人。」
いや、高橋氏がいなければ僕もそうしてた…
とは言わないでおこう…。
高橋氏が続ける。
「前田さんは学生さんですか?」
「いえ、大学卒業したばかりの就職浪人です。」
「なるほど~…就活中なんですか??」
「一応そうなんですが… あまり取り組めてません… お金が無くて何にも出来ない状況だったので、とりあえず動くための資金作りのためにこの調査に応募したんです。」
高橋氏が頷く。
「なるほど~…」
…
…
なんとなく会話が途切れ、違和感なく沈黙状態となった。
僕はスマホいじりを初め、高橋氏はラジオの音量を少しだけ上げた。
10時30分。
休憩時間はもう折り返しだ。
高橋氏はカメラを持って車を下りた。
どうやら交差点へと向かったようだ。
僕は引き続きスマホいじり。
ふと交差点に目をやると、高橋氏が東西南北の調査員全員を後方から撮影していた。
ただ写真を撮っているだけなのに、高橋氏のセンスある動きが、僕の興味を引く。
高橋氏は間違いなく「仕事が出来るタイプ」の人だった。
写真を撮り終え、ハイエースに高橋氏が戻ってきた。
「お疲れ様です。」
と僕が言うと、高橋氏も、
「おつかれっす!」
と返してくれた。
「高橋さんてロードリサーチさんに入って長いんですか?」
?
高橋氏はきょとんとしていた。
「私はロードリサーチの人間じゃないですよ(笑)」
「個人で監督員として雇ってもらってるんです。前田さんと同じ日雇いですよ(笑)」
意外だった。
こんなにも責任感を持って、時給にとらわれない動きをしているのに、日雇いだったとは…
僕はただ集合時間に来て、決められた時間に決められたことをするだけ。
一方で、高橋氏は調査が始まる前から車で僕らを運んでいたし、それ以前に駅まで車で来ることは雇用上どうなってるんだろう。
「監督員、難しそうですね。」
そう聞くと高橋氏が応えた。
「確かにトラブルなんかが起こったら大変ですね。でも、ある程度慣れますよ~。」
もし自分がやるとなって、高橋氏と同じように動けるイメージは沸かなかった。
「前田さん、もし、しばらくお金を稼ぐ必要があるならその間だけ私のチームに入りませんか?」
「チーム?」
高橋氏が応える。
「チームっていってもそんな難しいもんじゃなくて、今日みたいな調査の仕事がある時に声をかけさせてもらうだけですよ(笑)」
高橋氏が続ける。
「声かけた時には極力調査に参加してくれたらいいです。無理な時は無理でいいし。私も召集できる仲間が多いほど助かるんで…」
就職が決まるまでの前提で、しかも高橋氏のチームなら悪くない気がした。
ただやはり、先程の経験を思い出すと、自分が交通量調査を続けていけるかどうか自信が持てなくなる。
自分は「周りの目に耐える」が出来るのだろうか。
「少しだけ、考えさせてください。」
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