屑の男

猫丸

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第四章 終章~贖罪~ 章介

10.※

 その後、俺と初世は無事に離婚した。
 子供の戸籍に関することは、初世の出産後に法的手続きをとる予定になっている。
 そして俺の小説は、小舘の尽力のもと、来月無事出版される運びとなった。
 
「さて、章介。俺達の関係だが……」
「は、はい……」
 俺はごくりと唾を飲みこんだ。
 今日は大成もおじいちゃんおばあちゃんの家に行っていて不在だ。
 そして店は定休日。
 俺達は食事もそこそこに、どちらからともなく風呂に入り、そして今、二人で布団の上で正座をし、向かい合っている。
 つまり……そういうことだ。

 両思いになったのだ。いつかはこんな日が来るだろうと思ってはいた。
 もちろんずっと期待もしていたが、やはりいざとなると緊張する。
 心臓がバクバクと脈打っていて、口から飛び出してきそうだった。
 本番前に気絶しない様に、俺は義成に気づかれないように深呼吸をした。
 
「章介……俺はお前を愛している……今までも、これからもずっと……」
 義成が俺の両肩を掴んで言った。その手が震え、しっとりと汗ばんでいるのがわかった。
「お、俺も……俺もだ……」
 そう言うと、徐々に義成の顔が近づいてきた。
 俺は少し顎を上げ、そっと目を閉じた。

 ――ガチリ

 歯と歯が当たった。固い音と共に唇に軽い痛みが走って、俺は思わず口元を押さえて目を開けた。
 義成も同じように口を押えて俯いていた。
 
 俺は思わず噴き出して、義成の首に両腕を回した。
 どうやら二人共、緊張しすぎの様だ。
 俺は口を押えている義成の手にちゅっちゅっとついばむようにキスをした。
 義成が手を下ろせば自然と唇が重なった。
 義成も緊張が解けたのか、笑っている。
 
 俺達は互いの唇を食むように、何度も何度も繰り返し口付けを交わした。
「……よし、なり……」
 抱き合いながら、俺は義成の背中から臀部に掛けて撫でた。
 腰は密着し、布越しに互いのペニスがすり合わされる。
 義成のペニスもしっかりと反応していて、俺は嬉しくなって、更に義成の口内を貪った。
 このまま義成のすべてを食べてしまいたいほど、この時間がずっと続けと願うほど、幸せだった。

 そうしながらも、俺達は相手の服を一枚一枚と脱がしていく。
 互いにパンツ一枚になった時、義成の唇が、俺の唇から首筋、平らな胸元へとすべり降りていった。
「あ……よしなり……」 
 全身が性感帯になったかのように、どこを触られても気持ちがいい。
 俺はもぞもぞと内股をこすり合わせて悶えた。
 そして義成の舌がへそ下まできて、俺はびくんと反応した。
 
 パンツ一枚は残っていたが、そのまま義成は俺の股を開いた。
 俺のパンツには、その官能の色がはっきりと浮かび上がっていて、先端付近に小さなシミができていた。

 義成がそのシミにちゅっと口付けをし、その勃ちあがったペニスの輪郭をなぞるように、唇が双丘の割れ目へと移動した。内股へもたくさんのキスが落とされる。
「やぁ……俺ばっかり……」
 布越しとはいえ俺は恥ずかしくなって、義成のペニスに手を伸ばした。

 義成のペニスは下着から今にも飛び出してきそうな程大きかった。
「え? でか……」
 あの夜はこんなに大きかっただろうか?
 俺が思わず素に戻って呟くと、義成は「煽ってるのか?」と、上気した顔で俺のペニスを布越しに扱いた。
「ちが……」
 俺は恥ずかしくなって、真っ赤になったが、その大きさを確かめようと、おそるおそる義成の下半身に手を伸ばした。
 なんどか布越しに触って、そして我慢できなくなって下着の中に手を入れ、じかに触れた。
 前の時義成は寝ていたし、俺は酔っていたから気づいていなかったが、やはりかなり大きい。
 入るだろうか、と俺は少し心配になった。
 いや、前も入ったのだ、なんとかなるだろうと覚悟を決め上下に扱くと義成が「んっ」と軽く呻いて眉をひそめた。
 その顔がとても愛おしくて、俺は義成のペニスに顔を近づけ、その先端をぺろりと舐めた。
「し、しょうすけ?」
 驚いた顔の義成が可愛くて、「舐めていい……?」と俺は甘えた声でねだった。
 
 ――欲しい。義成が欲しい。

 俺は自分のものを扱きながら、義成のものを夢中で頬張った。
 太くて、固くて、血管がビキビキに浮かび上がっている。
 感じている姿も、愛おしくてたまらない。

「しょう、すけ。すぐイッちゃうから、だめ、だ……俺もお前の舐めたい……」
 
 俺達は太ももに絡まっていたパンツを脱ぎ捨て、互いのものをしゃぶりあった。
 義成は俺のペニスを咥えながら、俺のアナルに指を入れてきた。
 指の出し入れに合わせて自然と腰が揺れる。
 その刺激と義成に抱かれているという幸福感だけで、脳だけでイってしまいそうだった。

「よしなり……いやぁ、指でイキたくない。よしなりの、早く挿れて……」

 俺の声に、義成のペニスがどくんと脈打った。
 これが入ってくるのだ、と期待でぺろぺろと舐めると、すっと腰が引かれた。
 体勢を変え、大きく股を開き、お尻を少しだけあげた俺の穴にぴとりと切っ先が当てられる。
 義成がごくりと唾を飲みこみ、的がずれないように、自らのペニスを固定した。
 穴をこじ開けられる感触。俺は少しイキんで、義成を待つ。

「んっ……んんぅ……」

 はじめこそ多少抵抗があるものの、ずぷっと亀頭部が埋まればあとはすべてを受け止めるだけだ。
 一瞬痛みを感じ眉をしかめると、義成の動きが止まった。

「だいじょぶ、だから……きて……」

 義成は「くっ」と呻くと、その腰を一気に沈めてきた。
 あっという間に俺の体内を支配するその存在。

「あっ、あぁっ……!!」

 俺は思わず嬌声を上げた。
 ぎちぎちに拡げられている穴。内臓を押し上げてくるその存在感。
 義成を侮辱した時のあの夜とはすべてが違っていた。
 奪うのではなく、互いに受け入れる。
 満たされるという事はこういうことなのだと俺は思った。
 
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