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009. 各々がその義務を尽くす事を期待してる
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——東都帝国・陸軍
「月港領までもうすぐですぞ」
「ここでくだばってたまるか」
「しかし大尉、空腹度が……」
「敵の町まで辿り着きさえすれば、略奪で賄えば良いだけの事よ」
「あっ、町の影が見えますぞ!!!」
「……人影が全然見えないな」
「大尉、ここは廃墟のようです!!!」
こうして陸軍省が勝手に行った大遠征は、食糧不足により頓挫した。
——商丘市・マサハウス
「追尾部隊によりますと、将兵の全てが餓死した模様。現場には武器が散乱していたとの事」
「武器を接収して、交渉材料にすれば良いんじゃない?」
ミコの提案に基づき、剣や弓矢などの武器は全部接収した。
しかし東都帝国からの呼び掛けは特になく、領内横断への謝罪すら来なかった。
「取り敢えず、今回の最大の問題は、勢力圏を横断された事よね」
そうだね、と肯定とすると、ミコが提案する。
「東側に要塞を作ろうと思うの」
「なるほど……」
突然声を掛けてきたのは、西域から帰ってきたヤスベーであった。
「いつ帰ってきたの!? そんでもって隣の女の子は誰!?」
「申し遅れました、私はウィステリアと申します、ヤスベーの妻です」
この瞬間、私もミコも驚いた。
「はぁっ!?!?!?」
——東都帝国・陸軍省
「遠征が失敗しただと!?」
「武器を全て喪失し、新兵器の試験もできず……」
「試作品を失っただと!!!」
「申し上げにくいのですが……その通りにございます」
「結局イルミの支配するこの国を倒す必殺の兵器だったのだぞ!!!」
「大佐、後ろにっ」
この瞬間、軍服を着た人影が次々に部屋に居合わせた者を斬りつけた。斬られた者全員のアカウントが一時停止となり、数時間後、抹消された。
「まさかイルミナートに逆らう者が新兵器とねぇ、面白い」
「元帥閣下、残る反乱分子も掃討が完了しました」
「直接斬りつけなきゃ情報開示できないというのも難点だねぇ」
「システムの安全性をアピールする都合上、抜け道は往々にして面倒なものですよ」
「さて、あとは『新兵器』とやらの回収かな」
「火薬兵器を作られるのは、やはりマズいですか」
「うん、大いにマズいね。技術革新の芽は管理下に置きたい所だ」
「摘み取るのではなく、ですか?」
「摘み取るには無理があるだろう、だから徹底的に『管理』するんだ」
「技術の最先端は常にイルミナートでなければならないという事ですね」
「物分かりが良いじゃないか」
——商丘市・マサハウス
「東都帝国が軍備を整えているとの情報です」
その報告を聞いたミコは、接収した武器の内訳を話し始める。
「東都軍が持ち込んだ武器の中に、初期のロケット砲や焼夷弾に該当するものがあったの」
キョトンとする私やウィステリアの中、事態を把握したヤスベーが口を開く。
「同じような火薬兵器を用いてくる可能性があるなぁ」
「勿論それもそうだけど、試作品のようなのよね」
「となると、奪い返しに来るリスクだなぁ……」
チンプンカンプンなものだから、少し説明を入れて欲しいと要望すると、ミコが説明してくれた。
「この世界にこれまで無かった火薬兵器が持ち込まれたの。信長が武田を鉄砲隊で倒した長篠の戦いにもあったように、強力な兵器なの。それを巡って対立が生じてるのよね」
ヤスベーが補足する。
「恐らく、新兵器の存在を知った我々を、彼らは生かしてくれないだろうなぁ」
「つまり、火薬兵器を急いで作り上げるしかないのよね」
そうして、武器屋のトモナリがまた呼び付けられる事となった。
——東都帝国・御前会議
「反乱分子の開発した火薬兵器が商丘政権の手に渡った模様であります」
「これは世界の在り方をも揺るがす事態になりかねませんぞ」
「反乱分子を叩き潰す絶好の機会でもあります」
「……商丘政権への開戦を決議する」
こうして、イルミナート政権の一角である東都帝国は、商丘への奇襲作戦を開始した。
——商丘市・マサハウス
「東都軍が攻め込んだ廃墟、あそこの元の持ち主が分かったわよ」
ミコが挙げたのは月港であった。
「月港は南の『はじまりの町』だったらしいわ。私たちと大体同じタイミングでイルミナートを倒した政権なのだとか。『はじまりの町』時代の廃墟だったそうよ」
「そういえば、反イルミナートである筈の月港に、東都は攻め込んだって事よね?」
私がふと気付いた事を尋ねると、ミコは肯定した。
「そうよ。東都は反イルミで成立したって建前だけど、イルミ側の可能性があるわ」
「尚更、火薬兵器を失う訳にはいかないじゃないか」
思わず口から出た一言であったが、ヤスベーはその通りだという。
「我々がイルミに唯一勝てるとしたら、技術力なんだよなぁ。それを失えば我々は終わりなんだよぅ」
ウィステリアが横で「流石ヤスベー様♡」という視線を送っているのは置いておくとして。
「ミコ、要塞はどれだけ出来た?」
「全長20kmの石塁で上陸を防ぐ程度ならできたわよ」
「トモナリ、どんな火薬兵器ならできそう?」
「使い捨ての大砲や火縄銃程度なら」
「ヤスベー、どんな作戦が良い?」
「接岸した敵船を焼き払いつつ、上陸部隊に砲火を浴びせる形かな」
「ミコは引き続き沿岸部の要塞化に注力して。トモナリは大砲と火縄銃を量産して。作戦にはヤスベーの作戦を採用する」
更にサムにはこっそり、月港への援軍要請も依頼した。
こうして防衛体制が整う中、複数の漁船から大艦隊発見の報告があった。
東都の大艦隊であった。
——東都帝国・陸海軍合同本部
「敵の総数は1万程度と報告が上がっております」
「上陸後、重装騎兵隊は敵陣を突破し、引き返して敵を歩兵隊で挟撃する」
「御意」
東都軍が間もなく上陸といった瞬間であった。
「敵陣から砲火多数、上陸船が次々沈没しております」
「上陸部隊より連絡、3m程度の石塁があり突破不能との事」
圧勝を前提とした40万の上陸軍は混乱し始め、合同本部の置かれた船も窮地に至った。
——商丘軍・水際防衛作戦本部
「少なくとも私は、各々がその義務を尽くす事を期待してる!!!」
「だから、弾薬尽きるまで、絶え間なく撃ち続けて!!!」
劣勢に思われた戦いであったが、上陸時を狙い撃ちした砲火であり、効果は抜群であった。
敵船の殆どが上陸すらできず沈んでいく中、作戦本部のある御座船まで発見された。
「御座船を拿捕せよ、敵軍の司令官を捕まえるのよ!!!」
ミコの指示に基づき、敵の御座船に向けて砲火が繰り広げられる。
「月港からの援軍もやってきました!!!」
「連携して湾内に押し込んで!!!」
沿岸石塁からの砲撃と、月港海軍による挟撃で、敵の木造艦隊は殲滅された。
——商丘市・マサハウス
「40万対1万で勝つだなんて……やはりうちの旦那様はすごいです♡」
「俺だけの力じゃないぞ、特にミコの指揮には毎回驚かされる」
ミコは「照れるなぁ」と言いながら恥じらう。
そんな中で報告が入る。
「東都より、一時休戦を申し入れてきました!!!」
「勝手に攻め込んでおいて、劣勢になったら休戦? 都合良すぎない?」
ミコがそう言うと、ヤスベーが提案した。
「実は、東都への逆侵攻プランがあるんだ」
「月港領までもうすぐですぞ」
「ここでくだばってたまるか」
「しかし大尉、空腹度が……」
「敵の町まで辿り着きさえすれば、略奪で賄えば良いだけの事よ」
「あっ、町の影が見えますぞ!!!」
「……人影が全然見えないな」
「大尉、ここは廃墟のようです!!!」
こうして陸軍省が勝手に行った大遠征は、食糧不足により頓挫した。
——商丘市・マサハウス
「追尾部隊によりますと、将兵の全てが餓死した模様。現場には武器が散乱していたとの事」
「武器を接収して、交渉材料にすれば良いんじゃない?」
ミコの提案に基づき、剣や弓矢などの武器は全部接収した。
しかし東都帝国からの呼び掛けは特になく、領内横断への謝罪すら来なかった。
「取り敢えず、今回の最大の問題は、勢力圏を横断された事よね」
そうだね、と肯定とすると、ミコが提案する。
「東側に要塞を作ろうと思うの」
「なるほど……」
突然声を掛けてきたのは、西域から帰ってきたヤスベーであった。
「いつ帰ってきたの!? そんでもって隣の女の子は誰!?」
「申し遅れました、私はウィステリアと申します、ヤスベーの妻です」
この瞬間、私もミコも驚いた。
「はぁっ!?!?!?」
——東都帝国・陸軍省
「遠征が失敗しただと!?」
「武器を全て喪失し、新兵器の試験もできず……」
「試作品を失っただと!!!」
「申し上げにくいのですが……その通りにございます」
「結局イルミの支配するこの国を倒す必殺の兵器だったのだぞ!!!」
「大佐、後ろにっ」
この瞬間、軍服を着た人影が次々に部屋に居合わせた者を斬りつけた。斬られた者全員のアカウントが一時停止となり、数時間後、抹消された。
「まさかイルミナートに逆らう者が新兵器とねぇ、面白い」
「元帥閣下、残る反乱分子も掃討が完了しました」
「直接斬りつけなきゃ情報開示できないというのも難点だねぇ」
「システムの安全性をアピールする都合上、抜け道は往々にして面倒なものですよ」
「さて、あとは『新兵器』とやらの回収かな」
「火薬兵器を作られるのは、やはりマズいですか」
「うん、大いにマズいね。技術革新の芽は管理下に置きたい所だ」
「摘み取るのではなく、ですか?」
「摘み取るには無理があるだろう、だから徹底的に『管理』するんだ」
「技術の最先端は常にイルミナートでなければならないという事ですね」
「物分かりが良いじゃないか」
——商丘市・マサハウス
「東都帝国が軍備を整えているとの情報です」
その報告を聞いたミコは、接収した武器の内訳を話し始める。
「東都軍が持ち込んだ武器の中に、初期のロケット砲や焼夷弾に該当するものがあったの」
キョトンとする私やウィステリアの中、事態を把握したヤスベーが口を開く。
「同じような火薬兵器を用いてくる可能性があるなぁ」
「勿論それもそうだけど、試作品のようなのよね」
「となると、奪い返しに来るリスクだなぁ……」
チンプンカンプンなものだから、少し説明を入れて欲しいと要望すると、ミコが説明してくれた。
「この世界にこれまで無かった火薬兵器が持ち込まれたの。信長が武田を鉄砲隊で倒した長篠の戦いにもあったように、強力な兵器なの。それを巡って対立が生じてるのよね」
ヤスベーが補足する。
「恐らく、新兵器の存在を知った我々を、彼らは生かしてくれないだろうなぁ」
「つまり、火薬兵器を急いで作り上げるしかないのよね」
そうして、武器屋のトモナリがまた呼び付けられる事となった。
——東都帝国・御前会議
「反乱分子の開発した火薬兵器が商丘政権の手に渡った模様であります」
「これは世界の在り方をも揺るがす事態になりかねませんぞ」
「反乱分子を叩き潰す絶好の機会でもあります」
「……商丘政権への開戦を決議する」
こうして、イルミナート政権の一角である東都帝国は、商丘への奇襲作戦を開始した。
——商丘市・マサハウス
「東都軍が攻め込んだ廃墟、あそこの元の持ち主が分かったわよ」
ミコが挙げたのは月港であった。
「月港は南の『はじまりの町』だったらしいわ。私たちと大体同じタイミングでイルミナートを倒した政権なのだとか。『はじまりの町』時代の廃墟だったそうよ」
「そういえば、反イルミナートである筈の月港に、東都は攻め込んだって事よね?」
私がふと気付いた事を尋ねると、ミコは肯定した。
「そうよ。東都は反イルミで成立したって建前だけど、イルミ側の可能性があるわ」
「尚更、火薬兵器を失う訳にはいかないじゃないか」
思わず口から出た一言であったが、ヤスベーはその通りだという。
「我々がイルミに唯一勝てるとしたら、技術力なんだよなぁ。それを失えば我々は終わりなんだよぅ」
ウィステリアが横で「流石ヤスベー様♡」という視線を送っているのは置いておくとして。
「ミコ、要塞はどれだけ出来た?」
「全長20kmの石塁で上陸を防ぐ程度ならできたわよ」
「トモナリ、どんな火薬兵器ならできそう?」
「使い捨ての大砲や火縄銃程度なら」
「ヤスベー、どんな作戦が良い?」
「接岸した敵船を焼き払いつつ、上陸部隊に砲火を浴びせる形かな」
「ミコは引き続き沿岸部の要塞化に注力して。トモナリは大砲と火縄銃を量産して。作戦にはヤスベーの作戦を採用する」
更にサムにはこっそり、月港への援軍要請も依頼した。
こうして防衛体制が整う中、複数の漁船から大艦隊発見の報告があった。
東都の大艦隊であった。
——東都帝国・陸海軍合同本部
「敵の総数は1万程度と報告が上がっております」
「上陸後、重装騎兵隊は敵陣を突破し、引き返して敵を歩兵隊で挟撃する」
「御意」
東都軍が間もなく上陸といった瞬間であった。
「敵陣から砲火多数、上陸船が次々沈没しております」
「上陸部隊より連絡、3m程度の石塁があり突破不能との事」
圧勝を前提とした40万の上陸軍は混乱し始め、合同本部の置かれた船も窮地に至った。
——商丘軍・水際防衛作戦本部
「少なくとも私は、各々がその義務を尽くす事を期待してる!!!」
「だから、弾薬尽きるまで、絶え間なく撃ち続けて!!!」
劣勢に思われた戦いであったが、上陸時を狙い撃ちした砲火であり、効果は抜群であった。
敵船の殆どが上陸すらできず沈んでいく中、作戦本部のある御座船まで発見された。
「御座船を拿捕せよ、敵軍の司令官を捕まえるのよ!!!」
ミコの指示に基づき、敵の御座船に向けて砲火が繰り広げられる。
「月港からの援軍もやってきました!!!」
「連携して湾内に押し込んで!!!」
沿岸石塁からの砲撃と、月港海軍による挟撃で、敵の木造艦隊は殲滅された。
——商丘市・マサハウス
「40万対1万で勝つだなんて……やはりうちの旦那様はすごいです♡」
「俺だけの力じゃないぞ、特にミコの指揮には毎回驚かされる」
ミコは「照れるなぁ」と言いながら恥じらう。
そんな中で報告が入る。
「東都より、一時休戦を申し入れてきました!!!」
「勝手に攻め込んでおいて、劣勢になったら休戦? 都合良すぎない?」
ミコがそう言うと、ヤスベーが提案した。
「実は、東都への逆侵攻プランがあるんだ」
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