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016. 状況は私が作る
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——電子世界・リトログラント
極北の地・リトログラントは、これまで争いとは一切無縁な地であった。イルミナート政権が撤退する際も、特段騒ぎは起こらなかった。言わば、最も平和な地であったのだ。
「王様、ネウストリアが攻めてきましたぞ」
「市民をなるべく東へと避難させよ」
リトログラント王・フリッター。彼は、かつての支配者・イルミナートとの無血開城の交渉に成功した人物である。
「王都・キヤイコタンの名前の由来、分かる?」
若き王フリッターは以前ウィステリアにこう訊いた事があった。
ウィステリアが分からない、と答えると、彼は『光の町』という意味だと言った。その時ウィステリアはどうして『光の町』なのかが分からなかった。
「市民の避難は完了したか?」
「数分前に完了致しました」
「では、君も避難せよ」
「はい?」
困惑の立ち込める司令部で、フリッターは機関銃を乱射した。リスポーン地点は市外遠くに設定されており、撃たれた者どもは市内に戻れなかった。
王都キヤイコタンは幾重にも包囲されており、城壁内はネウストリア軍で溢れていた。
(究極の最終決戦兵器を使う時が来るとはな……)
フリッターは、王宮から敵に占拠された市街を眺めて思う。
「リトログラント王を逮捕する!!!」
「お前はもう抵抗できない状況にある!!! 大人しく跪け!!!」
王宮内の執務室に敵兵が乱入した瞬間であった。
「何が状況よ、状況は私が作るのだよ」
フリッターはそう言って、執務室に掛けた絵の裏側にあったボタンを押した。
その瞬間、キヤイコタンの市街全体が白灰化現象に包まれた。
キヤイコタンの白灰化の知らせは、すぐネウストリアに届いた。
「まさか奥の手を持っていたとはねぇ……」
「白灰化リスト、一瞬で数万人が登録されちゃってます」
「管理者とはいえ上級管理者ではないからなぁ、どうしようもないね」
リトログラントで大軍勢を失ったとはいえ、ネウストリアにも奥の手はあった。
「只今より、徴兵制を施行する」
この結果、ネウストリアの市民は全員兵役に就く事となった。また各種の強制国有化も同時に進められたため、全ての資源や設備が軍事に充てられた。
「1週間後には飛行船100隻、爆撃機1000機、戦闘機3000機が完成します」
「隣国サルペにも動員令を発出し、総攻撃を開始しました」
一方で商丘帝国でも軍備極振りが行われていた。
「明日頃には戦闘機4000機と爆撃機2000機が配備できます」
両軍は内陸部で決戦を行う構えであった。
「全軍、作戦開始っ!!!」
ネウストリア軍は内陸部の商丘側飛行場を徹底的に破壊する事を第一目標とした。対して商丘軍は敵母艦である飛行船空母の撃墜を目標とした。
「爆撃隊500機はエクスラシャペルを徹底的に破壊せよ」
史上最大の空戦劇は、両者に大損害を与えつつ、共に攻撃目標を破壊し尽くして終わった。
——電子世界・ネウストリア帝国・帝都エクスラシャペル
「焼け野原になりましたね……これでも終わらないのですか」
「勝負というものは、最後は歩兵の突撃によって決されるものよ」
そう言うネウストリア皇帝の許には、最早動員する兵が居なかった。リスポーン地点は徹底的に破壊され、初期スポーン地点には大穴が空いたのである。
「この世界の管理者権限保持者が消えれば、白灰化した者どもが帰ってくるのだがなぁ」
これが皇帝のジレンマであった。自らが権限を放棄すれば兵力は手に入る。しかしそれは商丘側の戦略目標であるのだ。
一方、商丘側は遮るもののない進軍ルートを辿り、破壊し尽くされた帝都に迫っていた。
「私はまだ負けておらぬ」
そう言い残した皇帝は船に乗り、北の孤島イスランダルに逃れた。
帝都は陥落した。
——現実世界・マサの家
「買い物行ってきたよー」
私がそう言うと、ミコが迎えてくれる。
「おかえり、お風呂が良い? ごはんが良い? それとも……」
「何やってんのよ」
ツッコミを入れると、何やら不貞腐れた顔で見つめてくる。
「もー、ハグしてくれないと許してあげません!!! 私はおこです!!!」
「何が!? 悪い事してないじゃん!?」
思わずそう言うと、ミコがカウントする。
「はい、ゴネたのでハグ10秒追加~♪」
なんでだよ、と言ったら更に10秒追加された。
「はいはい、分かりましたよーだ」
「私とのハグを嫌々了承したみたいな言い方、更に10秒追加~♪」
こういう訳で、私は『30秒間ハグの刑』に処されたのであった。
「ねぇねぇ知ってる? 好きな人と30秒ハグすると、1日のストレスが半減するらしいよ」
そうなのか、と感心しつつも、腕から抜け出そうとする。しかし抜け出せない。
「まだ30秒経ってないよ?」
嫌な訳じゃない。脳が追い付かないから一旦落ち着きたいだけである。
突然、玄関のベルが鳴る。宅配屋さんだろう。
「ちょっと受け取りに行かなきゃ……」
「置き配設定しておいたから大丈夫よ」
(ミコはこういう時も用意周到なんだから……)
イチャイチャのためだけに裏工作をしておく所がまた可愛らしいと思う。
「管理者権限持ちを逃がしたって本当?」
ハグ中に都合悪い事を言わないでよ。
「散々『私が倒してくるから』なんてカッコつけちゃってさ」
笑いものにされるくらいなら別に構わない。それで許してくれているのだから。
極北の地・リトログラントは、これまで争いとは一切無縁な地であった。イルミナート政権が撤退する際も、特段騒ぎは起こらなかった。言わば、最も平和な地であったのだ。
「王様、ネウストリアが攻めてきましたぞ」
「市民をなるべく東へと避難させよ」
リトログラント王・フリッター。彼は、かつての支配者・イルミナートとの無血開城の交渉に成功した人物である。
「王都・キヤイコタンの名前の由来、分かる?」
若き王フリッターは以前ウィステリアにこう訊いた事があった。
ウィステリアが分からない、と答えると、彼は『光の町』という意味だと言った。その時ウィステリアはどうして『光の町』なのかが分からなかった。
「市民の避難は完了したか?」
「数分前に完了致しました」
「では、君も避難せよ」
「はい?」
困惑の立ち込める司令部で、フリッターは機関銃を乱射した。リスポーン地点は市外遠くに設定されており、撃たれた者どもは市内に戻れなかった。
王都キヤイコタンは幾重にも包囲されており、城壁内はネウストリア軍で溢れていた。
(究極の最終決戦兵器を使う時が来るとはな……)
フリッターは、王宮から敵に占拠された市街を眺めて思う。
「リトログラント王を逮捕する!!!」
「お前はもう抵抗できない状況にある!!! 大人しく跪け!!!」
王宮内の執務室に敵兵が乱入した瞬間であった。
「何が状況よ、状況は私が作るのだよ」
フリッターはそう言って、執務室に掛けた絵の裏側にあったボタンを押した。
その瞬間、キヤイコタンの市街全体が白灰化現象に包まれた。
キヤイコタンの白灰化の知らせは、すぐネウストリアに届いた。
「まさか奥の手を持っていたとはねぇ……」
「白灰化リスト、一瞬で数万人が登録されちゃってます」
「管理者とはいえ上級管理者ではないからなぁ、どうしようもないね」
リトログラントで大軍勢を失ったとはいえ、ネウストリアにも奥の手はあった。
「只今より、徴兵制を施行する」
この結果、ネウストリアの市民は全員兵役に就く事となった。また各種の強制国有化も同時に進められたため、全ての資源や設備が軍事に充てられた。
「1週間後には飛行船100隻、爆撃機1000機、戦闘機3000機が完成します」
「隣国サルペにも動員令を発出し、総攻撃を開始しました」
一方で商丘帝国でも軍備極振りが行われていた。
「明日頃には戦闘機4000機と爆撃機2000機が配備できます」
両軍は内陸部で決戦を行う構えであった。
「全軍、作戦開始っ!!!」
ネウストリア軍は内陸部の商丘側飛行場を徹底的に破壊する事を第一目標とした。対して商丘軍は敵母艦である飛行船空母の撃墜を目標とした。
「爆撃隊500機はエクスラシャペルを徹底的に破壊せよ」
史上最大の空戦劇は、両者に大損害を与えつつ、共に攻撃目標を破壊し尽くして終わった。
——電子世界・ネウストリア帝国・帝都エクスラシャペル
「焼け野原になりましたね……これでも終わらないのですか」
「勝負というものは、最後は歩兵の突撃によって決されるものよ」
そう言うネウストリア皇帝の許には、最早動員する兵が居なかった。リスポーン地点は徹底的に破壊され、初期スポーン地点には大穴が空いたのである。
「この世界の管理者権限保持者が消えれば、白灰化した者どもが帰ってくるのだがなぁ」
これが皇帝のジレンマであった。自らが権限を放棄すれば兵力は手に入る。しかしそれは商丘側の戦略目標であるのだ。
一方、商丘側は遮るもののない進軍ルートを辿り、破壊し尽くされた帝都に迫っていた。
「私はまだ負けておらぬ」
そう言い残した皇帝は船に乗り、北の孤島イスランダルに逃れた。
帝都は陥落した。
——現実世界・マサの家
「買い物行ってきたよー」
私がそう言うと、ミコが迎えてくれる。
「おかえり、お風呂が良い? ごはんが良い? それとも……」
「何やってんのよ」
ツッコミを入れると、何やら不貞腐れた顔で見つめてくる。
「もー、ハグしてくれないと許してあげません!!! 私はおこです!!!」
「何が!? 悪い事してないじゃん!?」
思わずそう言うと、ミコがカウントする。
「はい、ゴネたのでハグ10秒追加~♪」
なんでだよ、と言ったら更に10秒追加された。
「はいはい、分かりましたよーだ」
「私とのハグを嫌々了承したみたいな言い方、更に10秒追加~♪」
こういう訳で、私は『30秒間ハグの刑』に処されたのであった。
「ねぇねぇ知ってる? 好きな人と30秒ハグすると、1日のストレスが半減するらしいよ」
そうなのか、と感心しつつも、腕から抜け出そうとする。しかし抜け出せない。
「まだ30秒経ってないよ?」
嫌な訳じゃない。脳が追い付かないから一旦落ち着きたいだけである。
突然、玄関のベルが鳴る。宅配屋さんだろう。
「ちょっと受け取りに行かなきゃ……」
「置き配設定しておいたから大丈夫よ」
(ミコはこういう時も用意周到なんだから……)
イチャイチャのためだけに裏工作をしておく所がまた可愛らしいと思う。
「管理者権限持ちを逃がしたって本当?」
ハグ中に都合悪い事を言わないでよ。
「散々『私が倒してくるから』なんてカッコつけちゃってさ」
笑いものにされるくらいなら別に構わない。それで許してくれているのだから。
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