転生者の物語

最終章

神様

僕の意識が戻ったとき、勇者たちは僕の前から姿を消していた。
復讐の失敗を悟り、僕は城を出た。
僕は復讐するためにこの世界に来たのに...
これからどうすれば良いんだ。
「それは違います。」
どこからか声が聞こえた。
聞き覚えのある懐かしい声だった。
「番人さん？」
「はい、そうですよ。」
目の前に番人さんが現れた。
「違うってどういうこと？」
「あなたは勘違いしてますよ。私があなたをこの世界に転生させた理由。」
「え？復讐のためじゃないの？」
「違います。本来の目的はあなたを幸せにすることです。」
「幸せに？」
「そうです。前世で成し遂げられなかったことを、この世界で果たしてください。」
「前世で成し遂げられなかったこと...」
「答えはすぐにわかりますよ。」
「僕の幸せ...」
僕は王都を出て、とぼとぼと歩きだした。
この世界に僕の居場所なんて...