【館】 House of Sex Slaves

館 yakata

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episode U . ジュンの場合 / ビデオ・スレイブ

June 005. TV 弐 . petal

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月は冴えに冴え、まるで秋かとも思われるよう。
月光が届いているはずのない、ブラウン管のテレビの画面の中でも、
庭木の影がはっきりと地に印している。


【真ん中のテレビ】

大木の根を一気に抜き取る蒸気抜根機が、その成効力の余りに偉大な為めに、使い処がなくて、鏽びたまゝ捨てゝあるのをテレビが映している。
その前を後ろ手に拘束され、slave刻印入りの首輪のリードで引かれて歩く性奴隷のジュンが哀れっぽく横切っていった。

やや猫背に前屈みになった彫刻のような肩甲骨と背骨の繋ぎ目。
鞣した縄でひとつに纏められた手首、力なく握りかけられた長い指。
そして、骨のような太いディルドを埋め込まれたお尻。
右、左、右、左、と小ぶりな尻肉が運動するたびにディルドが少しずつはみ出して危うい。
勿論、その度にディルドの大きな亀頭がアヌスの性感をぐねりぐねりと押すのだから、
「あぁん、あ、あぁん、」
ジュンの悩ましい声も勿論響いている。

モスグリーンの制服を着た職員が、ジュンの首輪に繋がれているリードを、
真っ白な寝間着姿の冬眠鼠に手渡した。


手渡されたジュンのリードを操り、ディープキスで愛さつをしてやる
冬眠鼠は小さな舌でジュンの長い舌を愛撫し時折カメラ(テレビの画面)をチラリと見る。
その挑発的な視線が欲望の内在と超越を貫き循環する構造を露にするが、
「む…ちゅ、や、まね、さ、まぁ」
目を閉じているジュンは、永遠に気がつけない。

冬眠鼠は再び、ジュンを連れて暫く歩く。
すると、設置されたポールに真っ白なタペストリーがかけられているところにたどり着いた。
タペストリーはスクリーンになっていて、フィルム映写機から発せられる光によって、テーブルセットの影が写し出されていた。
テーブルセットでは、モスグリーンの制服を着た顔のない職員が三人か四人座っていて、お茶会をしている。

「ぁぁ…ッ、あ、ぁぁ…ッ」
冬眠鼠の手でディルドを出し入れされて、脚をガクガクと蟹股に震わせるジュンは、これからヒューマンからツールに堕とされることに、まだ気付けずにいた。

冬眠鼠は、長身のジュンの身を屈めさせ胸に抱き頭を撫でてやり、手を束ねられている縄をほどき、アヌスを苛めていたディルドを抜き去った。
「ン、ンンンンン~!」
ディルドが抜ける間隔とアヌスの入り口の肉が収縮する感覚に、ジュンが上半身を
お尻から、ごぽりと、ローションと空気の音が響くのがとても恥ずかしかった。

「ジュン、ここへ」
冬眠鼠は、ジュンの体から快楽電気の涙が引くのを待ってから、彼を寝台へエスコートした。

寝台には拘束具がセットされており、一目で”ちんぐり返し”のポーズを強制的に維持させるものとわかる。
そして、その傍らのミニマムデザインの台には、花束が幾つも並べられている。花束は茎が結束されており、白いコンドームが被せてある。
それらを見た
ジュンは愕然として、
嘘ではないか、騙りではないかと疑い、ほとんどわれを忘れて、まるで気でも違ったようになってしまった。
「アァぁぁ…そんな…受け入れ難いです」
ジュンは弱々しい神経的な声で、涙を無理に絞り出しながら叫んだ。
「冬眠鼠さま…ッ、嫌です…ッ、」

冬眠鼠は、ジュンの反抗を叱らない。
潤む黒い瞳を切れ長の瞼ごと唇に含み、やさしく頭を撫でて、
「大丈夫、大丈夫。ジュン…、これは幻想的な夢の船だよ。乗ればうねる形状の旅に出られるよ」
と、説得した。
するとジュンは、それを振り払って、寝台の上に倒れ、すっかり顔を隠してしまって、その際、何も言わなければ、乱暴な口ひとつきかず、無言のまま、じっと侮辱を忍ぶのであった。

「いい子だ、ジュン。脚を高く上げて開くんだ。赤ちゃんに戻ったつもりで、そう…あぁ、素敵だ。なんて体がしなやかで柔軟なんだろう」
冬眠鼠は心の底からジュンを褒め称えながら、腰を浮かせてひっくり返る途中の蛙のポーズになったジュンの手と脚に拘束用の枷を施した。
そのやり方がいっそういやらしくなったように思われた。

ジュンもなんだか気がゆるんだらしく、流暢さと身のしまりがなくなり、妙にだらしがなくなって、
「ぁぁ…、ぁぁ…、」
と甘えたな声で冬眠鼠を呼んだ。
声を発する唇はふにゃふにゃに歪んでおり、
それがジュンの鋭利な美貌にいやらしい淫蕩な相を与えているのであった。

「おまんこ丸見えになったな。みんなに見られて、恥ずかしくて、とても気持ちいいだろう?」
四つの枷のベルトを締め終えた冬眠鼠が立ち上がり、ジュンを見下す。
「ふゥん」
と、鼻を鳴らすジュンの股間では、形の良い長いペニスが半勃ちして揺れている。

「さあ、もっと美しくなれるよ、ジュン」
冬眠鼠が、花束をひとつ手に取った。


花びらが、
舞い降りる。

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