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第32話
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時が過ぎるのも早いもので、あっという間に夏休みとなった。
終業式の日は翌日からの合宿へ向けて荷造りをしていたので学園は欠席した。
「よっと、、、こんなものかな?」
少し大きめのキャリーケースに必要だと思うものを詰め込み、忘れ物がないか確認をした。
「明日から1ヶ月か、、、」
理事長室から帰った後、みんなに場所を確保した事を伝えると驚き喜ばれた。
どうやったのかを聞かれたので、
「色々して、ダイフェスの優勝を条件に無償で提供してもらった」
「食料は週1回で届く」
「保護者として僕のマネージャーのハルキさんと奥さんのアキさんがついてきてくれる」
「1ヶ月間、泊まり込みで練習できる」
って伝えた。
もちろん、もう1つの条件は僕自身に関わる事なので伏せた。
条件にヤル気を出したのか、その日の練習がハード過ぎてカズヤが不機嫌になったのは面白かった。
『ねぇねぇ、イチ兄』
ん?どうしたの、ユキ。
『コー監督の出した2つ目の条件、本当に良かったの?』
仕方ないじゃないか。
あと、腹をくくれって言ったのは誰だよ。
『うっ、、、僕です』
だろ?
それに、、、。
『それに?』
なんかここ最近、ユキ楽しそうだし。
『あっ』
気づかないわけないじゃん。
僕たち、双子だよ。
そう、気づかないはずがない。
ユキが少しずつ変わり始めた事に。
双子なのだから。
僕の中で生きているのだから。
『イチ兄には隠し事は無理そうだね。そうだよ、認める。楽しい、すごく。イチ兄の歌が聴けるのもそうだけど、メンバーと触れ合うのも』
怖くない?
『うん、怖くない。最初は勿論、イチ兄以外誰も信じられなくて怖かった。ただ単純に他人の僕を見る眼が何よりも。でも、あの人達は僕を見る、何かが違って、、、何よりイチ兄がどんなに逃げても追いかけてきた。しつこいくらいにね』
そうだね。
『話していくうちに、怖くなくなったんだ。むしろ好きになった気がする』
そりゃあ良い。
僕も、、、シュウゴ以外は結構好きかな?
『あー、うん。僕もシュウゴはあんまりかな』
やっぱり、双子だね。
『うん、双子だ』
ユキは笑った。
多分、心から。
可愛い笑顔が想像できる。
『ねぇ、イチ兄』
何かが気になったのか、不思議そうな声で聞いてきた。
何?
『イチ兄に、苦手な物はないの?』
なんで?
『何にも怖がってないから、気になって』
、、、、、、、。
『イチ兄?』
〆◼️〆◼️〆◼️〆
ないと言えば嘘になる。
思い出されるのは、ユキよりもドス黒い記憶。
黒、黒、黒、、、、黒。
それだけで塗り潰された、抹消しきれない記憶。
吐き気が込み上がってくる。
『イチ兄!』
あるよ、苦手な物。
『えっ?あ、何?どんなもの?』
性的暴力。
『は?』
聞いても引かない?
『、、、うん』
じゃあ、話してあげる。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
性的暴力って言うのは、強姦とか、そんな感じ。
僕のいた世界って、この世界より犯罪率が圧倒的に高かったんだよ。
AIが飛び交うこの世界は、犯罪率がゼロに近い。
向こうとは大違い。
平和、という文字で飾れるそんな世界。
1番始めの里親に金稼ぎで、体を売られたんだよ。どんなにやめてって言っても、やめてくれなくて。
名前も知らない男達、、、たまに女もいたかな?に無茶苦茶にされる。誰も助けになんか来なくて、心も体もボロボロになって倒れて、、、心優しい人によって病院に運ばれてようやく警察も動いて、元いた孤児院に再度保護されたんだよ。
だからさ、
痛みと、
暗い場所と、
セックスが、
何よりも苦手で嫌いなんだ。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
『そう、なんだ』
うん。
『重いね』
ユキには早かったかな?この話。
『いや、全然。むしろ話してくれてありがとう。僕のイジメの話、イチ兄の聞いたら全然軽いものだって思った。イチ兄、僕の相談とか乗ってくれてありがとう』
、、、ちょっと、引いてる?
『いや!』
そ、そうか。
そろそろ寝るか。明日も早いし。
『イチ兄』
何?
『僕、何があってもイチ兄の味方だよ』
ユキは真っ直ぐな声で、言ってきた。
あぁ、嬉しいな。
そう言われて嬉しいのは、何年振りか。
僕も、ユキの味方。
どんなに時が経ってもね。
終業式の日は翌日からの合宿へ向けて荷造りをしていたので学園は欠席した。
「よっと、、、こんなものかな?」
少し大きめのキャリーケースに必要だと思うものを詰め込み、忘れ物がないか確認をした。
「明日から1ヶ月か、、、」
理事長室から帰った後、みんなに場所を確保した事を伝えると驚き喜ばれた。
どうやったのかを聞かれたので、
「色々して、ダイフェスの優勝を条件に無償で提供してもらった」
「食料は週1回で届く」
「保護者として僕のマネージャーのハルキさんと奥さんのアキさんがついてきてくれる」
「1ヶ月間、泊まり込みで練習できる」
って伝えた。
もちろん、もう1つの条件は僕自身に関わる事なので伏せた。
条件にヤル気を出したのか、その日の練習がハード過ぎてカズヤが不機嫌になったのは面白かった。
『ねぇねぇ、イチ兄』
ん?どうしたの、ユキ。
『コー監督の出した2つ目の条件、本当に良かったの?』
仕方ないじゃないか。
あと、腹をくくれって言ったのは誰だよ。
『うっ、、、僕です』
だろ?
それに、、、。
『それに?』
なんかここ最近、ユキ楽しそうだし。
『あっ』
気づかないわけないじゃん。
僕たち、双子だよ。
そう、気づかないはずがない。
ユキが少しずつ変わり始めた事に。
双子なのだから。
僕の中で生きているのだから。
『イチ兄には隠し事は無理そうだね。そうだよ、認める。楽しい、すごく。イチ兄の歌が聴けるのもそうだけど、メンバーと触れ合うのも』
怖くない?
『うん、怖くない。最初は勿論、イチ兄以外誰も信じられなくて怖かった。ただ単純に他人の僕を見る眼が何よりも。でも、あの人達は僕を見る、何かが違って、、、何よりイチ兄がどんなに逃げても追いかけてきた。しつこいくらいにね』
そうだね。
『話していくうちに、怖くなくなったんだ。むしろ好きになった気がする』
そりゃあ良い。
僕も、、、シュウゴ以外は結構好きかな?
『あー、うん。僕もシュウゴはあんまりかな』
やっぱり、双子だね。
『うん、双子だ』
ユキは笑った。
多分、心から。
可愛い笑顔が想像できる。
『ねぇ、イチ兄』
何かが気になったのか、不思議そうな声で聞いてきた。
何?
『イチ兄に、苦手な物はないの?』
なんで?
『何にも怖がってないから、気になって』
、、、、、、、。
『イチ兄?』
〆◼️〆◼️〆◼️〆
ないと言えば嘘になる。
思い出されるのは、ユキよりもドス黒い記憶。
黒、黒、黒、、、、黒。
それだけで塗り潰された、抹消しきれない記憶。
吐き気が込み上がってくる。
『イチ兄!』
あるよ、苦手な物。
『えっ?あ、何?どんなもの?』
性的暴力。
『は?』
聞いても引かない?
『、、、うん』
じゃあ、話してあげる。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
性的暴力って言うのは、強姦とか、そんな感じ。
僕のいた世界って、この世界より犯罪率が圧倒的に高かったんだよ。
AIが飛び交うこの世界は、犯罪率がゼロに近い。
向こうとは大違い。
平和、という文字で飾れるそんな世界。
1番始めの里親に金稼ぎで、体を売られたんだよ。どんなにやめてって言っても、やめてくれなくて。
名前も知らない男達、、、たまに女もいたかな?に無茶苦茶にされる。誰も助けになんか来なくて、心も体もボロボロになって倒れて、、、心優しい人によって病院に運ばれてようやく警察も動いて、元いた孤児院に再度保護されたんだよ。
だからさ、
痛みと、
暗い場所と、
セックスが、
何よりも苦手で嫌いなんだ。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
『そう、なんだ』
うん。
『重いね』
ユキには早かったかな?この話。
『いや、全然。むしろ話してくれてありがとう。僕のイジメの話、イチ兄の聞いたら全然軽いものだって思った。イチ兄、僕の相談とか乗ってくれてありがとう』
、、、ちょっと、引いてる?
『いや!』
そ、そうか。
そろそろ寝るか。明日も早いし。
『イチ兄』
何?
『僕、何があってもイチ兄の味方だよ』
ユキは真っ直ぐな声で、言ってきた。
あぁ、嬉しいな。
そう言われて嬉しいのは、何年振りか。
僕も、ユキの味方。
どんなに時が経ってもね。
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