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第37話
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「なんだよ、その顔」
2階寝室、僕はシュウゴと同じ部屋にいる。
「なんで、君が勝っちゃうのかな?」
「ジャンケン強いから」
こんな事なら普通にヒカルかカズヤがいいって言えばよかった。
ヒビキでもよかったけど。
「はぁ」
「そんなに俺が嫌か」
「、、、まぁね」
「素直だな」
クスリとも笑わずにシュウゴは自分の荷物をベットの横に置いた。
部屋はホテルみたいで、シングルベットが3つ付いていた。窓の近くにはソファとミニテーブルが置いってあってそこに座って景色を楽しむのだろう。
「この後何するの?」
バッグから楽譜を取り出しているシュウゴに質問すると、手を止めてこちらを見て答えた。
「取り敢えず、予定立てをする。こんだけいい設備が整ってるなら前々から想定して立ててた予定より変える必要があるからな。その後、練習だな」
「ふーん、、、ねぇ」
「なんだよ」
「僕も自分専用のマイク、買った方がいいかな?」
みんな自分のオリジナルを持ってる。
自分専用の、自分だけしか出せない音を出せるオリジナルの武器を。
「そうだな、、、マイクのオーダーメイドはちょっと特殊だからな。そこら辺はヒカルに聞いた方がいい。アイツはコーラス用のマイクも特注品のはずだから」
「わかった」
「なんでそんなこと聞いてきたんだ?」
「?ダイフェスで優勝するため」
それ以外に何があるというのだ。
優勝するのが、この別荘の貸出条件なんだから。
「、、、フフ」
「何それ、気持ち悪い」
「いや、悪い。そうだな、優勝するためなら買った方がいいな」
「ヒカルに後で聞いてみるよ」
「そうしろ」
〆◾️〆◾️〆◾️〆
「主にダイフェスまでにしなければならない事は3つですね」
スタジオに再集合したメンバーは各々の楽器のチューニングを始めた。ベィーンとかポロロンとか、音が不協和音を鳴らす中でカズヤはステッキを磨きながら色々と教えてくれた。
「1つ目はチーム公式サイトを作る事です」
「え、何で?」
「無名のチームが8から9割を占めるからです。なのであらかじめサイトを見せてファンをある程度作っておきなさい、というのがフェス委員会の考えらしいですよ。サイトは評価の対象にはならないのですが、全チーム作る事が絶対条件の1つです」
「そうなんだ」
「はい。サイトにはメンバー紹介とダイフェスで披露する曲の1つを音源のみフル公開します。この2つはサイトを作る上での絶対条件ですね。それ以外は各チームにお任せです」
「メンバー紹介、、、」
雪村ユウって公開したら色々面倒な事になりそうな気がするんだが?
「でもよー」
「何ですか、ヒビキ?」
「お姫様って、かなり有名だっただろ。表に出なくなって何年も経つけどわかる奴にはわかるから、本名じゃない方が騒がれずに済むんじゃねーの?」
「騒がれるとは?」
「いや、今のネットワークは尋常じゃないだろ。雪村ユウでファンを釣っているって思われたら始めから印象最悪だろ」
確かに、、、。
みんなを巻き込むつもりはないけど、僕がいたらそう思われても不思議じゃない。
「では、芸名を載せましょうか」
「シュウゴ、どうする?あんまり本名とかけ離れてると俺らがわかんなくなるだろ」
「そうだな、、、単純に下の名前をローマ字表記にすればいいんじゃないか?」
「そうですね。下の名前なら全員よくある名前なのでバレにくいですし」
そうなると、僕は『YU』って事か。
「フル公開は何にするつもりなの?」
「『The Crazy Owl 』でいいと思うなぁ」
ヒカルはのんびりと答えた。
「僕らのチーム名も入ってるし」
「隣にレコーディング出来る場所もあったからな。この合宿でサイトは完成させるか」
「わかりました、ではそうしましょう」
「他は何するの?」
「衣装作りですね。ダイフェスには制服での参加は認められていないので」
色々厳しいんだな、ルール。
「それに関しては俺に任せろよ。大体のイメージはあるから仮縫いだけでもこの合宿で済ませるつもりだから協力しろよお前ら!」
ヒビキは1冊のスケッチブックを見せながら言ってきた。
「え、見たい」
「ダメだ。お楽しみだよ、お姫様」
「最後は練習です、練習。これは絶対しなくてはいけませんよ。どんな曲順でどんなパフォーマンスをするのかを考えなければなりませんからね」
サイト、衣装、練習。
やる事は山積みだ。
この合宿でどこまで出来るかが勝負だな。
「んじゃ、準備はいいか?」
ギターをジャランと鳴らしてシュウゴは全員に声をかけた。
「有意義な合宿にするぞ!」
「「「「おー!!!」」」
「おー」
「姫ちゃん!ずれてるずれてる!」
やってやるよ!
2階寝室、僕はシュウゴと同じ部屋にいる。
「なんで、君が勝っちゃうのかな?」
「ジャンケン強いから」
こんな事なら普通にヒカルかカズヤがいいって言えばよかった。
ヒビキでもよかったけど。
「はぁ」
「そんなに俺が嫌か」
「、、、まぁね」
「素直だな」
クスリとも笑わずにシュウゴは自分の荷物をベットの横に置いた。
部屋はホテルみたいで、シングルベットが3つ付いていた。窓の近くにはソファとミニテーブルが置いってあってそこに座って景色を楽しむのだろう。
「この後何するの?」
バッグから楽譜を取り出しているシュウゴに質問すると、手を止めてこちらを見て答えた。
「取り敢えず、予定立てをする。こんだけいい設備が整ってるなら前々から想定して立ててた予定より変える必要があるからな。その後、練習だな」
「ふーん、、、ねぇ」
「なんだよ」
「僕も自分専用のマイク、買った方がいいかな?」
みんな自分のオリジナルを持ってる。
自分専用の、自分だけしか出せない音を出せるオリジナルの武器を。
「そうだな、、、マイクのオーダーメイドはちょっと特殊だからな。そこら辺はヒカルに聞いた方がいい。アイツはコーラス用のマイクも特注品のはずだから」
「わかった」
「なんでそんなこと聞いてきたんだ?」
「?ダイフェスで優勝するため」
それ以外に何があるというのだ。
優勝するのが、この別荘の貸出条件なんだから。
「、、、フフ」
「何それ、気持ち悪い」
「いや、悪い。そうだな、優勝するためなら買った方がいいな」
「ヒカルに後で聞いてみるよ」
「そうしろ」
〆◾️〆◾️〆◾️〆
「主にダイフェスまでにしなければならない事は3つですね」
スタジオに再集合したメンバーは各々の楽器のチューニングを始めた。ベィーンとかポロロンとか、音が不協和音を鳴らす中でカズヤはステッキを磨きながら色々と教えてくれた。
「1つ目はチーム公式サイトを作る事です」
「え、何で?」
「無名のチームが8から9割を占めるからです。なのであらかじめサイトを見せてファンをある程度作っておきなさい、というのがフェス委員会の考えらしいですよ。サイトは評価の対象にはならないのですが、全チーム作る事が絶対条件の1つです」
「そうなんだ」
「はい。サイトにはメンバー紹介とダイフェスで披露する曲の1つを音源のみフル公開します。この2つはサイトを作る上での絶対条件ですね。それ以外は各チームにお任せです」
「メンバー紹介、、、」
雪村ユウって公開したら色々面倒な事になりそうな気がするんだが?
「でもよー」
「何ですか、ヒビキ?」
「お姫様って、かなり有名だっただろ。表に出なくなって何年も経つけどわかる奴にはわかるから、本名じゃない方が騒がれずに済むんじゃねーの?」
「騒がれるとは?」
「いや、今のネットワークは尋常じゃないだろ。雪村ユウでファンを釣っているって思われたら始めから印象最悪だろ」
確かに、、、。
みんなを巻き込むつもりはないけど、僕がいたらそう思われても不思議じゃない。
「では、芸名を載せましょうか」
「シュウゴ、どうする?あんまり本名とかけ離れてると俺らがわかんなくなるだろ」
「そうだな、、、単純に下の名前をローマ字表記にすればいいんじゃないか?」
「そうですね。下の名前なら全員よくある名前なのでバレにくいですし」
そうなると、僕は『YU』って事か。
「フル公開は何にするつもりなの?」
「『The Crazy Owl 』でいいと思うなぁ」
ヒカルはのんびりと答えた。
「僕らのチーム名も入ってるし」
「隣にレコーディング出来る場所もあったからな。この合宿でサイトは完成させるか」
「わかりました、ではそうしましょう」
「他は何するの?」
「衣装作りですね。ダイフェスには制服での参加は認められていないので」
色々厳しいんだな、ルール。
「それに関しては俺に任せろよ。大体のイメージはあるから仮縫いだけでもこの合宿で済ませるつもりだから協力しろよお前ら!」
ヒビキは1冊のスケッチブックを見せながら言ってきた。
「え、見たい」
「ダメだ。お楽しみだよ、お姫様」
「最後は練習です、練習。これは絶対しなくてはいけませんよ。どんな曲順でどんなパフォーマンスをするのかを考えなければなりませんからね」
サイト、衣装、練習。
やる事は山積みだ。
この合宿でどこまで出来るかが勝負だな。
「んじゃ、準備はいいか?」
ギターをジャランと鳴らしてシュウゴは全員に声をかけた。
「有意義な合宿にするぞ!」
「「「「おー!!!」」」
「おー」
「姫ちゃん!ずれてるずれてる!」
やってやるよ!
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