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領民との会話
タタラス島での忘れられない経験を胸に、私たちはブレイブス港街での休暇を終え、各自がそれぞれの持ち場で新たな役割を果たすため、再び忙しい日々が始まった。
「さて、と。まずは領民たちの声を聞くところからだな」
ミシェラン領主の屋敷に戻るなり、マッドが腕まくりをする。隣にいたジルも、彼の言葉に頷いた。
「そうですね。まずは街中を見て回りませんか?マッド様のお顔見せも兼ねて」
「そうだな。お爺様が長年築いてきた信頼には到底及ばないが、まずは小さな一歩から始めよう」
マッドはそう言って、ジルと共にミシェランの街中へと繰り出した。商店街の賑わいから一本入った裏路地の静けさまで、二人は隅々まで歩き回り、領民たちと積極的に会話を交わし始めた。
最初の頃は、警戒心からかあまり話をしてくれない店主もいた。しかし、マッドとジルが毎日顔を合わせ、真摯に耳を傾けるうちに、領民たちの態度も少しずつ変わっていった。
「よお、今日も見て回ってんだな。いつもありがとよ」
「こんにちは、おじさん。また重い荷物があれば運ぶの手伝いますよ」
「いつも悪いな、でも腰の具合も随分良くなったんで大丈夫だ」
「それは、良かったです」
「おっ、そういえば、この前のパン泥棒の子供のことなんだが、聞けば三日も何も食べていないって言うじゃないか。親がいるって話だが……。同じぐらいの年の子供を持つ身としては気になるな。どうにかならないかねぇ?」
パン屋の店主が、二日前に捕まった子供の話をしてきた。それを聞いたマッドとジルは、すぐに顔を見合わせた。
「それは見過ごせませんね」ジルが真剣な顔で言った。
「ああ。すぐに役所と連携を取って、子供の身元を詳しく調べてみよう」
二人は早速、役所へ足を運び、子供の様子を見に行き、さらにはその親にも会いに行ったりと、足を使って歩き回った。ジルと協力し、調査を進め、その子供を守る方法を考えた。
現在のミシェランは、お爺様が立派に領主として仕事をこなされているおかげで、他の大きな街によくあるようなスラム街は存在しない。しかし、犯罪が皆無なわけではなく、裏稼業に身を置く者がいないわけでもないのが現状だ。
マッドは、このパン泥棒の件を通して、今の自分に何ができるかを深く考えた。そして、一つの施設の建設案をお爺様に相談した。それには、将来を担う子供たちを守る「希望の場所」にしたい、というマッドの強い願いが込められていた。
後にマッドは、私にその想いを打ち明けてくれた。
「キャロル。俺たちには、タタラス島で先人がやり遂げたような特別な力がある。だからこそ、弱い立場の者を守るべきだと思うんだ。提案した施設には当然ながら多くの費用がかかる。だから、ヒュムスカ街で俺たちが作ったような店舗をミシェランにも作り、その儲けを費用に充てようと思うんだが、どう思う?」
彼のまっすぐな眼差しに、私は迷うことなく答えた。
「良いと思うわ。きっと、素晴らしい場所になるわね」
「でも、まだまだ先の話だ。この前の小さな泥棒の子は、緊急を要するから、まずはルルソン村の俺たちの屋敷で面倒を見ることにしたよ。ムッサリとジータには迷惑をかけるが、あの子を今の父親の元には置いておけないからな」
「そうね。その子の父親はどんな人だったの?」
「実の父親ではなく、叔父の立場らしいんだ。ギャンブル好きで、家にはほとんど戻らない人だったよ」
この世界は厳しい。そういった境遇の子供は、どこにでもいるだろう。しかし、マッドは自身の持つ権力と、そして秘めたる力を使い、人のためになることをしようと決めたのだ。
私たちは今まで、できる限り目立たないように生きるつもりだった。けれど、今はタタラス島の先人のように、勇気を持って前に進もうとしている。
そんな領地での活動に奔走する中、長期休暇も残り少なくなった頃だった。マッドは街の小さな路地裏で、こっそりと泣いている男の子を見つけた。五歳くらいの幼い子で、抱きしめたクマのぬいぐるみの片腕が、もぎ取られてしまっていたのだ。
「どうしたんだ、坊主?何故泣いてるんだ?」
マッドが優しく声をかけると、男の子はびくっと肩を震わせ、上目遣いでマッドを見上げた。
「く、くまさんが……くまさんの腕が、取れちゃったの……。お母さんに、直せないって言われた……」
男の子の小さな手には、かわいそうな姿になったぬいぐるみが握られている。マッドは屈んで、男の子の目線に合わせると、優しく微笑んだ。
「そうか。大丈夫だよ。俺と仲の良いお姉さんは裁縫がとても得意なんだ。このクマさんも、きっと元気にしてあげられるよ」
男の子の目が、ぱっと輝いた。
「ほんと!?そのお姉さんは魔法使いなの?」
マッドは微笑んでぬいぐるみを預かり、少し照れたように、でもどこか誇らしげに壊れたぬいぐるみを私に差し出した。
「キャロル、ちょっと頼みがあるんだ」
「なあに、マッド?」
「このクマさん、路地裏で泣いていた坊やの大事な友達みたいなんだ。腕が取れてしまって、坊やがひどく悲しんでいてね。キャロルなら、きっと綺麗に直してやれるだろう?」
私を頼りにしているのがよく分かった。彼の、領民の些細な困りごとにも真摯に向き合う優しさが、私にはとても嬉しかった。
「もちろんよ!私に任せて」
私は快く引き受け、マッドからぬいぐるみを受け取った。その日の午後、私はぬいぐるみの修理に没頭した。針と糸を手に、もぎ取られた腕を丁寧に縫い合わせる。私の指先が魔法のように動き、完璧に修復されたぬいぐるみは、もとの愛らしい姿を取り戻した。
翌日、マッドがぬいぐるみを男の子に手渡すと、男の子は満面の笑みを浮かべ、何度も「ありがとう、ありがとう!」と繰り返した。
「お兄さん、すごい!くまさん、元気になったよ!」
その屈託のない笑顔に、マッドの表情も自然と和らぐ。そして、マッドはそっと鑑定スキルを発動し、修理されたぬいぐるみを見た。すると、そこには驚くべき表示が。
【くまのぬいぐるみ:頑丈+2(魔力付与)】
「……はは、またとんでもないものが付与されたな」
マッドは思わず苦笑した。この「頑丈+2」という付与は、並大抵の魔法では付けられない、非常に強力なものだ。どんなに力持ちの大人が引っ張っても、このクマさんの腕が再びちぎれることは絶対にないだろう、とマッドは思った。私の裁縫スキルに、知らず知らずのうちに魔力が乗って、とんでもない効果を付けてしまったようだ。
領地を巡る中で、大きな問題も小さな問題も、彼にとっては等しく大切なことだと改めて感じた瞬間だった。そして、そんな彼の優しさに触れるたび、私は彼を支えることができる喜びを噛み締めるのだった。
「さて、と。まずは領民たちの声を聞くところからだな」
ミシェラン領主の屋敷に戻るなり、マッドが腕まくりをする。隣にいたジルも、彼の言葉に頷いた。
「そうですね。まずは街中を見て回りませんか?マッド様のお顔見せも兼ねて」
「そうだな。お爺様が長年築いてきた信頼には到底及ばないが、まずは小さな一歩から始めよう」
マッドはそう言って、ジルと共にミシェランの街中へと繰り出した。商店街の賑わいから一本入った裏路地の静けさまで、二人は隅々まで歩き回り、領民たちと積極的に会話を交わし始めた。
最初の頃は、警戒心からかあまり話をしてくれない店主もいた。しかし、マッドとジルが毎日顔を合わせ、真摯に耳を傾けるうちに、領民たちの態度も少しずつ変わっていった。
「よお、今日も見て回ってんだな。いつもありがとよ」
「こんにちは、おじさん。また重い荷物があれば運ぶの手伝いますよ」
「いつも悪いな、でも腰の具合も随分良くなったんで大丈夫だ」
「それは、良かったです」
「おっ、そういえば、この前のパン泥棒の子供のことなんだが、聞けば三日も何も食べていないって言うじゃないか。親がいるって話だが……。同じぐらいの年の子供を持つ身としては気になるな。どうにかならないかねぇ?」
パン屋の店主が、二日前に捕まった子供の話をしてきた。それを聞いたマッドとジルは、すぐに顔を見合わせた。
「それは見過ごせませんね」ジルが真剣な顔で言った。
「ああ。すぐに役所と連携を取って、子供の身元を詳しく調べてみよう」
二人は早速、役所へ足を運び、子供の様子を見に行き、さらにはその親にも会いに行ったりと、足を使って歩き回った。ジルと協力し、調査を進め、その子供を守る方法を考えた。
現在のミシェランは、お爺様が立派に領主として仕事をこなされているおかげで、他の大きな街によくあるようなスラム街は存在しない。しかし、犯罪が皆無なわけではなく、裏稼業に身を置く者がいないわけでもないのが現状だ。
マッドは、このパン泥棒の件を通して、今の自分に何ができるかを深く考えた。そして、一つの施設の建設案をお爺様に相談した。それには、将来を担う子供たちを守る「希望の場所」にしたい、というマッドの強い願いが込められていた。
後にマッドは、私にその想いを打ち明けてくれた。
「キャロル。俺たちには、タタラス島で先人がやり遂げたような特別な力がある。だからこそ、弱い立場の者を守るべきだと思うんだ。提案した施設には当然ながら多くの費用がかかる。だから、ヒュムスカ街で俺たちが作ったような店舗をミシェランにも作り、その儲けを費用に充てようと思うんだが、どう思う?」
彼のまっすぐな眼差しに、私は迷うことなく答えた。
「良いと思うわ。きっと、素晴らしい場所になるわね」
「でも、まだまだ先の話だ。この前の小さな泥棒の子は、緊急を要するから、まずはルルソン村の俺たちの屋敷で面倒を見ることにしたよ。ムッサリとジータには迷惑をかけるが、あの子を今の父親の元には置いておけないからな」
「そうね。その子の父親はどんな人だったの?」
「実の父親ではなく、叔父の立場らしいんだ。ギャンブル好きで、家にはほとんど戻らない人だったよ」
この世界は厳しい。そういった境遇の子供は、どこにでもいるだろう。しかし、マッドは自身の持つ権力と、そして秘めたる力を使い、人のためになることをしようと決めたのだ。
私たちは今まで、できる限り目立たないように生きるつもりだった。けれど、今はタタラス島の先人のように、勇気を持って前に進もうとしている。
そんな領地での活動に奔走する中、長期休暇も残り少なくなった頃だった。マッドは街の小さな路地裏で、こっそりと泣いている男の子を見つけた。五歳くらいの幼い子で、抱きしめたクマのぬいぐるみの片腕が、もぎ取られてしまっていたのだ。
「どうしたんだ、坊主?何故泣いてるんだ?」
マッドが優しく声をかけると、男の子はびくっと肩を震わせ、上目遣いでマッドを見上げた。
「く、くまさんが……くまさんの腕が、取れちゃったの……。お母さんに、直せないって言われた……」
男の子の小さな手には、かわいそうな姿になったぬいぐるみが握られている。マッドは屈んで、男の子の目線に合わせると、優しく微笑んだ。
「そうか。大丈夫だよ。俺と仲の良いお姉さんは裁縫がとても得意なんだ。このクマさんも、きっと元気にしてあげられるよ」
男の子の目が、ぱっと輝いた。
「ほんと!?そのお姉さんは魔法使いなの?」
マッドは微笑んでぬいぐるみを預かり、少し照れたように、でもどこか誇らしげに壊れたぬいぐるみを私に差し出した。
「キャロル、ちょっと頼みがあるんだ」
「なあに、マッド?」
「このクマさん、路地裏で泣いていた坊やの大事な友達みたいなんだ。腕が取れてしまって、坊やがひどく悲しんでいてね。キャロルなら、きっと綺麗に直してやれるだろう?」
私を頼りにしているのがよく分かった。彼の、領民の些細な困りごとにも真摯に向き合う優しさが、私にはとても嬉しかった。
「もちろんよ!私に任せて」
私は快く引き受け、マッドからぬいぐるみを受け取った。その日の午後、私はぬいぐるみの修理に没頭した。針と糸を手に、もぎ取られた腕を丁寧に縫い合わせる。私の指先が魔法のように動き、完璧に修復されたぬいぐるみは、もとの愛らしい姿を取り戻した。
翌日、マッドがぬいぐるみを男の子に手渡すと、男の子は満面の笑みを浮かべ、何度も「ありがとう、ありがとう!」と繰り返した。
「お兄さん、すごい!くまさん、元気になったよ!」
その屈託のない笑顔に、マッドの表情も自然と和らぐ。そして、マッドはそっと鑑定スキルを発動し、修理されたぬいぐるみを見た。すると、そこには驚くべき表示が。
【くまのぬいぐるみ:頑丈+2(魔力付与)】
「……はは、またとんでもないものが付与されたな」
マッドは思わず苦笑した。この「頑丈+2」という付与は、並大抵の魔法では付けられない、非常に強力なものだ。どんなに力持ちの大人が引っ張っても、このクマさんの腕が再びちぎれることは絶対にないだろう、とマッドは思った。私の裁縫スキルに、知らず知らずのうちに魔力が乗って、とんでもない効果を付けてしまったようだ。
領地を巡る中で、大きな問題も小さな問題も、彼にとっては等しく大切なことだと改めて感じた瞬間だった。そして、そんな彼の優しさに触れるたび、私は彼を支えることができる喜びを噛み締めるのだった。
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