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4.衝撃の事実-2-
しおりを挟む「今日は、抹茶のティラミス・・・。明日のおやつは、何が・・・」
(いいかしら?)
シフォンケーキ?
カステラ?
モンブラン?
アイスクリーム?
お風呂に入ってベッドで休んだ私に眠気が襲ってきたから、そのまま眠ったの。
目覚めなさい
んっ?
私の名前を呼んだような・・・?
・・・・・・気のせいね
誰かに呼ばれたような気がしたけど、これは夢だと思った私は再び眠りに就いたの。
水川 北斗よ
目を覚ますのです
んっ?
気のせい、じゃない?
草木も眠る丑三つ時に声をかけられた私は、自分を起こした誰かに対する怒りと苛立ちを隠しながら何とか覚ましたわ。
すると・・・
某ゲームに出てくる妖艶美女を思わせる、右の目尻に泣き黒子があるセクシーな美女が私の目の前に居たの。
「私は王母娘娘。皇帝である趙 藍蓮に吉田 真白を暁華国に召喚するように命じた女神ですわ」
「はぁ・・・」
自分の事を女神と宣う王母娘娘って人は厨二病なのかな?
「私は厨二病ではありません!娘娘です!分かりやすく言えば女神です!神様です!」
この人、何で私の思っている事が分かったの?
「私は女神ですから人間の心を読む事くらい簡単に出来ますわ!」
「その女神様が私に何の用があるのでしょうか・・・?」
こういう輩を相手にする時は話を合わせて適当に相槌を打てばいいのよ。
一刻も早く眠りたい私は王母娘娘って人の話を聞く振りをして聞き流す事にしたのだけど・・・この人、聞き流す事が出来ない事をさらりと告白しやがった!
王母娘娘の話を纏めるとこうよ。
神仙という世界を創造した創造神は王母娘娘に生物を創るように命じた。
創造神の命令に従い王母娘娘は植物だけではなく魚類・爬虫類・哺乳類といった生物の雄と雌を創り終えると、王母娘娘は自分が創った生物達に番となり子孫を増やすように言い残すと天界へと帰った。
神仙は生命に満ち溢れた。
だが、王母娘娘が最後に創った生物───人間の男が人間の女を男よりも劣った存在だと見下し彼女達を道具のように扱うようになってしまった。
人間の男達からの仕打ちに嘆き悲しみ耐えきれなくなってしまった人間の女達は王母娘娘に「神仙から女という存在を消して欲しい」と願い、王母娘娘は彼女達の願いを聞き入れたのですって。
結果、神仙から人間の女が姿を消してしまったの。
今から二千年以上前の事らしいわ。
それからというもの神仙では人間の女という存在が産まれなくなったの。
「女だけではなく男も私にとっては我が子に等しい存在。代替案ではないのですが、男でも子孫を残せるようにしました」
「それが額と腹部に花の痣がある男なのですね?」
「理解が早くて助かります」
人間の女を見下し道具扱いした事を反省した男達は額と腹部に花の痣がある男を女として扱い大切にする───フェミニスト・・・になったと解釈していいのかしら?
レディーファーストな紳士になったのだけど、神仙には女という存在が一向に産まれる気配がないの。
「それと吉田さんの召喚が何の関係が?」
「それはですね・・・趙 藍蓮は自分を含む男達と交わって女児を産んでくれる女を望んだ!ならばイケメン好きで股の緩い女性の方がいい!故に私は吉田 真白を選んだのです!!!」
これはイケメン好きな吉田 真白にとっても悪い話ではない!
だから私は趙 藍蓮に吉田 真白を暁華国に召喚するように命じたのです!!!
これが本当のWin-Winの関係というものではありませんか!!!
世の中の女性の殆どはイケメンが嫌いな訳ではないと思うけど・・・こればっかりは当人の意見もあるから何とも言いきれないわね。
んっ?
王母娘娘は吉田さんだけではなく何で私も召喚したのかしら?
「水川 北斗。実は・・・貴女は巻き込まれただけなのです!」
やっぱりーーーっ!!!
「王母娘娘!貴女は女神なのですよね!?それでしたら今すぐ私を日本に帰して下さいよ!!!」
人間によって生み出された召喚術で呼び出した者を元の世界に戻す術はなくても、女神であれば出来るはずだと思った私は王母娘娘を問い詰めたわ。
「水川 北斗。巻き込まれたとはいえ吉田 真白と共に神仙に召喚された貴女は元の世界では存在していない人間扱いになっています。故に私の力を以てしても元に世界に戻す事は出来ないのです・・・」
「そんな!」
日本に帰れないという事実に私は泣いた。
そりゃもう心の底から泣いたわ。
〇田泣きしてしまったわよ!
「謝罪ではないのですが、貴女が巻き込まれて召喚された時に仙術・・・地球でいうところの魔法を授けました。暁華国の文明はそうですね・・・仙術を生活に活用しているので二十一世紀の都会の利便性に慣れている貴女でも快適に過ごす事が出来るかと思いますわ」
違う!
私が言いたいのはそういう事じゃない!!!
日本に帰りたいのよ!!!
「無理なものは無理なのですから諦めて下さい。幸いな事に暁華国はイケメンの宝庫。水川 北斗、神仙を正常な世界に戻す為に貴女も吉田 真白のように多くのイケメンに溺愛されて女児を多く産んで下さいな♡」
仙術だけではなく貴女の寿命も神仙の人間と同じように二百年にしておきましたし、私の加護を受けている証として額に桃の花の痣、そして永遠の処女という能力を授けました
これからの人生、楽しんで下さいね♡
「王母娘娘ーーーっ!!!」
私に伝える事だけ伝えた王母娘娘はさっさと天界に帰ってしまったわ・・・・・・。
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