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前編
しおりを挟む白銀の髪に緋色の瞳
女と見紛うばかりの端正な顔立ち
細マッチョという表現がぴったりの身体つき
ノーブルな雰囲気と男の色香
「自分で言うのも何だけど・・・吸血鬼=耽美というイメージなだけあってジョナサンってすっげーイケメンだわ」
鏡に映る自分の顔を眺めている青年がボソッと呟く。
青年はジョナサン=ロシュフォールといい、ロシュフォール家の当主にして生粋の吸血鬼だ。
但し、ジョナサンには他の吸血鬼と異なる点が一つだけあった。
彼は日本のサラリーマンとして生きていた前世の記憶を持っている事である。
休みの時は動画を見たり、ネット小説を読んだり、ゲームをしていたごく普通のサラリーマンだったのだが、異世界もののお約束といえばいいのか。
いや、飲酒運転+スピード違反していた車に牽かれて死んだのだからこの場合はテンプレではないのかも知れない。
とにかく、事故で死んでしまった彼は【Bloody Lover】に似た異世界に転生した。
吸血鬼・ジョナサン=ロシュフォールとして──・・・。
さて、【Bloody Lover】がどのようなゲームなのか、簡単に説明したいと思う。
【Bloody Lover】は主人公のジョナサンが惚れた女性を落とす恋愛シミュレーションゲームだ。
ジョナサンが惚れる女性は四人。
国王の愛妾であるミナーヴァ、王太子妃であるローズマリー、公爵子息の夫人であるジャスミン、そして彼女達三人を攻略した後に登場するシスティーナだ。
ミナーヴァ、ローズマリー、ジャスミンは簡単に落とす事が出来る。
だって、彼女達はチョロインにして、下手で短小包茎な旦那に不満を持っているから。
しかし、ラスボスとでもいうべきシスティーナは違う。
良家の娘だが修道院で育ったからなのか、チョロイン達と比べると彼女は清楚で貞淑。そして、何と言ってもガードが固い。
しかも、システィーナには【雷帝】という二つ名を持つヴェルターというヴァンパイアハンターの恋人がいるのだ。
システィーナを落とす時、ジョナサンはヴェルターを倒さなければならないのだが、先にも述べたように彼女の恋人はヴァンパイアハンターである。
(・・・・・・うん。ヴェルターと戦う事になったら間違いなく死ぬわ)
ジョナサンの前世はサラリーマン。
当然、戦いの経験などない。
だが、ヴェルターに勝たなければ本命であるシスティーナを落とせない訳で──・・・。
ジョナサンは努力した。
そして、死ぬ思いで頑張った。
努力の甲斐があったのか、何とか戦う術を身に付けたジョナサン。
(文章にすると僅か二・三行だからさらっと流せるけど、実際は何年もかかっているんだぞ!)
次にジョナサンは、ロシュフォール家の当主として自分がやるべきことを考える。
(まずは、治安と経済の活性化だな。そして・・・)
何と言っても美女を囲って俺だけのハーレムを作る!!
ハーレムを目標にジョナサンは更に血の滲む努力をするのだった。
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