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2話
しおりを挟む公爵家にはミーシャというお嬢様が居るのだけど、奥様との間に男児が出来なかったから婿養子を取るという形でお嬢様に跡を継がせる事になっているの。
そんな旦那様と奥様がミーシャお嬢様の婚約者に選んだのが、貧乏だけど由緒があり優秀な人物を輩出している伯爵家の次男であるランディ様。
良く言えば線が細くて華奢な青年。
悪く言えば貧相な身体つきの青年・・・一言で言えば受けね。
ミーシャお嬢様の好みって実は筋骨隆々な男性。
ランディ様のように華奢な男性って好みじゃないのよ。
でも、ミーシャお嬢様はご自分が公爵家を背負う立場である事を理解しているのか、出会って間もない頃は未来の夫であるランディ様と仲を深めようとしていたのだけど・・・・・・肝心のランディ様が
『お前の価値は公爵家の娘であるという事だけだ!』
『何故、父上と母上は私の結婚相手にお前のように家柄しか取り柄のない女を選んだのか』
『お前は私の婚約者なのだから常に私を立てるんだ!』
『貧相な身体のお前が側に居るだけで私の価値が下がる!!』
という風にミーシャお嬢様と顔を合わせる度にそういう感じのセリフを口にしては邪険に扱っているの。
ランディ様はミーシャお嬢様を何の取り柄もない女だと言っているけど、そんな事ないわ!
公爵家の娘として自分の役目を果たそうと努力をしているし、ご自分が公爵になった時の事を考えて平民の生活を知る為にちゃんと領地の視察をして少しでも暮らしが良くなる為に何をすればいいか旦那様と話し合っているもの!
それに・・・何と言ってもミーシャお嬢様は私達の趣味に理解を示してBLに萌えているだけではなく、お忍びで年に二回の即売会に参加する腐女子仲間!!
・・・・・・ミーシャお嬢様を腐海に引き摺り込んだのは私を含むメイド達なんだけどね。
腐女子な私達が生涯仕える主だと思っているミーシャお嬢様をランディ様が嫌っているのか?
ランディ様ってミーシャお嬢様のようにスレンダーではなく、グラビアアイドルのように胸が大きい女性が好みなの。
だから自分の好みとは大きくかけ離れているミーシャお嬢様を嫌っている訳。
他人の好みに私がどういう言う権利がない事は分かっているけど・・・それだけじゃないのよ。
何と!
ランディ様はミーシャお嬢様以外の女性とお付き合いしているのよ!
その女性はケリーという男爵家の令嬢で、HかIカップはありそうな立派なメロンを持っている小柄なピンク頭。
可愛いけどアホ面で中身もアホ。
ミーシャお嬢様に隠れて付き合っているという可愛げのあるものではなく、ランディ様は堂々とケリーを公爵家に連れ込んでラブホ代わりにしていやがったのよーーーっ!!!
部屋の掃除をする為に腐女子仲間と一緒に屋敷を歩いていた時に、偶然とはいえランディ様とケリーがエロ同人誌の展開を繰り広げられているところを目の当たりにしてしまった私はどうすりゃいいのよ!?
しかも!
あろう事か、ランディ様は私達にこう言ったのよ!!
皮を被っている粗チンと貧相な身体を堂々と晒しながら・・・。
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