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8話
しおりを挟む「き、気持ち悪い、よな?」
ヴィルヘルミナにそう告げたウォルフの姿は弱弱しく不安そうで───今にも泣きだしそうだった。
「ううん!ウォルフお兄ちゃんの金色の瞳って宝石のように綺麗だし、狼の耳と尻尾も・・・」
可愛い~♡
瞳を輝かせたヴィルヘルミナはウォルフの尻尾に頬を摺り寄せた。
モフモフ~♡
「ヴィルヘルミナは・・・俺が怖い、気持ち悪いと思わないのか?」
「全然!あたしにとってウォルフお兄ちゃんは優しくて綺麗で、お父さんよりも立派で何でも知っている大好きなお兄ちゃんなの!」
ウォルフが悪い狼だったら、自分を祖母の家まで送ってくれなかったはずだ。
それどころかあの花畑で自分を食べた後に祖母を襲って食べたはずだと、うっとりとした顔で尻尾を堪能している
ヴィルヘルミナは自分が思っている事を告げる。
今でこそ普通に人間社会に混じって暮らしているが、現代の柔軟な思考についていけない頭の固い一部の人間からは恐いや気持ち悪いと気味悪がられる事はあっても、可愛いや綺麗、優しいと言われたのはウォルフにとって初めてだったのだ。
「ヴィルヘルミナ・・・」
「何?ウォルフお兄ちゃん?」
「俺はヴィルヘルミナを妹としてではなく一人の女として見ている」
「?」
ウォルフの言葉の意味を理解出来ないヴィルヘルミナはキョトンとした表情で首を傾げる。
「だから、ヴィルヘルミナが大人に、十六歳になったら俺の番・・・嫁になってくれるか?」
「いいよ。大人になったらウォルフお兄ちゃんのお嫁さんになる!」
そう答えたヴィルヘルミナはウォルフに抱き着く。
(・・・っ!)
少女の甘い香りがウォルフの鼻腔を擽り、小さくて柔らかい身体が彼の中にある欲望と欲情を更に煽る。
「ウォルフお兄ちゃん?」
気が付けば床に押し倒されていたものだから、ヴィルヘルミナは自分に覆い被さっているウォルフの顔を不思議そうに見つめる。
「今からヴィルヘルミナを愛してもいいかな?」
ウォルフの言っている事は分からないが、優しくて綺麗で大好きなお兄ちゃんである彼なら自分を傷つけるような真似をしないはずだ。
「うん、いいよ・・・。でも、床の上は背中が痛いからベッドの上がいい」
「お姫様の仰せの通りに」
そう答えたウォルフはヴィルヘルミナを抱き上げるとベッドへと運ぶ。
※この話に出てくる番はオメガバース、獣人や竜とかを扱った話でよく目にする『本能が誰々を自分の番だと訴えている』や【魂の伴侶的】なものではなく自分の意志で選んだ伴侶という感じです。
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