乙女ゲームのヒロインであるらしいですが私はモブとして生きたいです

2.私は平凡で平和な人生を望みます-2-

「それに･･･貴女の元夫は既に別の女性と再婚していますし、ご子息達もその女性を母親として、ご子息達のお子様達も彼女を祖母と慕っていますのよ？」

　女媧は立体ホログラム？プロジェクションマッピング？的な感じで家族の現状を見せてくれたの。

　私の目の前には実家に帰って来たのかな？

　二十代半ばとなった息子の柊一と柊二が奥さんとなった女性と一歳になるかならないかの赤ちゃんを伴って夫の智之と、智之と再婚したと思しき女性と談笑しているものだったの。

　私亡き後、智之と柊一と柊二はどのように過ごしたのだろう？

　母として智之と一緒に柊一と柊二を助けたかった･･･

　智之と共に子供達の結婚を祝福したかった･･･

　義母として義娘となった彼女達と過ごしたかった･･･

　祖母として孫を抱きたかった･･･

「智之･･･柊一･･･柊二･･･」

　もう二度と会う事が出来ない事実に私は思わず泣いてしまったわ･･･。

「高屋敷　光。お詫びと言っては何ですけど、貴女を高屋敷　光として生きた記憶とスキルを持ったまま。それに加えて沈魚落雁とか閉月羞花といった言葉が似合う佳人として転生させますわ♡」

　それに･･･元の世界の家族なんてさっさと忘れて、この世界で新しい家族を作ればよろしいではありませんか♪

　どの英雄の伴侶になるのか･･･ゆっくり考えて下さいね♡

（新しい家族って･･･私にとって家族とは夫である智之と息子である柊一と柊二だけなのに･･･っ！）

　泣いた。

　私は泣いたわ。

　･･････泣いた事で訣別できたのかな？

　私はこれからどうすればいいのかを考えたの。

　女媧の言う通り、英雄の伴侶になるとしても･･･問題は誰を選ぶか？なのよね～。

　私はゲームに出てくる攻略対象者達と結ばれたヒロインがどうなるのかを思い出したわ。