追放された聖女はペットと一緒に田舎でスローライフを送る

白雪の雫

文字の大きさ
5 / 11

2.カメリアサイド-3-

しおりを挟む









 
 えっ?

 リオールの婚約者はヒロインではなくヒロインの姉だった?

 ゲームではブラウンマドレーヌ侯爵家の令嬢だったのに?

 これってバグなの?

 リオールは勘違いで聖女であるトレイシアを婚約者と思っていた?

 聖女になってしまったら生涯独身でなければいけない?

 聖女は結界石に魔力を注ぐ事で国を護る為の結界を張っている?

 清らかな乙女でなくなったら聖女は力を失う?

 聖女が結婚出来ない事は市井の子供でも知っている常識だ?

 故に聖女となったトレイシアは家族と患者以外の異性と接する事は禁じられている?

 聖女の周囲には常に見張り役のシスターが傍にいる?







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 えっ?

 結界石云々って何!?

 そんな設定、ゲームの攻略本には書いてなかったわ!!

 聖女は結婚出来ない!?

 ゲームでは、攻略対象者と結ばれたヒロインは子供を産んでいたわよ!?

 結婚と子供が出来たヒロインの喜びの余波でレモンチーズケーキ王国は繁栄したのよ!!

 自身の即位二十年を祝うパーティーを途中で切り上げてまで事の仔細を聞いた国王は当事者である攻略対象者達とあたし、そして攻略対象者達とあたしの家族を部屋に集めて教えてくれたの。

「リオール・・・お前のせいで当代の聖女であるトレイシア公爵令嬢はレモンチーズケーキ王国を出て行ってしまったではないか!!!」

 聖女が居るからこそ我が国は一年を通して作物が実り、水が枯渇する事はない。

 何より結界石に聖女が魔力を注ぐ事で国は結界によって護られ、災害級の魔物が襲ってくる事はないので民は安心して畑を耕す事が出来る。

 故にレモンチーズケーキ王国は自給率が高いだけではなく、他国に農作物を輸出出来るレベルで大麦に小麦、稲をはじめとする穀物に果物と野菜が豊作なのだと、国王は聖女の存在が国にとって如何に大切なのかを教えてくれたの。

「あ、あたしは聖女に匹敵する魔力を持っているし、魔法だって全属性使えます!だから・・・あたしこそが真の聖女です!!!」

 そうよ!

 ゲームのカメリアは悪役令嬢だけど、聖女候補に挙がるくらいに魔法の素質があるもの!

 幸いな事に、あたしは攻略対象者達を落としている。

 後は皆の前で魔法を使い、あたしこそが真の聖女だと認めさせるだけ。

 そうすれば聖女の清らかな姿と慈愛に満ちた姿に心を動かされたラインハルト様があたしを攫ってくれるわ!!!

「ラインハルト様が治める不毛なアケローン魔王国を豊かにする為に、あたしが真の聖女なのだと証明して見せますわ!!!」

 あたしが真の聖女だと証明する為に魔法を使おうとしたのだけど・・・初歩的な魔法すら使えなかったの。

 というより魔法が発動しなかったというのが正しいわね。

(・・・・・・・・・・・・)

 聖女を騙った事と、国にとって大切な聖女を追い出したあたし達は国王によって平民に落とされただけではなく、実家からも勘当されてしまったの・・・。





 自分でも知らないうちに魔法が使えなくなっていたあたしは生きていく為に、朝は宿屋の掃除、昼はパン屋、夜は居酒屋で働きながら、スラム街のボロアパートに暮らしている・・・。









しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ムカつく悪役令嬢の姉を無視していたら、いつの間にか私が聖女になっていました。

冬吹せいら
恋愛
侯爵令嬢のリリナ・アルシアルには、二歳上の姉、ルルエがいた。 ルルエはことあるごとに妹のリリナにちょっかいをかけている。しかし、ルルエが十歳、リリナが八歳になったある日、ルルエの罠により、酷い怪我を負わされたリリナは、ルルエのことを完全に無視することにした。 そして迎えた、リリナの十四歳の誕生日。 長女でありながら、最低級の適性を授かった、姉のルルエとは違い、聖女を授かったリリナは……。

無能と罵られた私だけど、どうやら聖女だったらしい。

冬吹せいら
恋愛
魔法学園に通っているケイト・ブロッサムは、最高学年になっても低級魔法しか使うことができず、いじめを受け、退学を決意した。 村に帰ったケイトは、両親の畑仕事を手伝うことになる。 幼いころから魔法学園の寮暮らしだったケイトは、これまで畑仕事をしたことがなく、畑に祈りを込め、豊作を願った経験もなかった。 人生で初めての祈り――。そこで彼女は、聖女として目覚めるのだった。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪

鈴菜
恋愛
あらゆる傷と病を癒やし、呪いを祓う能力を持つリュミエラは聖女として崇められ、来年の春には第一王子と結婚する筈だった。 「偽聖女リュミエラ、お前を処刑する!」 だが、そんな未来は突然崩壊する。王子が真実の愛に目覚め、リュミエラは聖女の力を失い、代わりに妹が真の聖女として現れたのだ。 濡れ衣を着せられ、あれよあれよと処刑台に立たされたリュミエラは絶対絶命かに思われたが… 「残念でした♪処刑なんてされてあげません。」

婚約破棄が私を笑顔にした

夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」 学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。 そこに聖女であるアメリアがやってくる。 フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。 彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。 短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。

悪役令嬢は伝説だったようです

バイオベース
恋愛
「彼女こそが聖女様の生まれ変わり」 王太子ヴァレールはそう高らかに宣言し、侯爵令嬢ティアーヌに婚約破棄を言い渡した。 聖女の生まれ変わりという、伝説の治癒魔術を使う平民の少女を抱きながら。 しかしそれを見るティアーヌの目は冷ややかだった。 (それ、私なんですけど……) 200年前に国を救い、伝説となった『聖女さま』。 ティアーヌこそがその転生者だったのだが。

馬鹿すぎる王子に婚約破棄され、国外追放が決まりましたので、しっかり復讐させていただきます。

冬吹せいら
恋愛
「マキナ・ティアベル! 貴様との婚約を破棄する!」  婚約者である王子に突然婚約破棄されたマキナ。  あろうことか、国外追放までされてしまった。  しかし、追放先でその国の王子を味方につけてから、華麗な復讐劇が始まる……!

処理中です...