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2.カメリアサイド-3-
しおりを挟むえっ?
リオールの婚約者はヒロインではなくヒロインの姉だった?
ゲームではブラウンマドレーヌ侯爵家の令嬢だったのに?
これってバグなの?
リオールは勘違いで聖女であるトレイシアを婚約者と思っていた?
聖女になってしまったら生涯独身でなければいけない?
聖女は結界石に魔力を注ぐ事で国を護る為の結界を張っている?
清らかな乙女でなくなったら聖女は力を失う?
聖女が結婚出来ない事は市井の子供でも知っている常識だ?
故に聖女となったトレイシアは家族と患者以外の異性と接する事は禁じられている?
聖女の周囲には常に見張り役のシスターが傍にいる?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
えっ?
結界石云々って何!?
そんな設定、ゲームの攻略本には書いてなかったわ!!
聖女は結婚出来ない!?
ゲームでは、攻略対象者と結ばれたヒロインは子供を産んでいたわよ!?
結婚と子供が出来たヒロインの喜びの余波でレモンチーズケーキ王国は繁栄したのよ!!
自身の即位二十年を祝うパーティーを途中で切り上げてまで事の仔細を聞いた国王は当事者である攻略対象者達とあたし、そして攻略対象者達とあたしの家族を部屋に集めて教えてくれたの。
「リオール・・・お前のせいで当代の聖女であるトレイシア公爵令嬢はレモンチーズケーキ王国を出て行ってしまったではないか!!!」
聖女が居るからこそ我が国は一年を通して作物が実り、水が枯渇する事はない。
何より結界石に聖女が魔力を注ぐ事で国は結界によって護られ、災害級の魔物が襲ってくる事はないので民は安心して畑を耕す事が出来る。
故にレモンチーズケーキ王国は自給率が高いだけではなく、他国に農作物を輸出出来るレベルで大麦に小麦、稲をはじめとする穀物に果物と野菜が豊作なのだと、国王は聖女の存在が国にとって如何に大切なのかを教えてくれたの。
「あ、あたしは聖女に匹敵する魔力を持っているし、魔法だって全属性使えます!だから・・・あたしこそが真の聖女です!!!」
そうよ!
ゲームのカメリアは悪役令嬢だけど、聖女候補に挙がるくらいに魔法の素質があるもの!
幸いな事に、あたしは攻略対象者達を落としている。
後は皆の前で魔法を使い、あたしこそが真の聖女だと認めさせるだけ。
そうすれば聖女の清らかな姿と慈愛に満ちた姿に心を動かされたラインハルト様があたしを攫ってくれるわ!!!
「ラインハルト様が治める不毛なアケローン魔王国を豊かにする為に、あたしが真の聖女なのだと証明して見せますわ!!!」
あたしが真の聖女だと証明する為に魔法を使おうとしたのだけど・・・初歩的な魔法すら使えなかったの。
というより魔法が発動しなかったというのが正しいわね。
(・・・・・・・・・・・・)
聖女を騙った事と、国にとって大切な聖女を追い出したあたし達は国王によって平民に落とされただけではなく、実家からも勘当されてしまったの・・・。
自分でも知らないうちに魔法が使えなくなっていたあたしは生きていく為に、朝は宿屋の掃除、昼はパン屋、夜は居酒屋で働きながら、スラム街のボロアパートに暮らしている・・・。
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