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3.ラインハルトサイド-6-
しおりを挟む一線を越えてからというもの、余はトレイシア殿を堪能するようになった。
勿論、結界と防音と幻惑魔法、トレイシア殿が目覚めないように睡眠魔法をかけた上で、だ。
おかげで余は燻りと欲求不満を溜め込まずに気分爽快!
トレイシア殿から女の色香というものが感じるようになっている。
トレイシア殿とゴールドフィナンシェ王国の田舎で暮らすようになってから一年の月日が過ぎた頃であろうか。
月のものがこなくなったり、胸の辺りのサイズがきつくなっていたり、胸がムカムカしたり、食べ物の好みが変わってしまったという風に体調の異変がトレイシア殿の身に起こっていた。
「・・・何かの病気にでも罹ったのかしら?」
己の身に何が起こったのか不安に感じたトレイシア殿は村で唯一の診療所で診て貰う事にした。
「ワタアメ。実は・・・私ね、赤ちゃんが出来たのですって!!!」
戻ってきたトレイシア殿は『子供が出来た』と余に報告したのだ。
「キャン!キャン!キャン!」
余にとって初めての我が子と呼べる存在。
もしかしたら初めてこの腕に抱く事が出来るかも知れぬ存在。
嬉しくないはずがない。
余は思わず、まだ膨らんでもいないトレイシア殿の腹に頬を摺り寄せてしまったのだ。
「もしかして・・・・・・これは処女受胎、だったりする?或いは宇宙人による交配実験?」
違うぞ。
トレイシア殿が子を宿したのは処女受胎でもなければ、宇宙人による交配実験でもない。
余と交わった結果だ。
「ここは神様や精霊の息吹というものを肌で感じる事が出来る異世界。何が起こっても不思議ではないわ」
男性と付き合っていない私に突然子供が出来たのは恐怖でしかないけど・・・それでも結婚と家族を作る事を諦めていた私に何かの縁で授かったのだから子供を産んで育てたいの
「私にとって新しい家族なの。ワタアメ、赤ちゃんを護ってね」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「えっ?ワタアメってアケローン魔王国の魔王・・・弟君のリーンハルト殿に位を譲ったのだから今は元魔王と言うのが正しいのか。で、先王ラインハルト陛下なの!?」
「魔王だから植物の種のようなものを子宮に埋め込んで子供を作るのかと思っていたわ!」
「それ・・・植物系と虫系の魔物のやり方だから」
その後、真相を打ち明けた事で二人は互いの心が満たされる情を交わし、本当の意味で夫婦となる───。
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