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3.ラインハルトサイド-5-
しおりを挟む余とトレイシア殿はゴールドフィナンシェ王国を目指していたのだが・・・・・・トレイシア殿と出会う前の余であれば堪えられた。
だが、己との子を成す事が出来る唯一の女性と出会い触れた事で二度と断ち切れぬ薬に溺れて中毒になってしまった患者のようになってしまった今の余には旅の間だけとはいえ、トレイシア殿に触れる事が出来ないという事実は堪えられぬ!
しかし・・・元魔王である余は何とか禁断症状を堪えた。
旅の間はトレイシア殿を襲わなかった自分を自分で褒めたい気分だ。
・・・・・・それもゴールドフィナンシェ王国に到着するまでであったが。
野営であったが故に休めなかったからであろうな。
宿屋で寝入ってしまったトレイシア殿を余は襲ったのだ。
結界と防音と幻惑魔法、トレイシア殿が目覚めないように睡眠魔法をかけているから、部屋の中で起こっている事は誰も気づいておらぬ。
一線を越えぬ形で、余は朝までトレイシア殿を堪能したぞ。
「おはよう、ワタアメ」
「キャン!」
「今日は随分と機嫌がいいわね。ワタアメにも野宿は辛かったのね」
やはり野宿は自分だけではなくワタアメにとっても辛かったとトレイシア殿は思っているようだが、それは違う。
トレイシア殿に触れた事で余の昂りは解消されたから気分が良いのだ。
とはいえ、やはり最後の一線を越えておらぬからなのであろうな。
余はまだ燻っているのだ。
「ワタアメと暮らす家を買う為に頑張って働くわね」
「キャン!」
・・・・・・本当の意味でトレイシア殿と触れる為にも、生きていく為の金銭を稼ぐ為にも、ここは余も協力するしかあるまい。
元聖女と元魔王が行動を共にするのだ。
雑用系クエスト、討伐系クエスト等、簡単にこなせるに決まっているではないか。
結果、トレイシア殿は田舎で一軒家を買う事が出来たのだ。
「ワタアメ。今日は診療所で治癒師として働く事が決まった事と、家を手に入れる事が出来た祝いをするわよ」
「キャン!」
公爵令嬢なのに料理が作れるのは、聖女として修道院で暮らしてきたからであろうな。
トレイシア殿の手料理を堪能したぞ。
「ワタアメ~・・・」
祝いという事で良質のワインを飲み過ぎたのであろうな。
酔ってしまったトレイシア殿は・・・寝入ってしまった。
「クゥ~ン・・・」
ラインハルトよ。本当の意味でトレイシア嬢を我がものとなさい
天啓に導かれた余は・・・遂にトレイシア殿と一線を越えた───。
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