9 / 11
3.ラインハルトサイド-4-
しおりを挟む余はトレイシア殿に、本当の意味での家族を与えたい。
だが、どうすれば良いのであろうか?
国を護る為に結界石に己の魔力を注いだり、孤児院の子供達に文字の読み書きと計算を教えたり、診療所に訪れた・・・特に重傷な患者を優先的に治療したりして疲れてしまったのか、ちょっとやそっとの物音でも目を覚まさないレベルで寝入ってしまっているトレイシア殿の寝顔を見た余は欲求不満が溜まっていた事もあり・・・・・・本来の姿に戻って寝込みを襲う事にした。
結界と防音と幻惑魔法、トレイシア殿が目覚めないように睡眠魔法をかけた上で、だ。
聖女という立場など関係なく余はトレイシア殿を気に入っているし、何よりトレイシア殿は余に匹敵する魔力を有している!
神は余に告げているのだ。
トレイシア殿との間に子を成しなさい
───と。
勿論、トレイシア殿は生娘であるから最後までしておらぬぞ?
使ったのは口唇だけだ。
最後の一線を越えないように気を遣っていたのだが・・・トレイシア殿に触れる度に、日を追う毎に昂りを抑えきれなくなってしまった余は口唇だけではなく手と胸を使うようになってしまったのだ!
完全とは言えぬが余の欲求不満も解消されるし、トレイシア殿も清楚な中にも色香を感じる雰囲気を纏うようになったのであるから、互いに損はしておらぬ。
余がトレイシア殿で欲求不満を解消するようになって三ヶ月か四ヶ月が過ぎた頃であったかな?
レモンチーズケーキ王国の国王が即位して二十周年を祝うパーティーが王宮で催される事になった。
「ワタアメ、私の所にパーティーの招待状が届いたの。結婚出来ない私にしてみればパーティーなんて意味がないのに、聖女だから出席しないといけないなんて・・・」
王国側としては、聖女としてトレイシア殿に出席して欲しいのであろうな。
「キャンキャン!」
「これも社会人としての勤めだから出席するしかないのよね~」
溜め息を漏らしながらトレイシア殿は王宮に向かったのだが、二刻も経たぬ内に戻ってきたのだ。
「クゥ~ン?」
トレイシア殿の話によると、何でも真の聖女であるカメリア=ブラックカフェ公爵令嬢を虐めたという罪で、顔だけが取り柄のレモンチーズケーキ王国の王太子であるリオールとやらに国外追放を言い渡されたらしい。
「ブラック企業の使い捨てでしかない聖女を辞めたかったから国外追放はいい機会だわ。私と一緒に隣国・・・ゴールドフィナンシェ王国に行く?」
「キャン!」
華やかなドレスから動き易い旅人の服に着替えたトレイシア殿は、育った修道院を捨てて新天地を目指す事にしたのだ。
46
あなたにおすすめの小説
ムカつく悪役令嬢の姉を無視していたら、いつの間にか私が聖女になっていました。
冬吹せいら
恋愛
侯爵令嬢のリリナ・アルシアルには、二歳上の姉、ルルエがいた。
ルルエはことあるごとに妹のリリナにちょっかいをかけている。しかし、ルルエが十歳、リリナが八歳になったある日、ルルエの罠により、酷い怪我を負わされたリリナは、ルルエのことを完全に無視することにした。
そして迎えた、リリナの十四歳の誕生日。
長女でありながら、最低級の適性を授かった、姉のルルエとは違い、聖女を授かったリリナは……。
無能と罵られた私だけど、どうやら聖女だったらしい。
冬吹せいら
恋愛
魔法学園に通っているケイト・ブロッサムは、最高学年になっても低級魔法しか使うことができず、いじめを受け、退学を決意した。
村に帰ったケイトは、両親の畑仕事を手伝うことになる。
幼いころから魔法学園の寮暮らしだったケイトは、これまで畑仕事をしたことがなく、畑に祈りを込め、豊作を願った経験もなかった。
人生で初めての祈り――。そこで彼女は、聖女として目覚めるのだった。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪
鈴菜
恋愛
あらゆる傷と病を癒やし、呪いを祓う能力を持つリュミエラは聖女として崇められ、来年の春には第一王子と結婚する筈だった。
「偽聖女リュミエラ、お前を処刑する!」
だが、そんな未来は突然崩壊する。王子が真実の愛に目覚め、リュミエラは聖女の力を失い、代わりに妹が真の聖女として現れたのだ。
濡れ衣を着せられ、あれよあれよと処刑台に立たされたリュミエラは絶対絶命かに思われたが…
「残念でした♪処刑なんてされてあげません。」
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
悪役令嬢は伝説だったようです
バイオベース
恋愛
「彼女こそが聖女様の生まれ変わり」
王太子ヴァレールはそう高らかに宣言し、侯爵令嬢ティアーヌに婚約破棄を言い渡した。
聖女の生まれ変わりという、伝説の治癒魔術を使う平民の少女を抱きながら。
しかしそれを見るティアーヌの目は冷ややかだった。
(それ、私なんですけど……)
200年前に国を救い、伝説となった『聖女さま』。
ティアーヌこそがその転生者だったのだが。
馬鹿すぎる王子に婚約破棄され、国外追放が決まりましたので、しっかり復讐させていただきます。
冬吹せいら
恋愛
「マキナ・ティアベル! 貴様との婚約を破棄する!」
婚約者である王子に突然婚約破棄されたマキナ。
あろうことか、国外追放までされてしまった。
しかし、追放先でその国の王子を味方につけてから、華麗な復讐劇が始まる……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる