乙女ゲームに転生した男の人生

白雪の雫

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②ヒロイン・カサンドラ-2-











 【煌々たる愛】は、オスマン帝国の宮殿を彷彿とさせるロードライト帝国のハレムを舞台にしたR-18の乙女ゲームで、故郷を滅ぼされ女奴隷となってしまったヒロインが、カルロスの後宮に入ったところからストーリーが始まる。
 攻略対象者は皇帝のカルロス、近衛騎士団長のギュスターヴ、宰相のエンディミオン、側小姓のゼフュロスの四人だ。
 このゲームはR-18だが、後宮で生きて行く為に欠かせないスキルを上げるミニゲームもあったりする。
 そのスキルとは、料理・菓子作り・裁縫・舞踊・詩歌管弦・礼儀作法・閨房等──・・・。
 ミニゲームで己のスキルを磨きつつ攻略対象者達の好感度を上げていくのだが、彼等と一切接触を持つ事なくスキルアップだけに力を入れてしまえば、ヒロインは後宮を出ていく形になってしまう。
 その後、ヒロインは一番レベルが高かったスキルを活かした平民として生きて行く事になる。
 料理のスキルが高かったら料理人、菓子作りのスキルが高かったら菓子職人、裁縫のスキルが高かったら仕立て屋、舞踊であれば踊り子、詩歌管弦のスキルが高かったら音楽家、礼儀作法のスキルが高かったら教師という風に生きて行くのがノーマルエンド。
 悪役寵妃と悪役令嬢による数々の嫌がらせを乗り越え、攻略対象者と結ばれ正式な妻となるのがグッドエンド。
 だが、このグッドエンドというのが中々の曲者だ。
 カルロスをはじめとする攻略対象者達は、淑女としての仮面を被り作り物の笑みしか見せない寵妃と婚約者よりも天真爛漫に振る舞うヒロインに心を奪われるのだが、同時に彼等はカサンドラに対して寵妃と婚約者と同じレベルの女性としての教養とスキル、そして淫乱さを求めている。
 天真爛漫さを失う事なく尚且つ女性のスキルを高めないと、攻略対象者の正妻になるというグッドエンドに辿り着かないのだ。
 ノーマルエンドと同様に簡単に見られるのがバッドエンドである。
 攻略対象者の妾の一人になる、他のスキルは低レベルで閨房だけが異様に高いと後宮を追い出されて娼館に売り飛ばされる娼婦エンドがバッドエンドに該当する。
 ノーマルエンド、グッドエンド、バッドエンドの全てを見ると、攻略対象者全員に愛されるという逆ハーエンドへと進む事が出来るのだが難易度が高く、好感度の上げ方と選択肢を間違えてしまうと監禁エンド、凌辱エンド、飼育エンド、だるまエンド、薬漬けエンド、精神崩壊エンド、人形エンド、殺害エンド、食人エンドのどれかにランダムで進んでしまうのだ。
(俺様なカルロス、クールビューティーなエンディミオン、爽やかなアスリートタイプのギュスターヴ、ショタ系なゼフュロスもいいけど・・・・・・やっぱり逆ハーエンドを達成したら登場する隠しキャラのアイドネウス様よね~♡)





 無駄にエロい歩く18禁な容貌と声、才能と財力





 全てにおいて攻略対象者など足元にも及ばないレベルでハイスペックなのだ。
 そんなアイドネウスも、神話では一夜の契りを交わしたA国の王女とB国の王妃がロードライト帝国の始祖となる何某という英雄を産んだだの、C国の王妃が戦争の切っ掛けになった絶世の美女を産んだだの、ある水の精霊が水の精霊王を産み落としただのという風に言われているが、事実は大いに異なる。





 海神の子孫より天空神の子孫の方がカッコよくね?





 アイドネウスが天空神であるが故に、後世の人々が己の権威づけと正当性を訴える為に、当時の皇家や王家が自分達の祖先を彼の子供として神話や物語を書き換えたのだ。
 事実、アイドネウスには我が子と呼べる者など一人として存在しない。
 本命に対して物凄く一途なアイドネウスにしてみれば、名誉棄損で訴えるだけではなく、 。(*^▽^*)ゞな気分で己の子孫を自称する各国を滅ぼしてもいいレベルである。

 話が少しずれてしまったので元に戻す。
 簡単に言えば農家の娘であるカサンドラが、成り上がる為に女性としてのスキルを上げつつイケメン達と結ばれるところを楽しむ。
 それが【煌々たる愛】という乙女ゲームなのだ。
 現世はカサンドラという美少女だが、前世は飯田 萌子というOLだった彼女は、このゲームをプレイしており、美麗なスチルとムービー、そして攻略対象者達のイケボに夢中になっていた。
 そんな彼女の推しがアイドネウスだったのだ。
 (早く【山賊襲来】が起こってくれないかな~?)
 生まれ故郷である村は滅ぼされ、歯向かう者は容赦なく殺される。
 そして、若い娘は奴隷として売られてしまうが、これも全ては自分が女神になる為に避けて通れない道なのだ。





 自分の真の人生の始まりが訪れる時が早く訪れますようにと、カサンドラは祈る。







感想 1

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