乙女ゲームに転生した男の人生

白雪の雫

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⑨もう一人の転生者-3-

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 エステティシャンだった頃とは異なり、マイアが健康的な生活を送っていたある日
 彼女が住んでいる村に山賊が襲ってきたのだ。
 ラノベでは目的地に向かう途中に立ち寄った高ランク冒険者が、或いは幾つもの特典を貰った転生者が村を襲う山賊を皆殺しにするのがお約束であったりするのだが、そのような展開になるはずがなく、力のない老人と子供は殺され、マイアを含む年頃の子供と働き盛りの男達は奴隷として売られる事になってしまった。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆










 船に揺られてロードライト帝国へと送られたマイアは、一糸纏わぬ姿で奴隷市場の舞台に立っていた。
 両手で胸元と恥部を隠し恥ずかしそうにしているマイアを買ったのは、カルロスに仕えるゼフュロスである。
 教育係から教育を受けたマイアはカサンドラと同じ日にカルロスの側室候補として後宮に入ったのだが、寵姫や正式に側室となった女奴隷達のように飛び抜けた美人でなかったからなのか、或いはヒロインのように愛くるしい顔立ちとちっぱいの持ち主でなかったからなのか───皇帝のお手付きにならなかった。
 普通であれば皇帝の目に留まらなかった事を嘆くか、皇帝に気に入られようと策を練るのだが、カルロスルート限定であるとはいえ、ヒロインの企みを承知の上で女性としての全てを備えているだけではなく民衆にも慕われ人気がある妃と優秀な息子を殺したカルロスを嫌っているマイアにとって、これは幸運以外の何物でもないのだ。
 (ゲームではアストライアーがカルロスの寵妃で、第一皇子はプロメテスだったのだけど・・・・・・)
 実際はモノローグでしか語られていないフローラが寵妃、第一皇子がエピメテスという、ゲームと違う点に戸惑いと疑問を抱きながらも攻略対象者以外の有望な男に下賜される日を夢見ながら、マイアは侍女の一人としてフローラに仕える日々を送っている。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆










 凛子の転生体であるマイアがフローラの侍女としての日々を送っている頃
 「・・・・・・一度も身に着けずに箪笥の肥やしになるのが目に見えているわね」
 ボディーソープや保湿クリームといった美容化粧品をお得意様の一つである娼館に届け終えた後、女将の紹介で色街のランジェリーショップに立ち寄ったミストレイン。
 勢いと店の雰囲気に乗せられて買ってしまったセクシーランジェリーを前に、もっと大人しいデザインのものにすれば良かったかな?と腕を組んで悩んでいた。





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