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㉔ミルク煮-5-
しおりを挟む「これは・・・!?」
透き通った色をしているスープはシンプルだ。だが、そのスープにはコクだけではなく肉と野菜の味を感じさせる深みがあった。
「このスープには、肉と野菜の旨味が溶けている、のか・・・!?」
「豚肉は柔らかくてジューシーで。人参とじゃがいもにスープが染み込んでいるから味が付いて食べ易くなっている」
「私、生まれて初めて豚肉を食べましたけど・・・こんなに美味しかったのですね」
それまで黙って二人の話を聞いていた、苺を思わせる鮮やかな赤い髪を持つ化粧の濃い女が声を上げた。
女はロスワイゼといい、アルバートの幼馴染みにして妻である。
「スープがこれだけ美味いのだから、鱸の方も期待出来そうだな」
そう言ったアルベリッヒは鱸をナイフで食べやすい大きさにカットしていく。
「鱸といった魚はそのままだと淡泊だという理由で香辛料を舌が麻痺するくらいに使っているからなのか、口に入れるのも辛かった。しかし、これは違う。牛乳で作った円やかでクリーミーなコクのあるソースと適度に感じる塩の味のおかげで・・・食べる事が出来る」
「パンにこのソースを浸けて食べると・・・美味しいですわよ」
ロスワイゼの言葉に従い、三人がパンにソースを浸けて食べてみた。
ソースに浸けた事でパンが柔らかくなっているだけではなく、何より香辛料を多く使っていないという事実が四人の食を進めるのだ。
「・・・成る程。お前さんがサユキちゃんを貴族の養女にしようと奔走する訳だ」
戦う術と料理の腕を身に付けている異世界人
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「しかし・・・何でサユキちゃんは魔法が使えないのかねぇ?」
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「平和な世界で生きていた先代のロードクロイツ侯爵夫人とローゼンタール公爵夫人には魔法が付与され、戦う事が出来るサユキ殿には魔法が与えられなかった・・・という事なのでしょうか?」
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