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㊹ミルクセパレーター-15-
しおりを挟む体温より少し高めに温めた牛乳を上部に付いている容器に注いだレイモンドがハンドルを回す。
あっ
「上の管と下の管から牛の乳が出てきているわ」
「上の管から出てきている牛の乳はトロっとしているな」
「トロっとしているのが脂肪分ことクリームという奴じゃな」
「ベルンハルト兄上。これ、車輪が付いているから楽ですね」
幼い頃、ミルクメイドが細長い樽に注いだ搾りたての乳を棒で攪拌して生クリームやバターに加工するのに苦労していた姿を見た事があるレイモンドが素直に道具の使い心地の感想を口にする。
「ベルンハルト兄上。必要な素材さえあれば魔道具が作れると言っていましたけど、それって何なのです?」
「風の魔石だ」
それを組み込んだ魔道具はハンドルを回さなくても、ミキサーのようにボタンを押せば注いだ乳が攪拌され管から出てくるのだと教える。
「魔石?それって川辺とかに落ちている石に火や水といった属性の魔力を込めるのは駄目なのですか?」
「紗雪殿。異世界人である貴女は知らなくて当然だが、そこら辺の石は魔力を通しにくいからそれぞれの属性の魔力が籠もり難いんだ」
長い年月をかけて自然の力が結晶化した天然の魔石は魔法使いが魔力を込めなくてもそのまま使えるが、希少価値が高いだけではなく、天然の要塞と呼ばれるような険しい難所や火山の頂上付近、海底や湖底にあるので入手するのが難しい。
そこで当時の・・・今より百数十年前から二百年ほど前になるが当時の魔道具製作者が思いついたのが、ミスリルや水晶といった透明な天然石にそれぞれの属性の魔力を込めた魔石を魔道具に組み込む事だった。
「ミスリルや水晶の色を見れば、どんな属性の魔力が籠もっているのか?どれくらいで魔力が切れてしまうかが一目で分かる」
火の魔石は光を帯びた赤色、水の魔石は光を帯びた水色という風にな
ベルンハルトが紗雪に魔石について教える。
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
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そして、ロードクロイツは乳を使った料理と菓子が発展していくのだった。
余談であるが、ミルクセパレーターを登録する際、商業ギルドへと向かっていたベルンハルトは愛用している渦巻の入った瓶底眼鏡をかけ忘れていた。
その為、擦れ違った際にベルンハルトの姿を見てしまった女性のみならず、瞳に♡マークが浮かんでいた商業ギルドの女性職員達から秋波を送られる破目になるのだった。
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