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53.近藤 茉莉花という女-2-
しおりを挟む「あの阿婆擦れ、やはり成り上がり者の子供だったのね」
道理で成り上がり者特有の卑しさと育ちの悪さが全身から滲み出ていたのだと、エレオノーラが呟く。
「聖女は救国の英雄ではなく、人の皮を被った獣そのものではないか!」
そのような人間を聖女と認定しただけではなく、王太子妃として迎えようとしているエドワードの気持ちが理解出来ないと、紗雪から茉莉花の事を聞いたディートヘルムが思わず声を上げる。
「エドワード王太子殿下も聖女と似た者同士ですから気が合うのでしょう」
「な、成る程・・・」
ランスロットの一言にディートヘルムは顔を引き攣らせるしかなかった。
「それで?サユキ嬢は話を聞く限り、生きているだけで害を齎す存在でしかない聖女に対してどのように罰するのか決めたのか?」
例えば・・・闘技場で聖女を一方的に甚振るとか?
それだと弱い者虐めになってしまうな
「或いは、ローゼンタール公爵夫人の魔法を打ち消した後鬼という式神で聖女を血祭りに上げるとか?」
「レイモンド、戦いの素人である近藤さん達に対して後鬼を使うなんて霊力の無駄使い以外の何物でもないわ。聖
女と聖女の取り巻きと化している男達の中で眠っている霊感を無理やり目覚めさせるの」
そうすれば茉莉花の腰に抱き着いている赤子の霊をはじめとする、王宮を彷徨っている霊を視る事で彼等は怯える筈だ。
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「今まで見えなかったゴーストやレイスが見えるようになると言うのは、霊感がない者にとっては恐怖以外でしかないじゃろうな・・・」
巫女にして退魔師である紗雪だからこそ出来るやり方だと、クリストフが呟く。
聖女対策の方向性が決まったからなのか、張りつめていた客室の空気が安堵に覆われる。
「ロードクロイツ卿。貴殿等も疲れたであろう。今宵はゆるりと身体を休めてウィスティリア王国へと行くがよい」
クリストフ陛下は#王宮__ここ__で吉報を待たれるがよろしいでしょう
「ディートヘルム陛下のご厚情に感謝する。だが、儂はレイモンド殿達と同行して聖女がどのような結末を迎えるのか見届けたいのじゃ!」
それ・・・単なる出歯亀なんじゃ・・・
胸を張って主張するクリストフに、ディートヘルム達が心底呆れ果てた表情を浮かべて心の中でツッコミを入れるのだった。
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