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56.お子様ランチ-6-
しおりを挟むアデルが操る荷馬車に乗る事半日
バロニス村を発った頃は朝だったのに、アデル親子がロードクロイツに着いた頃は昼から夜へと移り変わるかのように、空は青色と茜色のグラデーションとなっていた。
今夜一晩泊まる宿屋に荷馬車を預けたアデル達は、大急ぎで目的地であるカフェ・ユグドラシルへと向かう。
「ルーク、トレーシー。あの店だよ!・・・待って!待って下さい!あたし達は客です!!」
球体の中心に大樹が描いている看板の下に【Cafe Yggdrasill】という文字が書いていたので、その店がカフェ・ユグドラシルなのだと分かったアデルは、看板を持って店に入ろうとしている銀髪の長身男性に向かって叫んでいた。
「おっちゃん!俺達・・・お子様ランチを食べに来たんだ!!」
「こらっ!ルーク、おっちゃんと言っちゃ駄目でしょうが!!」
「そうよ!いい男に対して『おっちゃん』呼ばわりした兄ちゃんって失礼よ!!」
(お、おっちゃん!?俺、まだ三十になっていないのに!?)
グサッ!
(来年には三十になって子持ちな俺は、子供から見ればもう『おっちゃん』なのか・・・)
三十ブロンズが入った革袋を差し出しながらルークが言い放った『おっちゃん』という言葉に傷ついてしまった、銀髪の長身男性ことレイモンドは思わず遠い目になってしまっていた。
「当店へお食事しにきたお客さまでしたか。カフェ・ユグドラシルは本日の営業が終了しましたので明日にお越し下さい・・・・・・と言いたいところですが、遠路はるばるお越し下さったお客様を追い返すのもまた失礼」
お子様ランチを出す事は出来ませんが、給仕達が厨房で食べる賄いでよろしければお出ししますよ
本来であれば閉店時間なので客を招き入れないのだが、今のルークの姿にレイモンドは、冒険者として初めて手にした報酬で屋台の料理を買った時の自分を重ねてしまったのかも知れない。
レイモンドはアデル達に料理を振る舞う事にした。
「ありがとう、おっちゃん!」
「「あ、ありがとうございます!!!」」
このまま宿屋に帰って明日の朝食用として準備していたパンとチーズを食べるしかないと思っていた三人はレイモンドに頭を下げて礼を告げる。
※その頃の紗雪はレオルナードに乳を飲ませたり、色々話しかけたりして遊んでいます。
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