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57.オークキングの肉とカボチャ-11-
しおりを挟む※レオルナードに食べさせているカボチャプリンには砂糖が入っていません
「レオルくん、美味しい?」
「うまうま♡」
「レオルくんがうまうまと言ってくれて、ママ嬉しい♡」
「えへへ~」
離乳食として作ったカボチャプリンを天使のような笑みを浮かべてご機嫌なレオルナードに紗雪が食べさせている頃
セバスティアンとジゼルがカフェ・ユグドラシルに来ていた。
二人の目的はシフォンケーキを楽しむ為だ。
「シフォンケーキってどのようなケーキなのでしょうか?楽しみですわね、セバスティアン殿下」
「そうだな」
朝食の時に出されたカボチャプリンは、カボチャの素朴な甘さと滑らかな食感を楽しめて美味しかったので追加で注文してしまったくらいだ。
二人は期待に胸を膨らませながら、紗雪が昨日言っていたカボチャのシフォンケーキを待っていた。
「お待たせしました。カボチャのシフォンケーキです」
給仕であるメアリアが、談笑しているセバスティアンとジゼルが居るテーブルにカボチャのシフォンケーキとカフェオレを持ってくる。
シフォンケーキには紅茶が合うというのがレイモンド個人の意見なのだが、肝心の茶葉が手に入らないのでこればかりは諦めるしかなかった。
紗雪のネットショップを使えばいいじゃない!
確かに紗雪のスキルを使えば紅茶の茶葉は簡単に手に入る。
だが、家族以外の者からロードクロイツに流通していない食材の出所を詮索されたくないのでカフェ・ユグドラシルでは紅茶をメニューに加える事が出来ないのだ。
「シフォンケーキとは・・・果物やクリームでデコレーションする前のケーキの土台をそのまま出す料理だったのだな」
「そうみたい、ですわね・・・」
「だが、あの店長と女将がケーキのスポンジをそのまま出すとは思えない」
何かしらの工夫をしているのだと考えたセバスティアンとジゼルは、一口大の大きさに切ったカボチャのシフォンケーキを食べ始める。
((!?))
「このケーキ・・・ふわふわで羽のように軽い食感をしていますわ!」
「しっとりとしているのに、雲を思わせるかのような柔らかいケーキが舌の上で溶けていく・・・」
ほんのりと甘く、柔らかくてきめ細かい生地をしているシフォンケーキに二人はうっとりとしながら舌鼓を打っていた。
「あら?・・・お皿にあったはずのケーキが消えてしまいましたわ!?」
自分でも気付かぬうちにシフォンケーキを綺麗に平らげてしまった事に気が付いたジゼルが声を上げて驚く。
「ジゼル、もう一皿頼もうか?」
「はい」
朝食の時と同様に一皿だけでは物足りなさを感じていたセバスティアンが給仕に声を掛けてカボチャのシフォンケーキを注文する。
「店長、朝食のデザートとして食べたカボチャプリンだけではなく先程のシフォンケーキも非常に美味だった」
「お褒め頂きまして光栄です」
自分と妻が作った料理を褒められた事実に、レイモンドはセバスティアンに感謝の言葉を告げる。
「店長殿が作る料理はどれも美味しいですけど、私は特にシフォンケーキが気に入りました!」
「私はカボチャプリンが気に入りました!」
「これは私の我が儘だと分かっているのですけど・・・シフォンケーキをメニューに加えて下さい!!」
ジゼルが頭を下げてレイモンドに頼み込む。
(・・・・・・・・・・・・)
まさか客にそのような事をされるなんて夢にも思っていなかったレイモンドは思わず呆気に取られ言葉を失っていた。
「お客様にそこまでされたらメニューに加えないといけませんね」
カボチャの収穫は夏から秋なので季節限定になってしまうが、プレーンのシフォンケーキであれば可能だとレイモンドが二人に告げる。
「店長殿・・・」
レイモンドの一言に秋にしかシフォンケーキを食べる事が出来ないと思っていたジゼルは晴れやかな笑みを浮かべるのだった。
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