カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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62.豆腐-10-

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 「クリームチーズに豆腐を混ぜているから豆腐独特の匂いがするのだと思っていたけど・・・感じないのね」

 軽い口当たりだから食べ易いと、美奈子は目の前にある豆腐スイーツを綺麗に平らげていく。

 「私が知っているティラミスはココアパウダーを振りかけたものしかなかったけど、紗雪さんが居た時代の日本にはキャラメルをかけたものや、きな粉を振ったものがあったのね」

 マスカルポーネチーズで作るティラミスを豆腐とクリームチーズで作った事に、自分が居た頃の日本と比べたら食文化が随分と進んだのだと、もし現代日本に戻ったら間違いなく浦島太郎の気分になると美奈子が軽口を叩く。

 「はい。ココアパウダーの代わりに苺ソースやマンゴーソース、抹茶やほうじ茶をかけたものもありますね。それに、今回は作りませんでしたけど、スイーツ系では豆腐ドーナツに豆腐プリン・・・それからアイスクリームもありましたよ」

 (アイス、クリーム?)

 「ねぇ、サユキさん?アイスクリームという言葉が聞こえたのだけど・・・私の気のせいかしら?」

 今日の試食で何故アイスクリームを出してくれなかったの?

 暖かい部屋で食べる冬のアイスクリームは、夏に食べるアイスクリームとは違った趣と風情があるのよ?

 そういえばエレオノーラの大好物はアイスクリームだった!!!

 エレオノーラからアイスクリームに対する執念を感じ取ったレイモンドと紗雪は身体を震わせながら互いに抱き合う。

 「エ、エレオノーラ?アイスクリームについては後で問えばいいとして・・・レイモンド、紗雪殿。私達を招いてまで豆腐料理を試食させた理由を話してくれないか?」

 「父上、実は・・・」

 豆腐を使った料理を広めたいのだが個人では限界があるので皆の力を借りたい事や、大豆の搾りかすとでもいうべきおからの活用法を考えて欲しい等

 以前から考えていた事を二人は打ち明ける。









※後にロードクロイツとシュルツベルクで豆腐屋が出来ます。
その時に出るおからはパウダーにする。スイーツにパン、ぼかしてから肥料、石鹸を作るという感じで活用、鰹節はシュルツベルクで作る鰹の燻製で解決(?)、これを切っ掛けに鯖節も作るようになります。
これって新たな事業で人を雇用しているから経済が動いているという認識でいいのかな?
今回の試食会でレイモンドと紗雪はベルンハルトにソフトクリーム製造機、かき氷機、インスタントカメラの魔道具を作って欲しいとお願いしており、グスタフ達は作る事を承諾します。でも、ここら辺の遣り取りは料理と関係ないのでカットしています。









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