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閑話6・夏のバイト-7-
しおりを挟む「お話は真由美さんから伺っております」
到着した四人と健太を瑞宝寺の副住職である尊清が出迎え、庫裡へと案内する。
「真由美さんの話によれば立ち入り禁止の場所に足を踏み入れてしまった芳恵さんと紗雪さんには、そこに居た霊が見える。そして一時的とはいえ紗雪さんのお祓いで見えなくなったとの事ですが、お二人には今も見えていますか?」
「見えるというより・・・何かを引っ搔いているような音が聞こえています」
ひぃっ!
「元の場所に戻したというのに自分が見える人間が居たという事実が嬉しいのでしょうね。結界を張っている本堂には踏み込めないけど周辺を三体がうろついていますよ」
短い悲鳴を上げる芳恵と紗雪の言葉に恐怖を感じた真由美と涼香がヒシっと抱き合う。
「・・・・・・これは思っていたよりも深刻な事態になっていますね。今から四人の御祈祷を始めましょう」
紗雪と芳恵の話を聞いた尊清は四人を堂へと連れて行く。
・堂に籠っている間は一言も言葉を発してはいけない
・飲み食い禁止
・眠ってはいけない
・懐中電灯や蝋燭のように堂を照らす灯になるものの持ち込み禁止
・スマホの持ち込み禁止
・朝になるまで外に出てはいけない
「これだけは絶対に守って下さい。それと、もしどうしてもトイレが我慢出来ないのであればこれで済ませて下さい」
尊清は四人に防災グッズの一つである非常用トイレを手渡す。
「紗雪さん、貴女にお聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか?」
「何でしょう?」
「貴女の一時的なお祓いで芳恵さんに憑いていた三体の霊は彼女から離れた。その気になれば成仏させる事が出来たのではありませんか?」
「それはどうでしょう?仮に私が成仏させたとしても此度の件は根本的な解決にはなりませんし、新たな犠牲者を出すのは火を見るよりも明らかです。術者を潰す。それだけが被害を最小限に抑え且つ新たな犠牲者を生まない唯一の手段です」
「・・・・・・確かにそうですね。私達は芳恵さんに憑いている三体を祓う事に全力を尽くします」
ですから紗雪さん。貴女が三人を護って下さい
「私に三人を護れるかどうか分かりませんが・・・いざという時はもう一度私が祓いますよ」
尊清にそう答えた紗雪は真由美達と共に堂へと籠もる。
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