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7話
しおりを挟む「記憶を失くして混乱している私を宥めた後、お父さん達が神主さんと何か話したみたい」
何を話したのか分からないけどね
「ふ~ん・・・」
「そうだ!初詣なんだけどさ」
初詣に着ていく振袖や待ち合わせ場所について話した後、これからバイトに行くとだけ言った桜子はファストフード店を出て行った。
これが千晶にとって桜子を見た最後の日だった。
初詣に行く当日、時間になっても桜子は待ち合わせ場所に来なかったのだ。
脳筋なところはあるが時間はきっちり守る桜子が来ないものだから千晶はスマホで連絡を入れるのだが、留守電になっている。
家の固定電話だったら父親か母親のどちらかが出るのではないか?と思った千晶は電話を掛けた。
電話に出たのは桜子の母親で、新年を迎えたと同時に何かに操られたかのようにふらっと出て行ったのだという。
「そう、ですか・・・」
泣き叫ぶ母親の声をスマホ越しに聴きながら千晶は思った。
〇〇〇というお兄さんが用意してくれた料理を口にした事で、自分が聞き取れなかった地名を発音できるようになった桜子。
彼女は既に異世界の住人になってしまったのではないだろうか?
〇〇〇というお兄さんはおそらく神様であろう。
桜子が言った二十歳は誕生日で、〇〇〇というお兄さんは数え年で二十歳と捉えた。
神様に見初められてしまった桜子は新年を迎えて二十歳になったから〇〇〇というお兄さんが〇〇〇村へと行くようにと導いたのだろう。
「桜子ちゃん・・・」
もう二度と会えなくなった桜子が異世界で幸せな人生を送れるようにと思いながら、千晶は一人で初詣に向かうのだった。
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