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第十三話 無色の俺と仕事探しギルドの輪舞
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『お腹が空きました』
「聞いた、さっきも聞いた、その前も聞いた」
『私は異なる世界でも稼働できるように設計されています。ですが想定よりも動力を供給できる素材がないと私は感じております。その辺りをどう感じておられますか、現アトラスの持ち主である、マスター』
アルデバランの街中を歩きながら、耳の後ろの皮膚と重なるようにくっついているアトラスから、不満そうなアトラの声が届く。
マリアベルの屋敷を後にした俺とシエロは、アルデバランでギルドを探していた。ギルドに入れば仕事は手に入るし、成功すれば報酬を受け取れるからだ。
しかしその矢先、アトラスは度重なる連続的な大仕事により、動力源が底をつきそうだという。今では片腕だけの戦闘も難しいだろう。
「とは言ってもアトラスは何を動力源にしてるんだ」
『何でもです。この世界にある物すべてが動力源となります。物理的な意味でもありますし、精神的な概念を捕食することも可能です』
「概念ってお化けとか?」
冗談交じりに聞いてみたら、
『可能です。アストラル体として捕食できます。グロウスを取り込めるのもそれが理由でしょう』
ですが、とアトラは続ける。
『どれも動力としては微々たるものです。地平線を突破し、異世界ランディングポイントから遥か彼方への跳躍。そしてグロウスの冷凍保存。これではいざというとき、本領発揮は不可能かと』
「ふむ、戦闘が増えるならば補給は最優先か……」
どんな戦も補給を絶たれたら戦えないのは確かだしな、急務ではある。悩みながら飲食店が並んでいる通りを歩いていると、ぐううと大きな腹の音が鳴った。
勿論俺ではない。
「シ、シエロじゃ——ないよ!」
俺の隣を歩く極彩色の魔女は頬を赤らめながら、上目遣いで激しく手をばたつかせる。そして目に入った飲食店を見て、目の中に星をキラキラと輝かせながら、もう一度腹の虫を泣かせた。
『お腹が空きました』
「お腹が空いたんだよお」
シエロとアトラが同時に呟く。面識ないくせに息合わせやがって。だが二人が言うことも確かだ。アトラスの補充も必要だし、俺たちの補給も必要だ。
うーむと顎を撫で、やはり俺たちの金が優先だろうと考える。
正直なところ、アトラスの補給は現段階では解決策が出ない。だが俺たちはギルドに向かえば金が手に入る。金が手に入れば当面の命の保証はある。
決定。すぐにギルドに向かおう。
「悪いなアトラ、もう少し異世界の自然を満喫しててくれ」
『承知しかねますが、承知しました。これ以上の環境破壊は生態系の変化を招きますので、近くの洞窟にて高純度な素材を期待して潜ります』
「悪いな、俺たちも落ち着いたら、燃料探すからさ」
『ええ、洞窟内に彷徨える騎士の亡霊が出ると噂が広がる前に宜しくお願いいたします』
「善処するよ」
アトラはそこで言葉を切った。本体であるアトラスは、この異世界のどこかでダンジョン探索を始めるとこだろう。
「さてこちらも頑張るとするか」
石造りの街を練り歩き、着いた先は博物館みたいな立派な造りの神殿だった。入り口の看板には「ハローワークギルド」と書かれている。
あ、ちなみにアトラスの一部が網膜に貼りついてるから、翻訳してくれてるのであしからず。多分無茶で無理やりな翻訳をアトラはしている。
「異世界にきても転職活動か、いやな響きだ」
シエロと神殿内に踏み込むと、中は大理石でできているのかオリンポス大神殿のようだった。オリンポス大神殿は一度も行ったことないが、俺のイメージはまさにこの建物だ。
「「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょう」」
総合窓口に座っている、二人の髪の長いお姉さんが同時に俺へ声をかける。
「えっと仕事を探してるんですが……」
「「承知しました、それでは——」」
二人は同時に喋って、同時にシエロに目を向ける。
「な、なんなんだよ?」
「「いえ、お父様と職探しとは、けなげな良い子です。あちらの角を右に曲がりますと相談員がおりますのでそちらへどうぞ」」
「はあ、ありがとうございます」
シエロがいるせいで、子持ちの無職親父みたいな目で見られたよ……いや、部分的には合ってるんだけど。
「「言い忘れました」」
二人のお姉さんに呼び止められて、俺は足を止める。
「「ここはお子さんを預ける施設はございません。もしよろしければ私たちが、その子と遊んでましょうか?」」
「あー……そうだな。シエロ、これから俺は仕事を探すために相談員と話をしてくる。少しの間あの人たちと待っててくれるか? 多分暇だと思うし」
シエロは目を二、三回しばたかせ、少し考えてからこくりと頷いた。
「頑張ってきてね、そうじろう。毎日何もしないでもお金が沸いてくるような仕事見つけてくるんだよ!」
俺もそんな仕事見つけたいわとの表情は出さず、シエロを二人のお姉さんに預け、俺は相談員の元へと向かった。
「俺が知ってるギルドと違うな。ギルドってもっとこう、ファンタジーな感じだと思ってたけど、完全にハローワークだわ」
辿り着いた部屋はそこそこ広い部屋で、木のベンチが等間隔に並ぶ。相談員は木で仕切られた窓口で職探しをしている人間と会話していた。
ファンタジーっぽいのは、相談している人間が剣や弓をしょってるという点だけだ。
「次の方ー、こちらあいてますよー」
遠くで声がしたので他に誰もいかないことを確認して、俺はその窓口へと向かった。
「宜しくお願いします」
挨拶をして席に座ると、目の前には六十代くらいの厳しい顔したおじさんが座っていた。
「はい、宜しくね。あー、貧相だねえ、鍛えてる?」
「はあ、まあ」
「じゃ、名前良いかな」
「義贋総司郎です」
「ギガン、ソウジロウね。変わった名前だ、国は何処」
「日本です、東北の方」
「はあ、聞いたことないねえ、俺はここから出たことがないからねえ」
なんで聞いたよ、と思いつつもハハハと笑う。
「それでどんな仕事に就きたいの。歳はいくつ?」
「三五です。仕事の方はまだあんまり分からなくて」
「はあ、三五? だめだめ、三五で無職なんて。仕事の事もしっかり考えなきゃだめだよお」
「ええ、仰る通りです」
「義贋さんだっけ? これまでは何してきたの」
「これまでは大学を卒業後、大手広告代理店に勤務しておりましたが、一身上の都合により一年で退職。その後、中小企業を転々としながら、最近までは訪問販売員をやっていました」
「訪問販売ねえ……義贋さん、全然ダメだね。それじゃやってけないよお? その細身じゃ剣を持ったこともないだろ? 嫁さんはいるの?」
「いえ、いませんが、食わせていかなきゃいけない奴は——阿保みたいに食べるやつらが二人います」
「奥さんに逃げられた上によく食べる小さい子供二人もいるのか、そりゃ可哀そうだ。義贋さん、あんたもっとしっかりしなきゃダメだろ、子供たちの為に!」
「ええ、仰る通りで」
なんで俺は異世界に来てまでおっさんに説教食らっているんだ……鹿も嫁さん逃げられたと思われてるのが悲しい。
「あーでもねえ、そのなりじゃ、まっとうなのは紹介できねえかなあ」
おじさんは指に唾を付けてから、手元の束を何枚かめくる。
「なんか特技はないの、特技でもないとハローワークギルドから紹介できないよ」
「特技ですか、特技——習字?」
首をひねって出てきたのは小学三年生の時だけ通っていた習字教室の名残だった。
「字を書けるのか、書けないよりはいいが最近じゃ普通じゃねえか。じゃあ得意なことはないのか、走るとか狩りが得意とか」
「特異な事……エクセルは出来る方でしたかね。グラフ作成とか、基本的な事は一通り。あとパワーポイントで資料作成」
「表計算? 資料作成? ほお、そいつは凄いな」
俺を完全に何もできない中年だと認識していたのか、エクセルとパワーポイントと聞いた途端に感嘆の声を上げる。おいアトラ、変な翻訳してないだろうな。なんかおっちゃん、生き生きとしてきやがったぞ。
「よし、んじゃ最後だ。好きなことはあるか?」
「そうですね——」
好きな事、好きな事。毎日朝から晩まで働いて、家に帰れば数時間だけ寝る日々。食べ物を作る気力もなく、毎日コンビニ食。そんな俺に好きな事なんてあったのだろうか。
その時の俺にはなかったのだろう。でも今は好きなことかもしれない、これが。
シエロの笑顔が脳裏をよぎった。
「人の笑顔ですね」
「おっし、そうこなくっちゃ!」
おじさんは指をパチンと鳴らし、俺に一枚の紙を押し付けた。
「ここに行きな、ぎがんさんにぴったりのぎるどを紹介してやる。そこで話を聞いて、試験を受けて、しっかりと子供二人を食わせてくんだ。俺も子供がいるが、子供ってのは頑張る原動力にだな——」
「あ、ありがとうございます」
話がとても長そうだったので、感謝の気持ちを述べて、紙を受け取りすぐさまその場を走り抜ける。
ひとしきり離れたところで抱きかかえた紙をしっかりと見つめた。
さて、相談員のおじさんは俺にどんなジョブを進めてくれたのか。
剣士か、格闘士か、はたまた弓使いか。マリアベルが口にしていた魔獣使いなんて言うのもファンタジーぽくて楽しそうだ。
高鳴る胸の鼓動を聞きながら、目に入った言葉は。
「行商人ギルドへのご案内……だと?」
戦闘職ですらなかった。
第十三話 無色の俺と仕事探しギルドの輪舞
「聞いた、さっきも聞いた、その前も聞いた」
『私は異なる世界でも稼働できるように設計されています。ですが想定よりも動力を供給できる素材がないと私は感じております。その辺りをどう感じておられますか、現アトラスの持ち主である、マスター』
アルデバランの街中を歩きながら、耳の後ろの皮膚と重なるようにくっついているアトラスから、不満そうなアトラの声が届く。
マリアベルの屋敷を後にした俺とシエロは、アルデバランでギルドを探していた。ギルドに入れば仕事は手に入るし、成功すれば報酬を受け取れるからだ。
しかしその矢先、アトラスは度重なる連続的な大仕事により、動力源が底をつきそうだという。今では片腕だけの戦闘も難しいだろう。
「とは言ってもアトラスは何を動力源にしてるんだ」
『何でもです。この世界にある物すべてが動力源となります。物理的な意味でもありますし、精神的な概念を捕食することも可能です』
「概念ってお化けとか?」
冗談交じりに聞いてみたら、
『可能です。アストラル体として捕食できます。グロウスを取り込めるのもそれが理由でしょう』
ですが、とアトラは続ける。
『どれも動力としては微々たるものです。地平線を突破し、異世界ランディングポイントから遥か彼方への跳躍。そしてグロウスの冷凍保存。これではいざというとき、本領発揮は不可能かと』
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どんな戦も補給を絶たれたら戦えないのは確かだしな、急務ではある。悩みながら飲食店が並んでいる通りを歩いていると、ぐううと大きな腹の音が鳴った。
勿論俺ではない。
「シ、シエロじゃ——ないよ!」
俺の隣を歩く極彩色の魔女は頬を赤らめながら、上目遣いで激しく手をばたつかせる。そして目に入った飲食店を見て、目の中に星をキラキラと輝かせながら、もう一度腹の虫を泣かせた。
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「お腹が空いたんだよお」
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うーむと顎を撫で、やはり俺たちの金が優先だろうと考える。
正直なところ、アトラスの補給は現段階では解決策が出ない。だが俺たちはギルドに向かえば金が手に入る。金が手に入れば当面の命の保証はある。
決定。すぐにギルドに向かおう。
「悪いなアトラ、もう少し異世界の自然を満喫しててくれ」
『承知しかねますが、承知しました。これ以上の環境破壊は生態系の変化を招きますので、近くの洞窟にて高純度な素材を期待して潜ります』
「悪いな、俺たちも落ち着いたら、燃料探すからさ」
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「善処するよ」
アトラはそこで言葉を切った。本体であるアトラスは、この異世界のどこかでダンジョン探索を始めるとこだろう。
「さてこちらも頑張るとするか」
石造りの街を練り歩き、着いた先は博物館みたいな立派な造りの神殿だった。入り口の看板には「ハローワークギルド」と書かれている。
あ、ちなみにアトラスの一部が網膜に貼りついてるから、翻訳してくれてるのであしからず。多分無茶で無理やりな翻訳をアトラはしている。
「異世界にきても転職活動か、いやな響きだ」
シエロと神殿内に踏み込むと、中は大理石でできているのかオリンポス大神殿のようだった。オリンポス大神殿は一度も行ったことないが、俺のイメージはまさにこの建物だ。
「「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょう」」
総合窓口に座っている、二人の髪の長いお姉さんが同時に俺へ声をかける。
「えっと仕事を探してるんですが……」
「「承知しました、それでは——」」
二人は同時に喋って、同時にシエロに目を向ける。
「な、なんなんだよ?」
「「いえ、お父様と職探しとは、けなげな良い子です。あちらの角を右に曲がりますと相談員がおりますのでそちらへどうぞ」」
「はあ、ありがとうございます」
シエロがいるせいで、子持ちの無職親父みたいな目で見られたよ……いや、部分的には合ってるんだけど。
「「言い忘れました」」
二人のお姉さんに呼び止められて、俺は足を止める。
「「ここはお子さんを預ける施設はございません。もしよろしければ私たちが、その子と遊んでましょうか?」」
「あー……そうだな。シエロ、これから俺は仕事を探すために相談員と話をしてくる。少しの間あの人たちと待っててくれるか? 多分暇だと思うし」
シエロは目を二、三回しばたかせ、少し考えてからこくりと頷いた。
「頑張ってきてね、そうじろう。毎日何もしないでもお金が沸いてくるような仕事見つけてくるんだよ!」
俺もそんな仕事見つけたいわとの表情は出さず、シエロを二人のお姉さんに預け、俺は相談員の元へと向かった。
「俺が知ってるギルドと違うな。ギルドってもっとこう、ファンタジーな感じだと思ってたけど、完全にハローワークだわ」
辿り着いた部屋はそこそこ広い部屋で、木のベンチが等間隔に並ぶ。相談員は木で仕切られた窓口で職探しをしている人間と会話していた。
ファンタジーっぽいのは、相談している人間が剣や弓をしょってるという点だけだ。
「次の方ー、こちらあいてますよー」
遠くで声がしたので他に誰もいかないことを確認して、俺はその窓口へと向かった。
「宜しくお願いします」
挨拶をして席に座ると、目の前には六十代くらいの厳しい顔したおじさんが座っていた。
「はい、宜しくね。あー、貧相だねえ、鍛えてる?」
「はあ、まあ」
「じゃ、名前良いかな」
「義贋総司郎です」
「ギガン、ソウジロウね。変わった名前だ、国は何処」
「日本です、東北の方」
「はあ、聞いたことないねえ、俺はここから出たことがないからねえ」
なんで聞いたよ、と思いつつもハハハと笑う。
「それでどんな仕事に就きたいの。歳はいくつ?」
「三五です。仕事の方はまだあんまり分からなくて」
「はあ、三五? だめだめ、三五で無職なんて。仕事の事もしっかり考えなきゃだめだよお」
「ええ、仰る通りです」
「義贋さんだっけ? これまでは何してきたの」
「これまでは大学を卒業後、大手広告代理店に勤務しておりましたが、一身上の都合により一年で退職。その後、中小企業を転々としながら、最近までは訪問販売員をやっていました」
「訪問販売ねえ……義贋さん、全然ダメだね。それじゃやってけないよお? その細身じゃ剣を持ったこともないだろ? 嫁さんはいるの?」
「いえ、いませんが、食わせていかなきゃいけない奴は——阿保みたいに食べるやつらが二人います」
「奥さんに逃げられた上によく食べる小さい子供二人もいるのか、そりゃ可哀そうだ。義贋さん、あんたもっとしっかりしなきゃダメだろ、子供たちの為に!」
「ええ、仰る通りで」
なんで俺は異世界に来てまでおっさんに説教食らっているんだ……鹿も嫁さん逃げられたと思われてるのが悲しい。
「あーでもねえ、そのなりじゃ、まっとうなのは紹介できねえかなあ」
おじさんは指に唾を付けてから、手元の束を何枚かめくる。
「なんか特技はないの、特技でもないとハローワークギルドから紹介できないよ」
「特技ですか、特技——習字?」
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「字を書けるのか、書けないよりはいいが最近じゃ普通じゃねえか。じゃあ得意なことはないのか、走るとか狩りが得意とか」
「特異な事……エクセルは出来る方でしたかね。グラフ作成とか、基本的な事は一通り。あとパワーポイントで資料作成」
「表計算? 資料作成? ほお、そいつは凄いな」
俺を完全に何もできない中年だと認識していたのか、エクセルとパワーポイントと聞いた途端に感嘆の声を上げる。おいアトラ、変な翻訳してないだろうな。なんかおっちゃん、生き生きとしてきやがったぞ。
「よし、んじゃ最後だ。好きなことはあるか?」
「そうですね——」
好きな事、好きな事。毎日朝から晩まで働いて、家に帰れば数時間だけ寝る日々。食べ物を作る気力もなく、毎日コンビニ食。そんな俺に好きな事なんてあったのだろうか。
その時の俺にはなかったのだろう。でも今は好きなことかもしれない、これが。
シエロの笑顔が脳裏をよぎった。
「人の笑顔ですね」
「おっし、そうこなくっちゃ!」
おじさんは指をパチンと鳴らし、俺に一枚の紙を押し付けた。
「ここに行きな、ぎがんさんにぴったりのぎるどを紹介してやる。そこで話を聞いて、試験を受けて、しっかりと子供二人を食わせてくんだ。俺も子供がいるが、子供ってのは頑張る原動力にだな——」
「あ、ありがとうございます」
話がとても長そうだったので、感謝の気持ちを述べて、紙を受け取りすぐさまその場を走り抜ける。
ひとしきり離れたところで抱きかかえた紙をしっかりと見つめた。
さて、相談員のおじさんは俺にどんなジョブを進めてくれたのか。
剣士か、格闘士か、はたまた弓使いか。マリアベルが口にしていた魔獣使いなんて言うのもファンタジーぽくて楽しそうだ。
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