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とある探偵
しおりを挟む現代社会において、探偵と言うのはあまり有名な職業ではない。
たまに警察の手伝いをする事務所所属の人物としか印象が持たれていない。
実際、その通りだ
そんな中でも探偵を選んだ2人の人物が居た
1人は、永夢 夜空
明夜探偵事務所に所属している
呼び名は夜空、夜、黒
黒髪で長髪のウルフカット…
常にサングラスをかけているのは、目の「無のような黒」を隠すため
顔立ちは整っているが、表情は無感情か微妙な嘲笑
基本、無駄な感情を表に出さない。笑っていてもそれは“演技”の可能性が高い
子供を抱くときも、感情ではなく「必要だから抱く」という態度すら見せる
ダラけてる癖に嘘吐きで、そのサングラスの奥にあるのは光の無い瞳だった
しかし、その蹴りは自分を馬鹿にした者の顔面を叩き潰すと言う…
嘘吐きと言えば夜空と言われるほど嘘が完璧だ
軽い嘘から誰もが騙されるような嘘まで、全ての嘘を使い分けている
本当の嘘吐き
紅城 朱音
同じく明夜探偵事務所に所属している者の1人だ
呼び名は朱音、朝、赤
黒髪の長髪で後ろでまとめている
胸が大きくスタイル抜群
基本ノーメイク。たまにシトラス系の香水を軽くつける。
着用しているのはスマートサングラス型の分析機器(AI搭載)
観察力・推理力ともにトップクラス。だが「ちょっとズルい」手法も好む
表向きはかなり真面目で誰に対しても親切な奴だ
だが本当の顔は嘘吐きで家ではダラシなく、夜空が居ないと直ぐにごみ屋敷になる毒舌な奴だ
日常会話でも平然と嘘を混ぜるが、ウソで人を傷つけることは滅多にない
夜空に比べれば嘘の技術は劣るが、決して嘘が下手な訳では無い
夜空にしか見抜けない嘘なども吐いている
これはそんな嘘吐き探偵の2人が巻き込まれた
不思議な物語だ
_____________
探偵事務所のドアが、バタン、と荒々しく開く音がした。
その音を皮切りに、今日もこの事務所に静けさなど訪れることはない。
朱音「おーい黒、またあんた私のカップ使ったでしょ。中にポテチの粉まみれのまま放置とか、どういう神経してんのよ?」
ソファに寝転がっていた黒のジョーカー――永夢 夜空は、サングラス越しに片目だけを開けた。
夜空「俺のじゃない。……赤、お前が自分で使ったんだろ?忘れてるだけで」
朱音「は?アンタしかいないでしょ、そんな小学生みたいな言い訳する奴!」
夜空「それ、さっきのセリフまるっとお前にも返すわ」
朱音「……んだとコラ、立て。表出ろ」
夜空「事務所の中でやれよ。めんどくせぇ」
――喧嘩、開始。
その日も、椅子が倒れ、書類が舞い、万年筆が宙を飛び、二人の蹴りが空間を交差した。
そして同時に、誰もが知っている「この探偵事務所のタブー」が発動する時間帯に突入したのだ。
※タブーその一:
「2人が喧嘩している時は、絶対に話に割り込むな」
※タブーその二:
「探偵事務所に入る時は、ノックをしろ。特に2人が喧嘩している時は」
※タブーその三:
「夜空がダラけていても叩き起こすな」
※タブーその四:
「朱音が下着姿で事務所内を歩いていても驚くな」
最後の二つのタブーに関しては意味が分からないが最初の二つのタブーに関しては絶対に守らなければいけない…
しかしそれを知らず、新人の事務員が無邪気にドアを開けた――
ドゴォンッ!!
新人「……ッごめんなさぁぁぁいッ!!!」
飛んできたのは、赤のジョーカーの左の回し蹴りと、黒のジョーカーの踵落とし。
見事に両方の怒りを買った新人は、奇跡的に避けきったものの、資料の束をぶちまけて退却していった。
夜空「……朝。加減しろって。新人が消えるぞ」
朱音「アンタが蹴らなきゃ、私の蹴りで終わってたのよ、夜」
夜空「そもそも、お前の蹴りが速すぎる」
朱音「うるさい。何よ、自分が遅いの棚に上げて」
夜空「……へぇ」
朱音「……なによ、その顔。やんの?」
夜空「望むところ」
――そしてまた、喧嘩が始まる。
だが誰もが知っている。
この喧嘩こそが、明夜探偵事務所の朝の始まりであり、今日も彼らが“平常運転”であるという証明だ。
やがて、鳴り響く電話。
「……あ、仕事来たわよ、黒」
「……赤。さっきの蹴りの件は、あとでな」
「仕事終わったら、表でやってやるわ」
――こうして、2人の1日は喧嘩とともに始まり、
そしてきっと、また喧嘩とともに終わる。
そんな2人が世界を渡る異変に巻き込まれるのは
もう少し先の話………
続く…
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