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第八魔法;黒髪の武者と赤髪の奏者 上
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私は今、大聖堂へ続く扉の前に立っている。今朝、カルトのフクロウが手紙を持ってきてくれた。その手紙に、お姉さんとの待ち合わせ場所が書かれていた。今時、フクロウで手紙を届けるなんて、キザな奴だ。
「オプード・アザン」
今度はちゃんと、トに濁点をつけて詠唱出来た。これから先、ずっとこの魔法を使うたびに、”あの”恥ずかしい出来事を思い出すのは勘弁してほしい。大聖堂はあまり人に使われないせいか、扉がギシギシ音を立てて開いた。
「わぁ…。」
思わず声が漏れるほど、綺麗な場所だった。白レンガで出来た床は、真っ直ぐ伸びていた。真っ直ぐ伸びている道の先には、円形の広いフロアがあった。天井は、壁が無いと思えるほどの星空が広がっていた。幻覚魔法でも使っているのだろうか?こんな素敵な道を進める機会は、滅多にないと思う。真っ直ぐ伸びている白レンガの道を進む。左右に植えてある、生垣の葉を触りながら。
「あなたがチャミスさんか?」
そんな声が聞こえたのは、円形のフロアに着いた時だった。大聖堂は全体的に灯りが少ないため、まだ声の主の姿はハッキリと見えない。でも、真ん中に置いてあるガーデンベンチに誰かが座っているのは見える。
「は、はい!私がチャミスです。今日はありがとうございます。」
先輩にあたる人だから、ここは行儀良くしないと。
「カルト、もう友達が出来たんだ…。」
その声には、安心したような、寂しそうな気持が混ざっていた。
「さて、何を私に聞きたい?」
その言葉をアンさんが言ったとき、星の光がアンさんの顔を照らした。赤髪で、そばかすのある顔だった。流石姉弟と言うべきか、カルトの面影がある。
「どうして黒髪の魔界人が作った魔法を使うのは、あまり良くないんですか?」
アンさんが少し考えてから、私に問った。
「なぜそんなことを聞く?」
えーっと、どう答えるのがベストだろうか。頭の中で、久しぶりにリズミールが特別出演する。
「ここは、正直に今までの経緯を話した方が良いでしょうか?」
(私にとても似ている)記者が質問する。
「いえ、彼女は黒髪を何故か嫌っています。もし、彼女の耳にも黒髪の子たちが”あの”魔法を使ったという話が届いていれば、話が聞けなくなる可能性があります。」
リズミールさんからありがたいお言葉を頂いている最中に、後ろからゴトッ、っという音がした。まったく、こんな時に雑音を入れるなんて。そう思いつつ、後ろを見ると、赤毛の少年がいた。新人記者のカルトだ。
「チャミス!ここに居たのか…。」
「どうしたの?今、大事なトコなんだけど。」
ホントに困る奴だよ。記者会見中に音を出すなんて。
「そろそろ、質問に答えないと!姉さんはじれったいのがきらいなんだ!」
その新人記者の一言で、現実に引き戻される。
「もう一度聞くぞ。なぜそんなことを聞く?」
えぇ~っと、正直には言えない状態で、タイムリミットはすぐ目の前…。もう詰んだ!早速ゲームオーバーしちゃうの!?
「その、興味を持ったんです!古代の魔法に!」
頭の中で思いついた、テキトーなことを少し大きい声で言う。私の声に驚いたのか、アンさんも目を見開いている。
「それは、誠か?」
気のせいか、アンさんの声がさっきよりも明るくなっている。
「ハイ!嘘じゃないでス!」
ウソです!まるっきり、興味ないでス!そんな本音を心の奥底にしまう。
「フッ。だろう?古代の魔術…これこそ魔法の源!」
一人で盛り上がっている。なんとか、危機は乗り越えたっぽい。
「私は古代魔術研究学部に所属しているのだが、私一人しか学生がいないんだよ。同級生と呼べる者はいないが…。」
そこまで言って、私をチラッと見る。後輩になれオーラが、大量に発生している。このまま転学部に誘導される前に、急いで話題を変えなければ!
「あのー、そろそろ…。」
「もう古代魔術好きはいないのかと諦めていたのに!今や、古魔研の歴史が変わる!」
どうやら、マイワールドに入っているようだ。しばらくは話さない方が良いか…。私の思考パネルが今日の夕ご飯について変わろうとしたとき、質問される。
「それで、この私に何を聞きたい?」
さっき言ったのに、もう忘れたんですか?!という言葉を心の奥底にしまう。そろそろ、心の奥底が満タンになってきた。
「黒髪の…。」
「あぁ!思い出した。二度も言わせて悪かったな。」
まったく悪いと思っていない声のトーンで言う。棒読み大会一位を狙えるほど、気持ちの込めてない声で謝罪されてもなぁ…。複雑な気持ちで続きを聞く。
「さて、本題に入りたいところだが、その前に一つ。私はお前が気に入った。もし、古魔研に転学してくるのなら、極秘の情報も教えてやろう。」
き、汚い!なんて汚い手を使ってくるんだ!
「ご、極秘の情報ってどんなものですか?」
転学する気は全然ないが、一応聞いておく。
「詳しくは言えないが…例えば、教科書の内容を覆すこととかだな。」
そ、そんな情報をどうしてあなたが持ってるのよ!信憑性も低そうだし…。
「信憑性は高い。だが、今までの常識が覆されることだから、公にはまだしていない。」
カルトのお姉さんも、表情から相手の気持ちを読み取れるのか。流石姉弟!さて、こっちも反撃開始!
「私のこと信じてないんですね。」
「は?」
戸惑うアンさん。何を言ってるんだ、とつぶやいている。
「先輩が私を古代魔術研究学部に誘っているのは、私を信じていないからですよね?」
「だから、何を言ってるんだ?」
イラっとした声と、不安な声が混ざり合っていた。
「情報を教えてしまったら、私がもう話しかけてこないかもしれない…。そんなことを思ってますよね?」
「いや、だか」
「私はそんなヤツじゃないです!私は、”あの”魔法について知ったあとも、先輩とお話をするつもりです!」
「だから」
「信じてください!あと、教えてください!」
ほとんどこじ付けな内容だが、私が良い奴だという印象は与えられただろうか?先輩という言葉は、多分効いているはずだ。
「まったく、そんな無理ある演説がこの私に効くと思ったのか?」
アンさんがダルそうに言う。え?効かなかったの?この私の演説が?
「あの、もしかして…私の演説は信じてない感じですかねぇ?」
超高速に胡麻をすりながら、質問する。汗が頬を伝っていく。
「あぁ。というか、私を騙すつもりなら、もっと良い演説をしてくれ。これじゃぁ、世界で一番騙されやすいカルトも騙せないぞ…。」
私はそっとハンカチを目にあてる。カルト、可哀そうに。お姉さんにまで馬鹿にされるなんて。
「結局、教えて…くれない感じですか?」
アンさんが首を横に振る。まだ希望はあるかも?!
「気分が変わった。無条件で教えようと思っていた情報も、お前がうちに転学してくることを条件に教えてやる。」
す、すごく汚い!そんな手まで使うのか!
「さぁ、うちに転学するか?」
「は……い。」
アンさんに圧倒されてうなずいてしまった。あぁ、どうしてこんな疑問の答え探しに必死になってるんだろう。アンさんは満足そうにうなずいた。
「フッ。では、教えてやろう。隠滅された歴史を…。」
そう言ってアンさんは話し始めた。静かに…。
「オプード・アザン」
今度はちゃんと、トに濁点をつけて詠唱出来た。これから先、ずっとこの魔法を使うたびに、”あの”恥ずかしい出来事を思い出すのは勘弁してほしい。大聖堂はあまり人に使われないせいか、扉がギシギシ音を立てて開いた。
「わぁ…。」
思わず声が漏れるほど、綺麗な場所だった。白レンガで出来た床は、真っ直ぐ伸びていた。真っ直ぐ伸びている道の先には、円形の広いフロアがあった。天井は、壁が無いと思えるほどの星空が広がっていた。幻覚魔法でも使っているのだろうか?こんな素敵な道を進める機会は、滅多にないと思う。真っ直ぐ伸びている白レンガの道を進む。左右に植えてある、生垣の葉を触りながら。
「あなたがチャミスさんか?」
そんな声が聞こえたのは、円形のフロアに着いた時だった。大聖堂は全体的に灯りが少ないため、まだ声の主の姿はハッキリと見えない。でも、真ん中に置いてあるガーデンベンチに誰かが座っているのは見える。
「は、はい!私がチャミスです。今日はありがとうございます。」
先輩にあたる人だから、ここは行儀良くしないと。
「カルト、もう友達が出来たんだ…。」
その声には、安心したような、寂しそうな気持が混ざっていた。
「さて、何を私に聞きたい?」
その言葉をアンさんが言ったとき、星の光がアンさんの顔を照らした。赤髪で、そばかすのある顔だった。流石姉弟と言うべきか、カルトの面影がある。
「どうして黒髪の魔界人が作った魔法を使うのは、あまり良くないんですか?」
アンさんが少し考えてから、私に問った。
「なぜそんなことを聞く?」
えーっと、どう答えるのがベストだろうか。頭の中で、久しぶりにリズミールが特別出演する。
「ここは、正直に今までの経緯を話した方が良いでしょうか?」
(私にとても似ている)記者が質問する。
「いえ、彼女は黒髪を何故か嫌っています。もし、彼女の耳にも黒髪の子たちが”あの”魔法を使ったという話が届いていれば、話が聞けなくなる可能性があります。」
リズミールさんからありがたいお言葉を頂いている最中に、後ろからゴトッ、っという音がした。まったく、こんな時に雑音を入れるなんて。そう思いつつ、後ろを見ると、赤毛の少年がいた。新人記者のカルトだ。
「チャミス!ここに居たのか…。」
「どうしたの?今、大事なトコなんだけど。」
ホントに困る奴だよ。記者会見中に音を出すなんて。
「そろそろ、質問に答えないと!姉さんはじれったいのがきらいなんだ!」
その新人記者の一言で、現実に引き戻される。
「もう一度聞くぞ。なぜそんなことを聞く?」
えぇ~っと、正直には言えない状態で、タイムリミットはすぐ目の前…。もう詰んだ!早速ゲームオーバーしちゃうの!?
「その、興味を持ったんです!古代の魔法に!」
頭の中で思いついた、テキトーなことを少し大きい声で言う。私の声に驚いたのか、アンさんも目を見開いている。
「それは、誠か?」
気のせいか、アンさんの声がさっきよりも明るくなっている。
「ハイ!嘘じゃないでス!」
ウソです!まるっきり、興味ないでス!そんな本音を心の奥底にしまう。
「フッ。だろう?古代の魔術…これこそ魔法の源!」
一人で盛り上がっている。なんとか、危機は乗り越えたっぽい。
「私は古代魔術研究学部に所属しているのだが、私一人しか学生がいないんだよ。同級生と呼べる者はいないが…。」
そこまで言って、私をチラッと見る。後輩になれオーラが、大量に発生している。このまま転学部に誘導される前に、急いで話題を変えなければ!
「あのー、そろそろ…。」
「もう古代魔術好きはいないのかと諦めていたのに!今や、古魔研の歴史が変わる!」
どうやら、マイワールドに入っているようだ。しばらくは話さない方が良いか…。私の思考パネルが今日の夕ご飯について変わろうとしたとき、質問される。
「それで、この私に何を聞きたい?」
さっき言ったのに、もう忘れたんですか?!という言葉を心の奥底にしまう。そろそろ、心の奥底が満タンになってきた。
「黒髪の…。」
「あぁ!思い出した。二度も言わせて悪かったな。」
まったく悪いと思っていない声のトーンで言う。棒読み大会一位を狙えるほど、気持ちの込めてない声で謝罪されてもなぁ…。複雑な気持ちで続きを聞く。
「さて、本題に入りたいところだが、その前に一つ。私はお前が気に入った。もし、古魔研に転学してくるのなら、極秘の情報も教えてやろう。」
き、汚い!なんて汚い手を使ってくるんだ!
「ご、極秘の情報ってどんなものですか?」
転学する気は全然ないが、一応聞いておく。
「詳しくは言えないが…例えば、教科書の内容を覆すこととかだな。」
そ、そんな情報をどうしてあなたが持ってるのよ!信憑性も低そうだし…。
「信憑性は高い。だが、今までの常識が覆されることだから、公にはまだしていない。」
カルトのお姉さんも、表情から相手の気持ちを読み取れるのか。流石姉弟!さて、こっちも反撃開始!
「私のこと信じてないんですね。」
「は?」
戸惑うアンさん。何を言ってるんだ、とつぶやいている。
「先輩が私を古代魔術研究学部に誘っているのは、私を信じていないからですよね?」
「だから、何を言ってるんだ?」
イラっとした声と、不安な声が混ざり合っていた。
「情報を教えてしまったら、私がもう話しかけてこないかもしれない…。そんなことを思ってますよね?」
「いや、だか」
「私はそんなヤツじゃないです!私は、”あの”魔法について知ったあとも、先輩とお話をするつもりです!」
「だから」
「信じてください!あと、教えてください!」
ほとんどこじ付けな内容だが、私が良い奴だという印象は与えられただろうか?先輩という言葉は、多分効いているはずだ。
「まったく、そんな無理ある演説がこの私に効くと思ったのか?」
アンさんがダルそうに言う。え?効かなかったの?この私の演説が?
「あの、もしかして…私の演説は信じてない感じですかねぇ?」
超高速に胡麻をすりながら、質問する。汗が頬を伝っていく。
「あぁ。というか、私を騙すつもりなら、もっと良い演説をしてくれ。これじゃぁ、世界で一番騙されやすいカルトも騙せないぞ…。」
私はそっとハンカチを目にあてる。カルト、可哀そうに。お姉さんにまで馬鹿にされるなんて。
「結局、教えて…くれない感じですか?」
アンさんが首を横に振る。まだ希望はあるかも?!
「気分が変わった。無条件で教えようと思っていた情報も、お前がうちに転学してくることを条件に教えてやる。」
す、すごく汚い!そんな手まで使うのか!
「さぁ、うちに転学するか?」
「は……い。」
アンさんに圧倒されてうなずいてしまった。あぁ、どうしてこんな疑問の答え探しに必死になってるんだろう。アンさんは満足そうにうなずいた。
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