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第九魔法;黒髪の武者と赤髪の奏者 中
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「時は……五〇〇年位昔か?四大魔法大戦の時代だ。」
ふむ。そんな昔のトコから始めるのか。
「お前は、魔力消去装置を知っているか?」
えぇ~っと、確か魔力を消す装置だよね?それなら知ってるわ。
「はい。」
アンさん…いや、アン先輩(苦ッ)は満足そうにうなずく。
「あの装置は何の目的のために作られたか知ってるか?」
そんな簡単なことを聞くんですか~?(あっ!私は昨日知ったばかりだ!)
「他の勢力を脅すため…ですよね?」
自信満々に答えると、また痛い目を見るかもしれない。だから、自信が無さ気に答える。
「フッ。貴様はその答えに満足しているのか?」
えぇ~。そんなこと言われても…図書館の資料にはこう書かれてたし…。
「実は、これは嘘だ。脅すために魔力消去装置を作ったというのは、後からできた作り話だ。」
…。突然、そんなことを言われても。どんな反応をすれば良いのかな?まだ戸惑っている私をおいて、説明を続けるアン先輩。
「その隠滅された歴史が、”あの”魔法と密接に関係する。」
おぉ!そんなすごい情報を持ってるんですか!?先輩、早く教えてください!
「隠滅された真実、それは…。」
ゴクリ、と音を立てて唾を飲み込む。隠滅された歴史…。ドキドキする!
「黒髪の者たちは、自らのために魔力消去装置を作った。」
え?確かに歴史の教科書とかを覆す内容だけど…。本当?これが本当のことだったら、すごいことになるけど…。
「当時の黒髪の者たちは、四大魔法大戦に絶望していたそうだ。」
ふむふむ。いや、そんな訳ないでしょ。根拠は、普通の高校生がこんな情報を持ってるわけがない、っていうこと。実に簡単な推理だよ。
「お前、信じてないな。」
アン先輩が、ため息をつく。視線だけで、”私の見る目がなかったのか?”という疑問を投げつけてくるのが分かる。
「だって、先輩がいくらすごくても、こんな情報は見つけられないじゃないですか。」
改めて自分を、カルトと比較する。今のアン情報、カルトだったら騙されてたわね。心の中でフフフ…と笑う。
「では、情報が正しいことを証明しよう。友達がいれば、呼んで来い。」
なんで友達を呼ぶのかは分からないが、そんなことを質問しても嘘情報を得るだけだ。ここは素直に、従っておこう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局、友達と言うには早い気もするが、リズミールとカルトを呼んだ。いや、リズミールを誘うのは少し迷った。なぜなら、迷惑をかけたばかりだったからだ。しかし、カルトと二人で行ってもケンカをするだけだと思い、仲裁役として来てもらった。
「わぁ…綺麗!」
リズミールが感嘆の声を上げる。
「なんで、俺まで姉さんに会わなきゃいけないんだよ…」
カルトはカルトで、ブツブツつぶやいている。放っておこう。
「遅いぞ。…カルトも来たのか。」
おぉ!姉弟同士の会話が聞ける!私は一人っ子だから、なんだか新鮮だ。
「無理やり来させられた。」
…年が一歳しか離れてないせいか、あまり姉弟味を感じられない。え?姉弟ってこんな感じなの?もっと、「お姉ちゃん~」とか言わないの?
「まぁ、”私の学部の後輩”が暴れても止められる人数はいるか。」
私の学部の後輩が暴れる…私は馬鹿にされているのか…。
「お前、黒髪だろぅ?」
?何故バレた?
「確か、初日から問題を起こした黒髪のチャミス、というあだ名があったはずだ。お前の名前…チャミスだったはずだ。」
…。黙ってカルトの方を見る。お前があだ名を?
「俺じゃねぇ!」
ということは、魔工学部の誰かがあだ名を作ったのか?もう一度カルトの方を見る。最後のチャンスだ、という思いを込めて。予想通り、カルトの顔が固まっていく。
「嘘ついたな!」
「どういうことだ…。」
まだ罪を認めぬ気か!この阿呆!
「姉ちゃん…。どうして。」
アン先輩は関係ないだろ!他人に罪をなすりつけるな!
「どうして、嫌いな黒髪の魔界人と話せてるんだ?」
は?…!そういえば、確かに。事前から知っていれば、今日会うことを断れたはず。何故?アン先輩、もしかしてドジっ子?
「失礼なことを考えている奴はおいといて、全ての謎を解決しようではないか!」
言い方が気になるが、お願いします!
「さて、四大魔法大戦の話に戻るが」
「俺たち、途中から来たんだけど…。」
カルトは、自分とリズミールを指す。
「あぁ、すまん。忘れてた。」
棒読み大会一位の王者が言った。
「面倒だし、お前も最初から黙って聞いておけ。」
棒読み大会チャンピオンに命令された。仕方ない、おとなしく最初から聞くか。
_____________________________________
昔、四大魔法大戦という、戦争があった。お前らも知っての通り、髪の色に分かれて戦っていた。教科書では、黒髪チームが魔力消去装置を使って、他の勢力を脅したと書かれてあるが、あれは嘘だ。黒髪チームは、自分たちのためにこの装置を作った。黒髪チームは魔法界にも、魔法にも絶望していた。どうにかして、この世界を抜け出したい、という思いでこの装置を作ったんだ。幸いにも、黒髪チームは科学と魔法の共生に成功していた。そして、装置が出来た暁に、黒髪の魔界人を集めた。他にも、自分たちと同じように、この魔法界に絶望した人たちを集めたそうだ。そして、自分たちだけのパラダイスを作ろうとして、人間界に行った。もちろん、魔力消去装置を使ってからな。そして、この世界に残った者たちは今の魔法界を築いた。…作り話を作成することも忘れずにな。が、黒髪チームの痕跡を完全に消すことは出来なかった。それが、例の”あの”魔法だ。”あの”魔法には、使った者に幻覚を見せる、ある意味呪い的なやつがかかっている。その幻覚が、魔法界の弱みだとか、真実だとか…がどこにあるのかを訴えてくる。まぁ、その話は後でゆっくりお前から聞くとして…。とにかく、人間界は我々が思うところではなかった。旧魔界人たちが築き上げた、魔法に侵されることのないユートピアだったんだ。…あぁ!もう一つ言っておくことがある。魔力消去装置を作ったのは、クリナミロン高生らしい。黒髪、赤髪、銀髪、金髪の生徒たちで協力して作った…とのことだ。このようなことを知った私は、すぐに論文を書いて提出しようとした。だが、校長にとめられたんだ。私も食い下がらないつもりだった。しかし、校長に
「君は、一人しかいない古代魔術研究学部生だ。古代魔術の解読も、君ぐらいしか現代で出来る人はいない。世間も君に期待している。そんな君が、期待外れのことを言うなんて、皆悲しむぞ。どうせ、誰も信じてくれない真実なんだよ。」
と言われた。
世間の期待、この一言に負けて、私は皆の期待通り、黒髪嫌いを装った。馬鹿にしたいならしたら良い。だが、人は必ず期待を前にしたら、嘘を言う時がある。”私の”後輩として覚えておいておきたまえ。
_________________________________
…長い話が終わった。まだ理解できてないところもある。しかし、話したがりのアン先輩は、まだ話した。
「で、幻覚魔法では、どんなことを言われた?」
純粋な子供の目をしたアン先輩が聞いてくる。
「確か…大聖堂にこの世界の弱みがあるとか言ってました。」
そう言うと、アンさんは考え始めた。ブツブツ言っている姿からはカルトが連想できる。
「そうか!そういうことだったのか。」
どういうことですか?私にも説明をプリーズ。
「私は、この情報を、代々伝わる資料の文字を解読して得たものだが…一つだけ分からないものがあった。それが今分かった。」
古代文を解読するのは困難なはず。それを、高校生でやってみせるなんて…。確かに、世間の期待も集まるわけだ。
「人間界への入り口が、どこかに隠されている、そんなことが書かれている古代文があったんだが、見つけられなくてな…。しかし、今のお前の証言で分かった。」
ふ~ん…。
「信用してないな?だったら、実際にその目で見てみろ。」
アン先輩はそう言って、大聖堂の奥へ進んで行った。続いてカルト。その次にリズミール。私は皆の後ろについていった。
「フフフ…ついに!ついに見つけた!」
え?ホントにあったの?
「…え…。」
「…は…。」
それぞれがそれぞれの感想を言った。だが、私はまだ見れてない。
「見ーせーてー!」
リズミールが私の入る間を作ってくれた。(カルトは私の言葉に気づいてすらいないわよ…。)さて、魔力消去装置とか人間界への入り口とかを拝見するか。
「へ?」
私の目の前には、何もなかった。いや、埃は多少あった。もしかして、埃が魔力消去装置?そう期待した私は、埃を拾った。
「お前…こんな時に埃で遊ぶか?」
ですよねぇ~。埃は関係ないですよねぇ~。でも、これだとアン先輩が嘘ついたことになる。ホントにアン先輩って汚い人だったんだ…。
「お前たち、隠したいものをそのまま置くと思うのか?」
ウソつき先輩が話しかけてくる。
「ここからがショータイムだ。」
なんと!また嘘をつくつもりか!
「そこの無礼者、この呪文を唱えろ。」
あんたに言われたくないわ!嘘ばっかついてるくせに。
でも、私は子供ではないので、憐みの目を先輩に向けながら呪文が書かれた紙を受け取る。やっぱり、難しい魔法かな?それとも、私しかできない魔法?
<オプード・アザン>
…。なめてるな。私のこと絶対馬鹿にしてるわ!
「アッハハハハ!待って、ハハッハッ腹いてぇ…。」
カルトが爆笑する。リズミールは、状況が理解できてない顔をしている。まぁ、仕方ないだろうね。リズミールは、入学式の放課後のことを知らないから。
「たぁ!」
一発、カルトの腹に向かって殴ろうとした。だが、その前に足をくじいて、私のげんこつが床をパンチした。
「いっ痛ぅッ!」
カルトが上から物を言う上司みたいな顔をして言った。
「もう少し面白いギャグにしてよ…。笑えないよ…。」
もう笑い飛ばしてくれよぉ…。
「さて、ケンカは終わったか?早く詠唱してほしいんだが…。」
あきれ顔でアン先輩は言った。(苦ッ)
「は……い。」
笑いを抑えているカルトを追い越して、何もない壁の前に立つ。
「オプード・アザン!」
カルトを見返す気持ちで、力強く詠唱する。
ふむ。そんな昔のトコから始めるのか。
「お前は、魔力消去装置を知っているか?」
えぇ~っと、確か魔力を消す装置だよね?それなら知ってるわ。
「はい。」
アンさん…いや、アン先輩(苦ッ)は満足そうにうなずく。
「あの装置は何の目的のために作られたか知ってるか?」
そんな簡単なことを聞くんですか~?(あっ!私は昨日知ったばかりだ!)
「他の勢力を脅すため…ですよね?」
自信満々に答えると、また痛い目を見るかもしれない。だから、自信が無さ気に答える。
「フッ。貴様はその答えに満足しているのか?」
えぇ~。そんなこと言われても…図書館の資料にはこう書かれてたし…。
「実は、これは嘘だ。脅すために魔力消去装置を作ったというのは、後からできた作り話だ。」
…。突然、そんなことを言われても。どんな反応をすれば良いのかな?まだ戸惑っている私をおいて、説明を続けるアン先輩。
「その隠滅された歴史が、”あの”魔法と密接に関係する。」
おぉ!そんなすごい情報を持ってるんですか!?先輩、早く教えてください!
「隠滅された真実、それは…。」
ゴクリ、と音を立てて唾を飲み込む。隠滅された歴史…。ドキドキする!
「黒髪の者たちは、自らのために魔力消去装置を作った。」
え?確かに歴史の教科書とかを覆す内容だけど…。本当?これが本当のことだったら、すごいことになるけど…。
「当時の黒髪の者たちは、四大魔法大戦に絶望していたそうだ。」
ふむふむ。いや、そんな訳ないでしょ。根拠は、普通の高校生がこんな情報を持ってるわけがない、っていうこと。実に簡単な推理だよ。
「お前、信じてないな。」
アン先輩が、ため息をつく。視線だけで、”私の見る目がなかったのか?”という疑問を投げつけてくるのが分かる。
「だって、先輩がいくらすごくても、こんな情報は見つけられないじゃないですか。」
改めて自分を、カルトと比較する。今のアン情報、カルトだったら騙されてたわね。心の中でフフフ…と笑う。
「では、情報が正しいことを証明しよう。友達がいれば、呼んで来い。」
なんで友達を呼ぶのかは分からないが、そんなことを質問しても嘘情報を得るだけだ。ここは素直に、従っておこう。
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結局、友達と言うには早い気もするが、リズミールとカルトを呼んだ。いや、リズミールを誘うのは少し迷った。なぜなら、迷惑をかけたばかりだったからだ。しかし、カルトと二人で行ってもケンカをするだけだと思い、仲裁役として来てもらった。
「わぁ…綺麗!」
リズミールが感嘆の声を上げる。
「なんで、俺まで姉さんに会わなきゃいけないんだよ…」
カルトはカルトで、ブツブツつぶやいている。放っておこう。
「遅いぞ。…カルトも来たのか。」
おぉ!姉弟同士の会話が聞ける!私は一人っ子だから、なんだか新鮮だ。
「無理やり来させられた。」
…年が一歳しか離れてないせいか、あまり姉弟味を感じられない。え?姉弟ってこんな感じなの?もっと、「お姉ちゃん~」とか言わないの?
「まぁ、”私の学部の後輩”が暴れても止められる人数はいるか。」
私の学部の後輩が暴れる…私は馬鹿にされているのか…。
「お前、黒髪だろぅ?」
?何故バレた?
「確か、初日から問題を起こした黒髪のチャミス、というあだ名があったはずだ。お前の名前…チャミスだったはずだ。」
…。黙ってカルトの方を見る。お前があだ名を?
「俺じゃねぇ!」
ということは、魔工学部の誰かがあだ名を作ったのか?もう一度カルトの方を見る。最後のチャンスだ、という思いを込めて。予想通り、カルトの顔が固まっていく。
「嘘ついたな!」
「どういうことだ…。」
まだ罪を認めぬ気か!この阿呆!
「姉ちゃん…。どうして。」
アン先輩は関係ないだろ!他人に罪をなすりつけるな!
「どうして、嫌いな黒髪の魔界人と話せてるんだ?」
は?…!そういえば、確かに。事前から知っていれば、今日会うことを断れたはず。何故?アン先輩、もしかしてドジっ子?
「失礼なことを考えている奴はおいといて、全ての謎を解決しようではないか!」
言い方が気になるが、お願いします!
「さて、四大魔法大戦の話に戻るが」
「俺たち、途中から来たんだけど…。」
カルトは、自分とリズミールを指す。
「あぁ、すまん。忘れてた。」
棒読み大会一位の王者が言った。
「面倒だし、お前も最初から黙って聞いておけ。」
棒読み大会チャンピオンに命令された。仕方ない、おとなしく最初から聞くか。
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昔、四大魔法大戦という、戦争があった。お前らも知っての通り、髪の色に分かれて戦っていた。教科書では、黒髪チームが魔力消去装置を使って、他の勢力を脅したと書かれてあるが、あれは嘘だ。黒髪チームは、自分たちのためにこの装置を作った。黒髪チームは魔法界にも、魔法にも絶望していた。どうにかして、この世界を抜け出したい、という思いでこの装置を作ったんだ。幸いにも、黒髪チームは科学と魔法の共生に成功していた。そして、装置が出来た暁に、黒髪の魔界人を集めた。他にも、自分たちと同じように、この魔法界に絶望した人たちを集めたそうだ。そして、自分たちだけのパラダイスを作ろうとして、人間界に行った。もちろん、魔力消去装置を使ってからな。そして、この世界に残った者たちは今の魔法界を築いた。…作り話を作成することも忘れずにな。が、黒髪チームの痕跡を完全に消すことは出来なかった。それが、例の”あの”魔法だ。”あの”魔法には、使った者に幻覚を見せる、ある意味呪い的なやつがかかっている。その幻覚が、魔法界の弱みだとか、真実だとか…がどこにあるのかを訴えてくる。まぁ、その話は後でゆっくりお前から聞くとして…。とにかく、人間界は我々が思うところではなかった。旧魔界人たちが築き上げた、魔法に侵されることのないユートピアだったんだ。…あぁ!もう一つ言っておくことがある。魔力消去装置を作ったのは、クリナミロン高生らしい。黒髪、赤髪、銀髪、金髪の生徒たちで協力して作った…とのことだ。このようなことを知った私は、すぐに論文を書いて提出しようとした。だが、校長にとめられたんだ。私も食い下がらないつもりだった。しかし、校長に
「君は、一人しかいない古代魔術研究学部生だ。古代魔術の解読も、君ぐらいしか現代で出来る人はいない。世間も君に期待している。そんな君が、期待外れのことを言うなんて、皆悲しむぞ。どうせ、誰も信じてくれない真実なんだよ。」
と言われた。
世間の期待、この一言に負けて、私は皆の期待通り、黒髪嫌いを装った。馬鹿にしたいならしたら良い。だが、人は必ず期待を前にしたら、嘘を言う時がある。”私の”後輩として覚えておいておきたまえ。
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…長い話が終わった。まだ理解できてないところもある。しかし、話したがりのアン先輩は、まだ話した。
「で、幻覚魔法では、どんなことを言われた?」
純粋な子供の目をしたアン先輩が聞いてくる。
「確か…大聖堂にこの世界の弱みがあるとか言ってました。」
そう言うと、アンさんは考え始めた。ブツブツ言っている姿からはカルトが連想できる。
「そうか!そういうことだったのか。」
どういうことですか?私にも説明をプリーズ。
「私は、この情報を、代々伝わる資料の文字を解読して得たものだが…一つだけ分からないものがあった。それが今分かった。」
古代文を解読するのは困難なはず。それを、高校生でやってみせるなんて…。確かに、世間の期待も集まるわけだ。
「人間界への入り口が、どこかに隠されている、そんなことが書かれている古代文があったんだが、見つけられなくてな…。しかし、今のお前の証言で分かった。」
ふ~ん…。
「信用してないな?だったら、実際にその目で見てみろ。」
アン先輩はそう言って、大聖堂の奥へ進んで行った。続いてカルト。その次にリズミール。私は皆の後ろについていった。
「フフフ…ついに!ついに見つけた!」
え?ホントにあったの?
「…え…。」
「…は…。」
それぞれがそれぞれの感想を言った。だが、私はまだ見れてない。
「見ーせーてー!」
リズミールが私の入る間を作ってくれた。(カルトは私の言葉に気づいてすらいないわよ…。)さて、魔力消去装置とか人間界への入り口とかを拝見するか。
「へ?」
私の目の前には、何もなかった。いや、埃は多少あった。もしかして、埃が魔力消去装置?そう期待した私は、埃を拾った。
「お前…こんな時に埃で遊ぶか?」
ですよねぇ~。埃は関係ないですよねぇ~。でも、これだとアン先輩が嘘ついたことになる。ホントにアン先輩って汚い人だったんだ…。
「お前たち、隠したいものをそのまま置くと思うのか?」
ウソつき先輩が話しかけてくる。
「ここからがショータイムだ。」
なんと!また嘘をつくつもりか!
「そこの無礼者、この呪文を唱えろ。」
あんたに言われたくないわ!嘘ばっかついてるくせに。
でも、私は子供ではないので、憐みの目を先輩に向けながら呪文が書かれた紙を受け取る。やっぱり、難しい魔法かな?それとも、私しかできない魔法?
<オプード・アザン>
…。なめてるな。私のこと絶対馬鹿にしてるわ!
「アッハハハハ!待って、ハハッハッ腹いてぇ…。」
カルトが爆笑する。リズミールは、状況が理解できてない顔をしている。まぁ、仕方ないだろうね。リズミールは、入学式の放課後のことを知らないから。
「たぁ!」
一発、カルトの腹に向かって殴ろうとした。だが、その前に足をくじいて、私のげんこつが床をパンチした。
「いっ痛ぅッ!」
カルトが上から物を言う上司みたいな顔をして言った。
「もう少し面白いギャグにしてよ…。笑えないよ…。」
もう笑い飛ばしてくれよぉ…。
「さて、ケンカは終わったか?早く詠唱してほしいんだが…。」
あきれ顔でアン先輩は言った。(苦ッ)
「は……い。」
笑いを抑えているカルトを追い越して、何もない壁の前に立つ。
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