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第二十四魔法;赤髪の奏者と…
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リズミールの伝言通り、金瀬さんの足止めをしてから数分。やっと魔法界への入り口に着いた。リズミールと…チャミスは、もう入り口付近にいた。
「リズミール…とチャミス。」
あとの言葉が続かない。チャミスを目の前にしたら、言葉が全然出ない。罪悪感と気まずさから逃げたくなる。
「カルト、行こう。」
話しかけられた。責任を問うような言葉でも、ひどいと罵る言葉でもなかった。
「リズミール…。」
「今は後悔よりも、チャミスを連れて帰る方を優先しないと。」
「…うん。」
日焼け止めをもう一度塗る。フラフープのような、光り輝く入り口に手をかけて一気にジャンプする。ギリギリ、輪っかの中に入り込むことが出来た。
「チャミスをこっちに渡して。」
両手をリズミールの方へ向ける。ついでに、日焼け止めを渡す。
「チャミスをちゃんと支えてね。」
「任せろ!」
チャミスの両腕を引っ張る。…この世の全ての女子高生を敵にしそうだが、言いたいことがある。…ちょっと重い。
「よいしょ!」
リズミールが下から押してくれたおかげで、なんとかチャミスを引き上げられた。
「リズミールは一人で上がれる?」
「それぐらい魔女の子さいさいよ。」
魔女の子さいさい?…そういえばそんな東洋の言葉があったような…。そんなことを考えているうちに、リズミールはもう目の前に立っていた。
「次は俺がチャミスを背負うよ。」
「うん。…さて、家路を急ぎますか。」
「あぁ!」
チャミスを担ぐ。やっぱり、重い…。リズミールはもう向こうへ行ってしまった。早く追いかけないと…。
「まってくれぇ~。リズミールゥ~!」
待つ気配は…無いとみた!仕方ない、走るか…。チャミスを背負ったまま走り出す足は、意外と速かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらくリズミールを追いかけて走ると、フラフープのような出口が見えてきた。ためらう素振りも見せずに、リズミールはすぐ出口へ飛び込む。もちろん俺もためらいなんかせずに、すぐ飛び込む。突進する勢いで行く。
「帰ってきたか…。」
この何回も聞いてきた声は、ここが魔法界だということを実感させる。
「姉さん!」
懐かしい声のする方を向く。そこには……缶コーヒーを片手に本を読む姉の姿があった。
「姉さん…。」
弟が人間界で大変な目にあっている間、姉は缶コーヒー片手にリラックスタイムですか!良いご身分ですね!
「これだ!」
缶コーヒーを持っていた手が、その発言と共に開く。咄嗟に目を伏せた。カコーン……。しばらくの間、静寂が流れる。その間に、背負っていたチャミスを下ろす。
「チッ。せっかくいい気分だったのに…台無しだ。」
そーっと目を開く。制服のスカーフと大聖堂の床に、茶色いアート作品が出来ているのは気にしないでおこう!
「姉さん、チャミスが。」
「分かってる。魔法界での記憶を失っているんだろ。」
「違う!いや、違わないけど…。」
「何だ?」
チャミスの人間界での記憶も消しちゃった!とはすぐ言えなかった。
「何だ?じれったいぞ。」
面倒くさいという気持ちを隠そうとしない表情が伺える。
「カルト、ゆっくりでいいから私にも教えて。何があったの?」
リズミールに聞かれる。迷子の時に手を差し伸べてくれる素敵な大人をイメージするような笑顔と言動だった。
「さっさと吐いたらどうだ?」
姉さんに聞かれる。薄気味悪い取り調べ室で、カツ丼を使って情報を吐かせようとする警察を連想する言動だった。
「リズミール…ごめん。チャミスのき、記憶を…魔法で消しちゃった……。」
「えっ……。」
「……。」
静寂。静寂…。
「ごめん!あの時、正常な思考が出来なくて…。」
「カルト…。」
「……。」
静寂。静寂……。
「リズミール、ホントにごめん!チャミスを救うはずだったのに、こんなことしちゃって!謝ってもチャミスの記憶が戻るとは思わないけど、ごめん……。」
「カルト、別に。」
「ホントにその通りだ。」
今まで黙っていった赤髪の高校生が口を開く。
「アン先輩…。」
「カルト、お前は馬鹿な事…いや、愚かなことをした。」
……言い返す気にもなれない。
「人の記憶を消す魔法は、攻撃魔法に分類される。そんな魔法をホントによっぽどの時に使ったのか?」
「……。」
姉さんは「やっぱりな」と呟く。こんなにも信頼されてないなんてな。
「せっかくチャミスの記憶を戻す筋道も立ったところだったのに…。」
「え?!」
驚いた声を隠せなかった者が二名。
「校長が代々守ってきた古代書を見てみた。そこに、魔力消去装置と共に無くなった記憶を復活させる魔法が載っていた訳だ。」
ごく当たり前のことのように言っているが…。
「ちょっとまったっ!えっ!記憶戻んの?!」
「どっかのバカが、もう一度記憶を消さなかったらの話だ。」
「え?」
どっかのバカ…これは俺だよな?俺が魔法でチャミスの記憶を消さなかったら、全てが丸く収まってた、って訳か?
「この魔法は不完全なままだ。喪失した記憶は、たとえ複数個あっても、一つしか思い出せないようにしてある。マジョマーリの法則だ。」
リズミールの方へ目を向ける。思考するのを諦めたかのように、微笑んでいる。だから、俺も微笑む。
「はぁ…理解しろよ…。」
高校入りたてほやほやの卵は、まだ中学校の知識しかないんだよ!
「とにかく、チャミスにこの魔法をかけると、ほとんど二分の一の確率で、人間界での記憶、もしくは魔法界での記憶が無くなる。完全にだ。」
そんな…。今回は姉さんの言っていることが理解できた。
「ほとんど二分の一の確率って、具体的には分からないんですか?」
おぉ!確かに。ちょっとのズレだって、有利に動くかもしれない!
「自分が好きだった方の記憶は思い出しやすい。」
…チャミス、人間界も魔法界も好きそうだったな…。
「そうですか…。」
静寂…。この沈黙が長い時間に感じたのは、俺だけではないと思う。
「どのみち、リスクを冒さないとハッピーエンドは来ないんだ。悩んでないでさっさと詠唱の準備をするぞ。」
特殊な紙と、ガラスペンをポケットから取り出す姿はズボラをイメージするが、今は頼もしい姉として見ることが出来た…はず。
「この魔法は特殊でな。なんか、伝統的な笛を吹くらしい。」
…変わった魔法だな。その伝統的な笛を姉さんは取り出す。細かい幾何学的な模様が描かれた木製の笛だった。
「魔法陣描くの、手伝います!」
頼もしい声がした。流石リズミールとでも褒めたたえたい。
「私が描いた方が早いし正確だ。任せろ。」
生意気で上から目線な声がした。その生意気な奴の言うとおり、魔法陣は早く、正確に出来上がった。(流石姉さん、とでも皮肉を込めて言いたい)
「では始めるぞ。」
心の準備も出来ないまま、魔法の準備が完了した。姉さんは相変わらずマイペースに魔法を発動させようとしている。
「笛吹くの苦手なんだけどなぁ…。」
ついでに文句も言っている。というか、姉さんって楽器弾けたっけ?そんな疑問は、次の瞬間打ち砕けた。
ピュー…
白鳥の鳴き声のような、風が吹く音のような…とにかく、綺麗な音色だった。
ピューピュー
ピュヒューヒュピュー
この笛が使われる理由、分かった気がする。どんなに楽器を弾くのが下手でも、綺麗な音色を奏でることが出来るからだ…。
ピュヒュー
ピューーー
演奏が終わった瞬間、魔法陣が輝きだす。魔法陣から細い光が糸のように数本、数十本、数百本出てくる。その光の糸がチャミスを目指していく。やがて、光の糸はためらいもせずにチャミスに吸収されていく。
「バメリーモ・メリーン。」
その一言に反応したのか、光の糸たちがもっと輝きだす。風を髪に感じる。
「チャミス!」
リズミールが叫びに近い声で呼び掛ける。
「お前、もし魔法界思い出さなかったら転部の話はどうなる?」
姉さんもチャミスに呼び掛ける…いや、脅す?
「チャミス、早く起きやがれ!」
俺もチャミスに呼び掛ける。(これは呼び掛けです!)
チャミスの眉毛が一瞬微動した。
「リズミール…とチャミス。」
あとの言葉が続かない。チャミスを目の前にしたら、言葉が全然出ない。罪悪感と気まずさから逃げたくなる。
「カルト、行こう。」
話しかけられた。責任を問うような言葉でも、ひどいと罵る言葉でもなかった。
「リズミール…。」
「今は後悔よりも、チャミスを連れて帰る方を優先しないと。」
「…うん。」
日焼け止めをもう一度塗る。フラフープのような、光り輝く入り口に手をかけて一気にジャンプする。ギリギリ、輪っかの中に入り込むことが出来た。
「チャミスをこっちに渡して。」
両手をリズミールの方へ向ける。ついでに、日焼け止めを渡す。
「チャミスをちゃんと支えてね。」
「任せろ!」
チャミスの両腕を引っ張る。…この世の全ての女子高生を敵にしそうだが、言いたいことがある。…ちょっと重い。
「よいしょ!」
リズミールが下から押してくれたおかげで、なんとかチャミスを引き上げられた。
「リズミールは一人で上がれる?」
「それぐらい魔女の子さいさいよ。」
魔女の子さいさい?…そういえばそんな東洋の言葉があったような…。そんなことを考えているうちに、リズミールはもう目の前に立っていた。
「次は俺がチャミスを背負うよ。」
「うん。…さて、家路を急ぎますか。」
「あぁ!」
チャミスを担ぐ。やっぱり、重い…。リズミールはもう向こうへ行ってしまった。早く追いかけないと…。
「まってくれぇ~。リズミールゥ~!」
待つ気配は…無いとみた!仕方ない、走るか…。チャミスを背負ったまま走り出す足は、意外と速かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらくリズミールを追いかけて走ると、フラフープのような出口が見えてきた。ためらう素振りも見せずに、リズミールはすぐ出口へ飛び込む。もちろん俺もためらいなんかせずに、すぐ飛び込む。突進する勢いで行く。
「帰ってきたか…。」
この何回も聞いてきた声は、ここが魔法界だということを実感させる。
「姉さん!」
懐かしい声のする方を向く。そこには……缶コーヒーを片手に本を読む姉の姿があった。
「姉さん…。」
弟が人間界で大変な目にあっている間、姉は缶コーヒー片手にリラックスタイムですか!良いご身分ですね!
「これだ!」
缶コーヒーを持っていた手が、その発言と共に開く。咄嗟に目を伏せた。カコーン……。しばらくの間、静寂が流れる。その間に、背負っていたチャミスを下ろす。
「チッ。せっかくいい気分だったのに…台無しだ。」
そーっと目を開く。制服のスカーフと大聖堂の床に、茶色いアート作品が出来ているのは気にしないでおこう!
「姉さん、チャミスが。」
「分かってる。魔法界での記憶を失っているんだろ。」
「違う!いや、違わないけど…。」
「何だ?」
チャミスの人間界での記憶も消しちゃった!とはすぐ言えなかった。
「何だ?じれったいぞ。」
面倒くさいという気持ちを隠そうとしない表情が伺える。
「カルト、ゆっくりでいいから私にも教えて。何があったの?」
リズミールに聞かれる。迷子の時に手を差し伸べてくれる素敵な大人をイメージするような笑顔と言動だった。
「さっさと吐いたらどうだ?」
姉さんに聞かれる。薄気味悪い取り調べ室で、カツ丼を使って情報を吐かせようとする警察を連想する言動だった。
「リズミール…ごめん。チャミスのき、記憶を…魔法で消しちゃった……。」
「えっ……。」
「……。」
静寂。静寂…。
「ごめん!あの時、正常な思考が出来なくて…。」
「カルト…。」
「……。」
静寂。静寂……。
「リズミール、ホントにごめん!チャミスを救うはずだったのに、こんなことしちゃって!謝ってもチャミスの記憶が戻るとは思わないけど、ごめん……。」
「カルト、別に。」
「ホントにその通りだ。」
今まで黙っていった赤髪の高校生が口を開く。
「アン先輩…。」
「カルト、お前は馬鹿な事…いや、愚かなことをした。」
……言い返す気にもなれない。
「人の記憶を消す魔法は、攻撃魔法に分類される。そんな魔法をホントによっぽどの時に使ったのか?」
「……。」
姉さんは「やっぱりな」と呟く。こんなにも信頼されてないなんてな。
「せっかくチャミスの記憶を戻す筋道も立ったところだったのに…。」
「え?!」
驚いた声を隠せなかった者が二名。
「校長が代々守ってきた古代書を見てみた。そこに、魔力消去装置と共に無くなった記憶を復活させる魔法が載っていた訳だ。」
ごく当たり前のことのように言っているが…。
「ちょっとまったっ!えっ!記憶戻んの?!」
「どっかのバカが、もう一度記憶を消さなかったらの話だ。」
「え?」
どっかのバカ…これは俺だよな?俺が魔法でチャミスの記憶を消さなかったら、全てが丸く収まってた、って訳か?
「この魔法は不完全なままだ。喪失した記憶は、たとえ複数個あっても、一つしか思い出せないようにしてある。マジョマーリの法則だ。」
リズミールの方へ目を向ける。思考するのを諦めたかのように、微笑んでいる。だから、俺も微笑む。
「はぁ…理解しろよ…。」
高校入りたてほやほやの卵は、まだ中学校の知識しかないんだよ!
「とにかく、チャミスにこの魔法をかけると、ほとんど二分の一の確率で、人間界での記憶、もしくは魔法界での記憶が無くなる。完全にだ。」
そんな…。今回は姉さんの言っていることが理解できた。
「ほとんど二分の一の確率って、具体的には分からないんですか?」
おぉ!確かに。ちょっとのズレだって、有利に動くかもしれない!
「自分が好きだった方の記憶は思い出しやすい。」
…チャミス、人間界も魔法界も好きそうだったな…。
「そうですか…。」
静寂…。この沈黙が長い時間に感じたのは、俺だけではないと思う。
「どのみち、リスクを冒さないとハッピーエンドは来ないんだ。悩んでないでさっさと詠唱の準備をするぞ。」
特殊な紙と、ガラスペンをポケットから取り出す姿はズボラをイメージするが、今は頼もしい姉として見ることが出来た…はず。
「この魔法は特殊でな。なんか、伝統的な笛を吹くらしい。」
…変わった魔法だな。その伝統的な笛を姉さんは取り出す。細かい幾何学的な模様が描かれた木製の笛だった。
「魔法陣描くの、手伝います!」
頼もしい声がした。流石リズミールとでも褒めたたえたい。
「私が描いた方が早いし正確だ。任せろ。」
生意気で上から目線な声がした。その生意気な奴の言うとおり、魔法陣は早く、正確に出来上がった。(流石姉さん、とでも皮肉を込めて言いたい)
「では始めるぞ。」
心の準備も出来ないまま、魔法の準備が完了した。姉さんは相変わらずマイペースに魔法を発動させようとしている。
「笛吹くの苦手なんだけどなぁ…。」
ついでに文句も言っている。というか、姉さんって楽器弾けたっけ?そんな疑問は、次の瞬間打ち砕けた。
ピュー…
白鳥の鳴き声のような、風が吹く音のような…とにかく、綺麗な音色だった。
ピューピュー
ピュヒューヒュピュー
この笛が使われる理由、分かった気がする。どんなに楽器を弾くのが下手でも、綺麗な音色を奏でることが出来るからだ…。
ピュヒュー
ピューーー
演奏が終わった瞬間、魔法陣が輝きだす。魔法陣から細い光が糸のように数本、数十本、数百本出てくる。その光の糸がチャミスを目指していく。やがて、光の糸はためらいもせずにチャミスに吸収されていく。
「バメリーモ・メリーン。」
その一言に反応したのか、光の糸たちがもっと輝きだす。風を髪に感じる。
「チャミス!」
リズミールが叫びに近い声で呼び掛ける。
「お前、もし魔法界思い出さなかったら転部の話はどうなる?」
姉さんもチャミスに呼び掛ける…いや、脅す?
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