魔法使いと発明娘

三本道

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第二章

私の名前は葉月柚!

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私の名前は葉月柚、ここの都市に住む13歳の少女です。

「起きて柚ちゃん、訓練の時間だよー!」

私の朝は、古くからの幼馴染、フウちゃんが起こしに来るところ始まります。

これは私が8歳の時からの、ある意味日常です!

「もう、またヨダレだらだら垂らして…顔洗ったらご飯だよ」

「…分かった。その前に…もう一眠り…」

「だめー!柚ちゃん二度寝したら絶対起きないんだからー!」

フウちゃんは3個年上です。学校に通っていたなら今頃高校二年生。

そう、学校に通っていたのなら…。

「フウちゃん、今日の予定は?」

「午前中は有賀君の訓練、午後はラボで昨日壊れちゃった発明品の修理だよ」

実を言うと、私達は学校に通っていません。

決して退学になるような悪を働いたとか、不登校で学校に行きたくないといった訳ではないのです。

「分かったわ、昨日のやつは飛躍装置と操作銃ね」

「そうよ!次はどんな衝撃でも耐えるようなもの作ろうね!」

そう、学校に行く時間が惜しいほど、発明に明け暮れているのです。

詳しく話をすると止まらないのですが、私とフウちゃんはフリーの発明家。アイディア賞を何回も受賞していて、部屋には数知れないトロフィーに表彰状があります!

そう、将来の夢も決まっている私達に学校に行く意味などないのです。

「あ、またボーっとして、そんなに有賀君の訓練が嫌なの?」

星坂有賀…二日ほど前、私のミスで暴走しかけた犯人を黙らせ救ってくれた…恩人。

(ぐ…でも未だお礼の一つも言えてないんだよね…)

8歳の頃から人との関わりをほとんど持ってこなかったせいか、自分にはコミュニケーション能力というものが乏しいのです。

星野有賀を目の前にすると鼓動が速くなり、最近ハマって愛読している小説『ツンデレ少女はいかがですか?』に出てくる女の子のような態度をとってしまったりもしてしまって…。

「別に星坂有賀の事は嫌いじゃないわ…でも、どうやって会話すればいいのか分からなくて…私が全部悪いのに…」

我ながら情けない事この上ない…。被害者を犯人と誤認し発砲、挙げ句の果てに冷たい態度をとってしまっているのですから。

「じゃあ私も一緒に行ってあげるから、昨日のバシバシ叩いた事…ぐらいはちゃんと謝りに行こうよ、ね?」

やはりフウちゃんは可愛いです。

一口に『好き』とかそう言う感情ではなく、同じ女として魅力の塊…the女の子って感じが溢れ出している感じなのです。

(私もフウちゃんみたいに成れたら、どんなにいいことか…いや、これは私の問題!私が解決しないと!)

「…うん、折角助けてくれたんだもん。自分で行ってくる!」

と、

「おー、おはよ」

聞き覚えのある男の子の低トーン。

(ほ、ほ、星坂有賀!)

私は拳を握ると姿勢を低くし戦闘態勢に入る。

「あ、有賀君!?」

「フウちゃん!?君もここに住んでるのか…?」

雰囲気作りをフウちゃんがしてくれるみたいです。というより私は相手にされてないような…。

「いえ、私は柚ちゃんを起こしに…」

「あぁ柚をね。フウちゃんって優しいんだね」

「えへへ…そんな事…」

フウちゃんは壊れているのかヘラヘラ笑っている。私への橋渡しの話は完全に吹っ飛んでいるようです。

私は完全に空気と化していた。

(私も何とかして星坂有賀にお礼を…!)

「お、ゆ…葉月もいたのか、おはよ」

(やっと気づいてくれた!って、なんか親近感がなくなってる…!昨日まで柚だったのに!)

昨日と違い、予想外によそよそしい態度を取る星坂有賀に私は言葉をつまらせる。

「え、あ…」

(あぁもう!言葉が出てこない…なんか心臓が張り裂けそう…!)

やっぱり今日もお礼は言えそうに…。

と、

「有賀君、柚ちゃんから話すことがあるみたいだよ?…ね?柚ちゃん!?」

諦めかけた私に、我に帰ったフウちゃんからのフォローが入る。

(弱気になったらダメ…今日、今ここで決着をつける!)

「あ、あの…!」

「え?なんだゆ…葉月さん?」

(思った事をそのまま言うだけ!小説でもやってたじゃん!)

『ツンデレ少女はいかがですか?II』の親睦を深めるために華麗ちゃんがクラスメイトの男の子を遊びに誘うシーン。

「明日私と遊園地に行かない!?」

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