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第二章
西垣風、参上です!(後編)
しおりを挟む「俺達、今からエンジョイングするんだけど君、カムしない?」
内容軽いし、変な英語使ってるし…もう最悪のタイミングで最悪の展開です。
(見た感じの歳的に高等学校の試験に落ちて暇してる人たちですね…後ろにいる人も仲間でしょうか…?ちょっと毛色が違う気が…あ、面倒事になる前にファルテさんを連れて逃げないと…)
「あの、私達今それどころじゃ…」
「ノンノン、俺達は彼女に言っているんだ。君みたいなオバさんには興味ノーだ」
どうやら彼らはファルテさんを狙っていて私には興味のかけらもないようです。
男の人達は私に背を向けるとファルテさんを囲い出しました。
(おばさんに変装して、ある程度のことは想像していたけれど、顔のことって言われるとイラッとする…!まぁファルテさんが一緒にいる以上しょうがないんだけどね…!?)
私は怒りに任せ、顔にかぶっていた、便利グッツ『変身お面』を外しました。
「人のこと老人呼ばわりしないで!」
一斉に男の人たちが私を見ます。ファルテさんは見抜いていたようでポーカーフェイスを崩しません。
「…お、おぉ何てビューテフォーなんだ!?君も俺たちと一緒に…」
ですが、私の行いは逆効果…彼らは図に乗ってしまったようです。コレはいよいよ警備員さんに…。
ドゴォッ!
「あの…黙っていただけませんか?私は西垣さんとお話しをしたいのですが…」
警備員さんに報告に行こうとした私でしたが、次の瞬間私の横を男が吹っ飛んで行きました。
「え…?」
一瞬にしてナメきった顔から恐怖へと顔色を変えた残りの男の人達。彼らの視線の先には、
「あら…少し力を入れ過ぎちゃましたね…ですが、私を口説いてきた罪は重いですわよ」
絵から出てきたようなヤンチャお嬢様が拳を握っていました。
「お、おい!この餓鬼ヤベェぞ!」
男の子達は騒ぐだけ騒ぐと一目散に逃げ出しました。
漫画などの悪い人達は、ここで逆上するのが定石ですが、リアルでは仲間意識より、人間としての生き残り本能が優ってしまうようです。
「ファルテさん、凄い…」
私自身対人経験は少なからずあるのですが、
が、
「ま…待て。この餓鬼…ぜってぇ殺す」
どうやら先程吹っ飛ばされた男の子が戻ってきたようです。薄ら笑いを浮かべるも、隠し切れていない殺気。
「あら、まだいたんですね…」
ファルテさんは再び構えを作る。
(ん…?男の子の方何かポケットに隠し持ってる…?)
「ファルテさん!その男の人何か隠し持って…!」
「え…?」
バシュン。
「ケハッ…!?」
男の人はファルテさんを撃ちました。銃弾はファルテさんの胸部を撃ち抜き、血飛沫をあげます。
「きゃぁぁー!」
「な、なんだ!?」
周りの人たちはそれを見て大パニック。
「ファルテさんっ!」
私はファルテさんに駆け寄りました。
「あは…ちょっと…調子、乗っちゃい…ましたね」
口から出る止まらない血。
「喋らないでください!血を止めないとっ!」
(どうしよう…一刻も早く病院に…!)
「ヒャハ、やっぱり科学の力には武道なんて通じないんだよ。おい、次はお前の番だぜ?」
男の人は私に近づいてくると冷たい銃口を頭に突きつける。私はファルテさんを抱え目をつぶりました。
(…あぁ、ここで死ぬなんて嫌…せめて剣があれば…!)
「じゃあな」
バシュン。
冷徹な言葉と共に発砲音が響く。
(あれ…?痛くない…死ぬ時って痛みを感じないのかな…?)
私はゆっくり目を開けました。
目の前に広がるのは血を吐いているファルテさん…のはずがファルテさんの姿が見えません。
私は男の方を振り返りました。
「え…」
目の前にいたのは座り込む男の人、そして、
「あんまり調子乗ってっと、ぶち殺すぞクソがっ!!」
銃を握り潰した、赤髪のファルテさんでした。
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