【BL】空と水の交わる場所~ゲーム世界で竜騎士になりました。

梅花

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3章 騎士団に

3-13

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…ごめんなさい陛下。
見たくないものを見せて…。
と、思いながら着替えて1枚多く羽織ってから、アスランが持ってきた着替えを準備して脱衣場でアイヴィスを待つ。
アスランには軽食と、コーヒーを用意して貰うように伝えた。
暫くして腰にタオルを巻いたアイヴィスが出てくると、構えていたガウンで水気を吸わせ、その間に髪を乾かす。

「アイヴィス様、サンドイッチとコーヒーを用意してありますから、食べながらマッサージをしましょう?」

先程の事には触れずに話しかけると、アイヴィスも特に何もなく頷く。

「でも、セラの時間が無くなるだろう?本当にここまでしてもらうつもりも無かったんだが…」

アイヴィスとすれば、少し姿が見られれば。
明かりが点っているのを見るだけでもよかったのだがとはあえて言わない。

「大丈夫です、私はいくらでも休息ができますが、アイヴィス様はそうもいかないでしょう?
本当ならもっと上手な従者の方に任せれば良いのでしょうが」

「…いや、私がセラに逢いたかった」

蕩けるような笑顔というのはこういうのを言うのだろうか。
それにしてもイケメンの笑顔は破壊力満点だななんて思いながら、セラフィリーアは視線を逸らせずにいた。

「ありがとうございます?アイヴィス様」

何と返していいかわからずにお礼を言うも、語尾が疑問系になってしまうと、二人で顔を見合せ笑ってしまう。
ひとしきり笑った後に軽く咳払いをしてから行きましょうかと促す。
アイヴィスを迎えたのは寝室の手前の応接間。
シュクラの遊び部屋にするわけにも、自分の寝室にするわけにも、ましてや従者の部屋にするわけにもいかず、それなりに見映えのする応接室。
まぁ、一度通してあるから大丈夫だと思うし、アイヴィスはそのくらいでは怒らないだろうと思っている。

「あまり、重くないサンドイッチです。それと、コーヒーを。
私が淹れるよりアスラン…私の従者が焙煎したものの方が美味しいので、いつかは飲んでいただきたいと思っていたので…リオルは絶賛練習中ですから」

どうぞと、ソーサーごと差し出したコーヒーがカップから匂い立つ。
ゆらゆらと揺れる琥珀色の飲み物は、やはり紅茶とは違う。

「いただこう」

コーヒーを口にしたアイヴィスが、ホッと息を吐くのを見ながらサンドイッチを取り分けて皿に乗せる。
短い時間で用意したとはいえ、新鮮な野菜やハム、玉子、チーズ。美味しそうなんだけど…アイヴィスと運動量が違うから絶対太るよねぇ。
サンドイッチをつまみ始めたアイヴィスを羨ましそうに見てしまっていたのだろうか。
口に運び掛けていた玉子サンドを差し出してくれる。

「少しくらい食べても大丈夫だろう。ほら」

う、これ…どう見ても食えと言ってるよね。
陛下手づからあーんだなんて恐れ多い。
それでもアイヴィスが手を下げる様子は無くて、仕方なくそのサンドイッチをぱくりと食べる。
咀嚼、嚥下しても味なんてわからないくらい緊張した。
何でそんなにニコニコしているんだよっ!!
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