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3章 騎士団に
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「アイヴィス様、コーヒーのおかわりはいかがですか?」
カップの中のコーヒーがあっという間に無くなるのを見ながら、もう少しどうかと聞いてみる。
どうやら、サンドイッチはあまり摘ままないため、お腹がいっぱいなのか食欲がないのか…。
「セラも飲むだろう?」
「はい、一緒にいただいています」
自分は眠る前なのでアスランにカフェオレにしてもらった。
「ん?白い?」
初めて見るのだろう、アイヴィスは不思議そうにセラフィリーアのカップの中を見つめる。
「はい、コーヒー以外に温めたミルクと少し砂糖がはいっています、飲みかけですが飲んでみますか?」
「…じゃあ、一口貰っていいかな?」
「どうぞ」
自分の口をつけた部分を軽く拭いてからカフェオレを差し出すと、アイヴィスがカフェオレを口にする。
こくりと動く喉がセクシーだなとついつい見入る。
「優しい味だな、私もこれを飲みたいが、淹れて貰えるか?」
「はい、アスランに」
チリンとベルを鳴らすと、アスランが何も言わなくても温かいカフェオレを運んで、アイヴィスの脇に置く。
うん?いつミルクを温めたんだろ。電子レンジだって直ぐには温まらないのにね。
「アイヴィス様、飲み終わったらソファーに。
少しマッサージをしますから。腕だけなら座りながらもできますので、飲みながらでも大丈夫ですが…」
「なら、腕だけでもしてもらおうかな?毎日毎日ペンを握るから、結構疲れるんだ。」
カップを持ち変えて自分の手を握ったり開いたりしているアイヴィスは、かなり疲れているように見える。
眠りも浅いのか、目の下の隈を隠している時もある。
近くに行くからこそわかる違い。
何もできないのが歯痒かったりするが、自分は爵位を貰っているが如何せん他国の人間なのだ。
「アイヴィス様、もし嫌でなければソファーでなく私の寝室でマッサージいたしましょうか?
力を抜いたときに軟らかい寝台の方がいいと思いますし…来客を考えていませんでしたので、来客用の寝室の用意が無くて…失礼に当たるかもしれないのですが…」
寝具はアイヴィスが使っているものと同じものだと聞いているから、そのまま眠ってしまっても大丈夫だろうし、大きさもそれなりだから…もし、アイヴィスに寝台をとられても部屋にはふかふかのソファーもあるし、最悪は隣のアスランとリオルの部屋に入れて貰ってもいいかなと考えながらアイヴィスがカフェオレを飲み干すまで待って立ち上がりアイヴィスの手を取る。
俺は、某狭いアパート住まいの時は、泊まりに来た野郎共と雑魚寝をしたこともあるから、毛足の長い絨毯やふかふかのソファーがあるだけでありがたいと思う。
「ソファーでいい。流石にセラの寝台は…」
口ごもるアイヴィスに、やはり他人の寝台に寝るのは抵抗かあるのかと無理は言わずに手を離すと、長いソファーにクッション等を準備する。
「こちらへどうぞ?」
今夜はアイヴィスのマッサージをするために、普段とは違い動きやすいチュニックとズボンにしている。
また、アイヴィスをリラックスさせるために微かにアロマオイルを焚いており、ふわりと甘い香りが鼻孔をくすぐっている。
アルトリアには、アロマオイルの習慣があまりないようで、アスランは普通だったが、リオルには驚かれた。
それも、ファレナスが花の国でもあるからだろう。
「まずは全身。それから部分部分疲れているところを解します。痛いことはしませんので、痛かったら我慢せずにおっしゃってくださいね?
ソファーに俯せでどうぞ?」
「あぁ、これはこのままで?」
アイヴィスがバスローブの紐に手を掛ける。
「あっ…えぇと…脱いでいただけますか…」
厚手のバスローブでは、着たままだとマッサージがしにくいだろうと思い立ち、脱いでもらう。
できるだけアイヴィスの裸体から目を逸らしながら薄い布をふわりと背中に掛けた。
「では、始めます…」
ドキドキと速い鼓動を無視すると、そっとアイヴィスの背中や腕に触れて疲れが少しでも取れるようにと指を動かしていくのだった。
カップの中のコーヒーがあっという間に無くなるのを見ながら、もう少しどうかと聞いてみる。
どうやら、サンドイッチはあまり摘ままないため、お腹がいっぱいなのか食欲がないのか…。
「セラも飲むだろう?」
「はい、一緒にいただいています」
自分は眠る前なのでアスランにカフェオレにしてもらった。
「ん?白い?」
初めて見るのだろう、アイヴィスは不思議そうにセラフィリーアのカップの中を見つめる。
「はい、コーヒー以外に温めたミルクと少し砂糖がはいっています、飲みかけですが飲んでみますか?」
「…じゃあ、一口貰っていいかな?」
「どうぞ」
自分の口をつけた部分を軽く拭いてからカフェオレを差し出すと、アイヴィスがカフェオレを口にする。
こくりと動く喉がセクシーだなとついつい見入る。
「優しい味だな、私もこれを飲みたいが、淹れて貰えるか?」
「はい、アスランに」
チリンとベルを鳴らすと、アスランが何も言わなくても温かいカフェオレを運んで、アイヴィスの脇に置く。
うん?いつミルクを温めたんだろ。電子レンジだって直ぐには温まらないのにね。
「アイヴィス様、飲み終わったらソファーに。
少しマッサージをしますから。腕だけなら座りながらもできますので、飲みながらでも大丈夫ですが…」
「なら、腕だけでもしてもらおうかな?毎日毎日ペンを握るから、結構疲れるんだ。」
カップを持ち変えて自分の手を握ったり開いたりしているアイヴィスは、かなり疲れているように見える。
眠りも浅いのか、目の下の隈を隠している時もある。
近くに行くからこそわかる違い。
何もできないのが歯痒かったりするが、自分は爵位を貰っているが如何せん他国の人間なのだ。
「アイヴィス様、もし嫌でなければソファーでなく私の寝室でマッサージいたしましょうか?
力を抜いたときに軟らかい寝台の方がいいと思いますし…来客を考えていませんでしたので、来客用の寝室の用意が無くて…失礼に当たるかもしれないのですが…」
寝具はアイヴィスが使っているものと同じものだと聞いているから、そのまま眠ってしまっても大丈夫だろうし、大きさもそれなりだから…もし、アイヴィスに寝台をとられても部屋にはふかふかのソファーもあるし、最悪は隣のアスランとリオルの部屋に入れて貰ってもいいかなと考えながらアイヴィスがカフェオレを飲み干すまで待って立ち上がりアイヴィスの手を取る。
俺は、某狭いアパート住まいの時は、泊まりに来た野郎共と雑魚寝をしたこともあるから、毛足の長い絨毯やふかふかのソファーがあるだけでありがたいと思う。
「ソファーでいい。流石にセラの寝台は…」
口ごもるアイヴィスに、やはり他人の寝台に寝るのは抵抗かあるのかと無理は言わずに手を離すと、長いソファーにクッション等を準備する。
「こちらへどうぞ?」
今夜はアイヴィスのマッサージをするために、普段とは違い動きやすいチュニックとズボンにしている。
また、アイヴィスをリラックスさせるために微かにアロマオイルを焚いており、ふわりと甘い香りが鼻孔をくすぐっている。
アルトリアには、アロマオイルの習慣があまりないようで、アスランは普通だったが、リオルには驚かれた。
それも、ファレナスが花の国でもあるからだろう。
「まずは全身。それから部分部分疲れているところを解します。痛いことはしませんので、痛かったら我慢せずにおっしゃってくださいね?
ソファーに俯せでどうぞ?」
「あぁ、これはこのままで?」
アイヴィスがバスローブの紐に手を掛ける。
「あっ…えぇと…脱いでいただけますか…」
厚手のバスローブでは、着たままだとマッサージがしにくいだろうと思い立ち、脱いでもらう。
できるだけアイヴィスの裸体から目を逸らしながら薄い布をふわりと背中に掛けた。
「では、始めます…」
ドキドキと速い鼓動を無視すると、そっとアイヴィスの背中や腕に触れて疲れが少しでも取れるようにと指を動かしていくのだった。
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