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本編
652話
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「え、リエラ……」
腕の中でモゾモゾと動くリエラが一瞬軽くなった。
そして、ずしりとした重さになると、包んでいた布の中から現れたのはぱっちりとした大きな瞳と艶やかな黒い体毛。
「獣化……した?」
『まま』
「ん、リエラ?」
鈴を転がすような可愛らしい声に驚いていると、リルとレヴィが立ち上がる。
「リエラが獣化したのか?」
「うん。可愛い」
腕の中でふにゃっとした動物特有の軟らかさを感じて俺はリエラを抱く腕を変えた。
そして、リルとレヴィにリエラを見せる。
「可愛いな」
「あぁ……」
「ママ、リエラ?」
つんつんと服を引いてきたのはルス。
「そうだよ」
そっとリエラを見せてやると、リエラはもぞもぞと身体を動かし、小さな前足を布の隙間から差し出した。
艶っとした黒光りする肉球。
『グルゥ……まま』
小さな声で俺を呼ぶリエラ。
「ん?パパとお兄ちゃんたちだよ?わかるかな……」
『あー……ぅ……』
ママと発音したはいいが、それ以上は言葉になっていない。まだまだだなと思っていると、ネイがそっと膝をついた。
「リエラ様の獣化おめでとうございます。もうその姿なら走り回ることも可能になりますのでより一層の注意が必要になると思いますので、どなたかリエラ様の専属をつけますか?」
ネイの言葉に俺は驚いた。
「ネイさんに負担がかかり過ぎますよね……俺たちも頑張りますので、良さそうな方がいればご紹介ください」
走り回る双子だけでも大変なのに、リエラまでいるとするとネイさんひとりでは手に負えない。
わかっているのだけれど、俺が育てたいとも思ってしまう。
だけど、俺に獣化する術はない。
「……っ」
「リクト、どうするかはおいおい決めりゃいい」
俺の手からそっとリエラを取り上げるリルに、嫌だとばかりにリルの顔を小さな肉球で押し返すリエラ。
「そんなぁ、俺ぱぱだぞ……」
「リエラ、爪はダメだよ」
いつ爪を出すかわからないヒヤヒヤに俺は心配していると、降りるの!とばかりにリエラが鳴いた。
「はいはい、お姫様わかったって……ネイ、サークルあるか?」
「はい、馬車に。お持ちしますね」
双子はほぼ家の中で過ごさせた幼少期。
家の中ならどんなに走り回っても外に出なければいなくなることはない。
ぶつけたりしないように硬いものの角などは保護したが、今の家は広いためリエラも急に駆け出したりしないように、サークルの中で最初は遊ばせるらしい。
獣人の子供たちにはよくあることらしい。
と言うか、リエラがいつ獣化してもいいと用意してくれていたのだろう。本当にラディットさんやネイさんには頭が下がる。
バサッと音がして一瞬で大きなサークルになったものをネイさんはよいしょと俺たちの座っていたシートの上に乗せて周囲を囲った。
「ほら、リエラゆっくりな」
リエラを抱えていたリルがシートの上にリエラを下ろすと、リエラは小さな足でちょこちょこと歩き出すのだった。
腕の中でモゾモゾと動くリエラが一瞬軽くなった。
そして、ずしりとした重さになると、包んでいた布の中から現れたのはぱっちりとした大きな瞳と艶やかな黒い体毛。
「獣化……した?」
『まま』
「ん、リエラ?」
鈴を転がすような可愛らしい声に驚いていると、リルとレヴィが立ち上がる。
「リエラが獣化したのか?」
「うん。可愛い」
腕の中でふにゃっとした動物特有の軟らかさを感じて俺はリエラを抱く腕を変えた。
そして、リルとレヴィにリエラを見せる。
「可愛いな」
「あぁ……」
「ママ、リエラ?」
つんつんと服を引いてきたのはルス。
「そうだよ」
そっとリエラを見せてやると、リエラはもぞもぞと身体を動かし、小さな前足を布の隙間から差し出した。
艶っとした黒光りする肉球。
『グルゥ……まま』
小さな声で俺を呼ぶリエラ。
「ん?パパとお兄ちゃんたちだよ?わかるかな……」
『あー……ぅ……』
ママと発音したはいいが、それ以上は言葉になっていない。まだまだだなと思っていると、ネイがそっと膝をついた。
「リエラ様の獣化おめでとうございます。もうその姿なら走り回ることも可能になりますのでより一層の注意が必要になると思いますので、どなたかリエラ様の専属をつけますか?」
ネイの言葉に俺は驚いた。
「ネイさんに負担がかかり過ぎますよね……俺たちも頑張りますので、良さそうな方がいればご紹介ください」
走り回る双子だけでも大変なのに、リエラまでいるとするとネイさんひとりでは手に負えない。
わかっているのだけれど、俺が育てたいとも思ってしまう。
だけど、俺に獣化する術はない。
「……っ」
「リクト、どうするかはおいおい決めりゃいい」
俺の手からそっとリエラを取り上げるリルに、嫌だとばかりにリルの顔を小さな肉球で押し返すリエラ。
「そんなぁ、俺ぱぱだぞ……」
「リエラ、爪はダメだよ」
いつ爪を出すかわからないヒヤヒヤに俺は心配していると、降りるの!とばかりにリエラが鳴いた。
「はいはい、お姫様わかったって……ネイ、サークルあるか?」
「はい、馬車に。お持ちしますね」
双子はほぼ家の中で過ごさせた幼少期。
家の中ならどんなに走り回っても外に出なければいなくなることはない。
ぶつけたりしないように硬いものの角などは保護したが、今の家は広いためリエラも急に駆け出したりしないように、サークルの中で最初は遊ばせるらしい。
獣人の子供たちにはよくあることらしい。
と言うか、リエラがいつ獣化してもいいと用意してくれていたのだろう。本当にラディットさんやネイさんには頭が下がる。
バサッと音がして一瞬で大きなサークルになったものをネイさんはよいしょと俺たちの座っていたシートの上に乗せて周囲を囲った。
「ほら、リエラゆっくりな」
リエラを抱えていたリルがシートの上にリエラを下ろすと、リエラは小さな足でちょこちょこと歩き出すのだった。
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