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117話

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ピクニック。
ついつい朝早くから起き出してお弁当を作ってしまう。
お握りは炊き込みご飯と、おかか。
サンドイッチはツナとハムチーズ。
唐揚げは下味をしっかりと漬けて塩と醤油。
玉子焼きは甘いのと具材入り。
それに足してミートボールやアスパラのベーコン巻き、ジャーマンポテト。
フルーツは良く洗ったブドウ。
どうしても肉メインになってしまうのは仕方ない。

朝御飯はお昼と被るといけないから、キノコたっぷりのペペロンチーノ風パスタにした。
朝からベビーかもしれないけど、しっかり食べないと動けないからね。
お茶の準備をしてからバスケットを布で包むと、ふたりの収納ボックスへ入れて貰った。

で、俺はてっきりピクニックと言われて歩いていくものだと思っていたが、玄関を開けてたじろいだ。
玄関前に馬がいる!
馬と言っても、見た目は似ているが、顔つきや模様が違う。
鬣や長い顔はそのままだが、背中から腹に向かって縞が入り、そこはシマウマに似てもいるが、その色は紺から青色をしていた。
筋肉質だとわかるその足元には鬣と同じ色の流れるような毛があり、少しだけ架空の生物である麒麟の足元にも見える。


「わぁ、触っても大丈夫?」

動物好きの血が騒ぐが、この子達はなんなのだろう。
話を聞くと、魔獣の一種らしい。
大人しくて契約をすれば背中に乗せて運んでくれる。
獣化できない獣人の便利な足になってくれるのだとか。
リルとレヴィが話し合って借りた魔獣だとのことだが、可愛い。
その滑らかな鼻先を撫でると馬のように喜びぶるぶると鼻を鳴らした。
軟らかく唇で噛んでくれるのは親愛の証。
2頭に髪を噛まれる寸前でレヴィが救いだしてくれた。

「後でたくさん触りたい!」
「構わないが、気が済んだら俺たちも触って欲しい…毎日ブラッシングしてもらうが、もっとして欲しい」
「じゃあブラシを」
「もう持った」

早いねレヴィ。

「じゃあ、行こうか…何処に連れていってくれる?」

3人でのピクニックが漸く始まった。
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