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本編
153話
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「あらあら、いいわねぇ……私も抱っこして欲しいわ」
ミトさんがちらりとルーファスさんを見やる。
それは、俺がレヴィに抱っこされているからで、リルはミラを抱いている。
ミトさんとルーファスさんは仲良く手を繋ぎながら皆でお散歩なのだが、恥ずかしすぎてちょっと……。
「ミトが望むなら抱っこするが?」
「やぁね、ダーリン……それは夜だけにして」
きゃっきゃと、仲の良いふたりを見るのは幸せだし、リルの腕の中で小さな欠伸をするミラも可愛い。
俺以外は皆美形だから他の人の視線なんて気にもならないだろうし、慣れっこなのだろうけれど。
すれ違う人達の生暖かいって視線が……って、そう言えばこんなこと前にもあったかもしれない。
レヴィの厚い胸に顔を埋めるようにしていると、可愛いなと小さな声が降ってきた。
聞き間違えること無い、レヴィの声。
「もうっ!」
ぺしりとレヴィの背中を叩くも痛くもなんとも無いようで、チュッとレヴィに頬にキスをされた。
「リクト、着いた」
お散歩の先は聖樹。
まだ明るいこともあって、恋人達がリボンを結ぼうとしている。
小さな街だと言うけれど、俺にはそれなりの大きさの街に思えた。
ひらひらと風に揺れる様々な色のリボンの先に膨らんだ果実。
早く大きくなって、両親の元へ戻れるようにと俺は願う。
「リクトちゃん、少しだけ力を貸して?」
ミトさんが近寄ってくると、俺をレヴィの手から受け取る。
ミトさんに抱き上げられることなど初めてで、ぎょっとしてしまった。
「あらぁ、リクトちゃん軽すぎるわね、しっかり食べなさいな」
レヴィよりは細身だが、リルとは同じくらいの体格のミトさんだから、がっちりと抱いてくれているが俺は申し訳なくなってしまう。
「お母さん……降りて歩けますから」
そう言うも離してくれる気配はないのだ。
「リクトちゃん、あの枝の果実がアタシの知人の子なのだけど、あの大きさになってからずっとそのままなのよ……少し触って刺激してくれたら嬉しいわ……早くいらっしゃいってね?」
俺にはそんな力は無いはずなのだけれど、もしかしたらこの世界の外から来たことを聖樹はわかっていて、触れられる事がストレスになって果実が育つのかもしれない。
ほら、稲穂にストレスを与えながらお米を作るって言うからね?
それなら納得だとミトさんと聖樹に近付き手を伸ばして果実に触れる。
そっと片手で触れた瞬間果実からは大きな拍動が聞こえた気がした。
ミトさんがちらりとルーファスさんを見やる。
それは、俺がレヴィに抱っこされているからで、リルはミラを抱いている。
ミトさんとルーファスさんは仲良く手を繋ぎながら皆でお散歩なのだが、恥ずかしすぎてちょっと……。
「ミトが望むなら抱っこするが?」
「やぁね、ダーリン……それは夜だけにして」
きゃっきゃと、仲の良いふたりを見るのは幸せだし、リルの腕の中で小さな欠伸をするミラも可愛い。
俺以外は皆美形だから他の人の視線なんて気にもならないだろうし、慣れっこなのだろうけれど。
すれ違う人達の生暖かいって視線が……って、そう言えばこんなこと前にもあったかもしれない。
レヴィの厚い胸に顔を埋めるようにしていると、可愛いなと小さな声が降ってきた。
聞き間違えること無い、レヴィの声。
「もうっ!」
ぺしりとレヴィの背中を叩くも痛くもなんとも無いようで、チュッとレヴィに頬にキスをされた。
「リクト、着いた」
お散歩の先は聖樹。
まだ明るいこともあって、恋人達がリボンを結ぼうとしている。
小さな街だと言うけれど、俺にはそれなりの大きさの街に思えた。
ひらひらと風に揺れる様々な色のリボンの先に膨らんだ果実。
早く大きくなって、両親の元へ戻れるようにと俺は願う。
「リクトちゃん、少しだけ力を貸して?」
ミトさんが近寄ってくると、俺をレヴィの手から受け取る。
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「あらぁ、リクトちゃん軽すぎるわね、しっかり食べなさいな」
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「お母さん……降りて歩けますから」
そう言うも離してくれる気配はないのだ。
「リクトちゃん、あの枝の果実がアタシの知人の子なのだけど、あの大きさになってからずっとそのままなのよ……少し触って刺激してくれたら嬉しいわ……早くいらっしゃいってね?」
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ほら、稲穂にストレスを与えながらお米を作るって言うからね?
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そっと片手で触れた瞬間果実からは大きな拍動が聞こえた気がした。
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