165 / 680
本編
170話
しおりを挟む
「リルもレヴィも少しだけ果実を触ってあげて?俺達の子供になるんだよ?」
そう俺が言うと、ふたりは頷いてから手をのばす。
ふたりの長い手は柵の外からでも悠々と果実に届いた。
おっかなびっくりのふたりにくすくすと笑いが漏れてしまう。
世の中のお父さんはこうなのかもしれない。
「じゃあ、行こうか……」
「おう、夕飯は出たついでに食って行こうぜ?支度してねぇだろ?」
「ついでに嫌じゃなければ宿もとってある」
「えっ!?」
またふたりに挟まれるように手を繋いでから歩き出す。
少しだけ日が落ちた周囲の建物には明かりが灯る。
遠くの空にうっすらと月が姿を現した。
「今日くらいはゆつまくりしようぜ?記念日になるんだしな」
「少し距離があるから、馬車を使うか?」
「うーん……大丈夫だと思うけど……」
ふたりとも、いつの間に?だね。
出掛けるのを決めたのは今日なのに、まるで俺が今日を選ぶのがわかっていたみたい。
そんなに分かりやすいかなぁ。
ふたり組の恋人たちと何組みか擦れ違う。
皆、手にリボンを持って楽しそうで、今日が結ぶにはいい日なのだと言うのは本当のようだ。
「皆、実が成るといいね」
「そうだな」
どれだけの希望と覚悟が必要なのだろう。
全員に幸せのコウノトリが来ればいいなと……あれ、鳥の獣人さんっているのかなぁ。
「リル、リルは虎属、レヴィは熊属でしょ?鳥…例えば鷹属とかはいるの?」
「いるぜ?腕や首に羽根がある」
リルが手の甲と首筋を指差す。
「そうなんだ……」
知らない事ばかりなのだと驚きながら足を止めた先には、一軒の建物があった。
此処は俺が足を踏み入れた事のない、むしろひとりでは絶対来るなと言われていた一画だとわかった。
「リル……此処……」
ざわざわとした喧騒。
行き交う獣人。
呼び込みの声はなく、硝子の向こうにちらりと見えた獣人さんたちは、艶かしい姿をしていた。
「あぁ、誰かを買う訳じゃねぇから、心配すんな」
「リクト、この先にちょっとした雰囲気のいい宿があるらしい」
「そう、なの?」
レヴィが言うのだからそうなのだろう。
リルは常連っぽいけれど、レヴィは……。
ふたりを交互に見上げると、リルは苦笑を見せる。
「リクトが来てからは1度も通ってねぇよ」
その言葉は信じてもいいのだろうか。
俺と出逢う前にも、こうして番になる前の事にも俺は口を出す権利は無いけれど、やっぱりこのふたりが他の獣人をどうやって抱いたのかは気になってしまう。
「うん……大丈夫……健全な男子なんだからいいんだよ、遠慮しないで?」
そう言った俺にリルとレヴィは複雑そうな表情を浮かべていた。
☆☆☆☆☆
はい、3人で行ったのは花街の一画です!
綺麗なお兄ちゃんやお姉ちゃんがいるもよう。
エロ書けるかなぁ。
そう俺が言うと、ふたりは頷いてから手をのばす。
ふたりの長い手は柵の外からでも悠々と果実に届いた。
おっかなびっくりのふたりにくすくすと笑いが漏れてしまう。
世の中のお父さんはこうなのかもしれない。
「じゃあ、行こうか……」
「おう、夕飯は出たついでに食って行こうぜ?支度してねぇだろ?」
「ついでに嫌じゃなければ宿もとってある」
「えっ!?」
またふたりに挟まれるように手を繋いでから歩き出す。
少しだけ日が落ちた周囲の建物には明かりが灯る。
遠くの空にうっすらと月が姿を現した。
「今日くらいはゆつまくりしようぜ?記念日になるんだしな」
「少し距離があるから、馬車を使うか?」
「うーん……大丈夫だと思うけど……」
ふたりとも、いつの間に?だね。
出掛けるのを決めたのは今日なのに、まるで俺が今日を選ぶのがわかっていたみたい。
そんなに分かりやすいかなぁ。
ふたり組の恋人たちと何組みか擦れ違う。
皆、手にリボンを持って楽しそうで、今日が結ぶにはいい日なのだと言うのは本当のようだ。
「皆、実が成るといいね」
「そうだな」
どれだけの希望と覚悟が必要なのだろう。
全員に幸せのコウノトリが来ればいいなと……あれ、鳥の獣人さんっているのかなぁ。
「リル、リルは虎属、レヴィは熊属でしょ?鳥…例えば鷹属とかはいるの?」
「いるぜ?腕や首に羽根がある」
リルが手の甲と首筋を指差す。
「そうなんだ……」
知らない事ばかりなのだと驚きながら足を止めた先には、一軒の建物があった。
此処は俺が足を踏み入れた事のない、むしろひとりでは絶対来るなと言われていた一画だとわかった。
「リル……此処……」
ざわざわとした喧騒。
行き交う獣人。
呼び込みの声はなく、硝子の向こうにちらりと見えた獣人さんたちは、艶かしい姿をしていた。
「あぁ、誰かを買う訳じゃねぇから、心配すんな」
「リクト、この先にちょっとした雰囲気のいい宿があるらしい」
「そう、なの?」
レヴィが言うのだからそうなのだろう。
リルは常連っぽいけれど、レヴィは……。
ふたりを交互に見上げると、リルは苦笑を見せる。
「リクトが来てからは1度も通ってねぇよ」
その言葉は信じてもいいのだろうか。
俺と出逢う前にも、こうして番になる前の事にも俺は口を出す権利は無いけれど、やっぱりこのふたりが他の獣人をどうやって抱いたのかは気になってしまう。
「うん……大丈夫……健全な男子なんだからいいんだよ、遠慮しないで?」
そう言った俺にリルとレヴィは複雑そうな表情を浮かべていた。
☆☆☆☆☆
はい、3人で行ったのは花街の一画です!
綺麗なお兄ちゃんやお姉ちゃんがいるもよう。
エロ書けるかなぁ。
372
あなたにおすすめの小説
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる